馬淵副大臣の辞任、更迭の話もあった「箇所付け」問題。予算審議前に、既に決定したかのように自民党県連から公表され、情報の取り扱いという単純ミスではなく、民主党の数のおごりと、参院選に向けた札束で人を釣る「利益誘導」&独裁化という政治姿勢にかかわる問題として注目されていました。
それに対する鳩山氏が予告していた処分とは、「口頭注意」でした。
日ごろリーダーシップの非難を浴びている鳩山氏は、大臣を叱責しリーダーシップを示したぞと誇らしげな顔をし、一方、早々に幕をおろそうとの茶番劇で、前原氏は素直に詫びる役回りを、閣議前から浮かぬ顔で勤めさせられていました。
鳩山由紀夫首相は2日、公表前の公共事業の「個所付け」情報が国土交通省から民主党を通じて自治体に漏れた問題で、前原誠司国土交通相を口頭で注意した。鳩山内閣での閣僚の「処分」は、昨年11月に国内総生産の速報値を公表前に漏らし、口頭で厳重注意された直嶋正行経済産業相以来2人目。
平野博文官房長官は同日の記者会見で、「国交省が民主党に仮配分(個所付け)の検討状況を説明した際、資料の取り扱いに対する意思疎通が十分に行われていなかった」と語り、党にも情報管理の問題があったことを示した。
その上で、前原氏について「今後、こうした無用の混乱や誤解を生じさせることがないよう注意した」と説明した。口頭注意は、閣僚の処分としては最も軽い。
一方、前原氏は会見で「(資料の)取り扱いが周知徹底されていなかった。責任者は私であり、処分は厳粛に受け止めたい」と述べた。
民主党は、地方や各種団体などの予算陳情を、県連経由で幹事長に一点集約する形に変えました。看護婦のおば様や、やわらちゃんまで小沢氏に陳情・面会する姿を報道にみせひらかし、小沢独裁体制作りに励んでいることは、諸兄がご承知の通りです。
陳情を受けたからには、その効果を大きく宣伝せねばならないのは道理で、県連も早くひけらかしたかったのでしょう。予算審議も始まっていないのに、公表してしまったのです。
この問題には二つの鍵があります。ひとつは、予算委員会・本会議を無視した多数で押し切れるとの奢りの姿勢です。
もうひとつは、民主党には流したけど、漏れてしまったという姿勢です。鳩山氏の処分はこの発想のように理解できます。民主党に配布した資料の、国会への提出も違う資料であったりして、当初なかなか出てきませんでした。
密室政治を廃し、公開議論するというのが売りだったのですが、政権を担ったとたんに、秘密に情報を流し、自民党でさえ予算成立後発表ぎりぎりに口頭速報にとどめていたものを、大胆に党ルートで公表したのでした。
鳩山氏が、みえを切て予告していた処分の内容は、馬淵副大臣の辞任、更迭ではなく、前原大臣への「口頭注意」でした。
この「口頭注意」とはどんな根拠で、とのような重さなのかがわからず、ネットで探してみました。処罰の根拠について、いち早く調べておられるblogがあり、「特別職国家公務員に関する法制」というのを紹介しておられました。
特別職国家公務員に関する法制
これによると、内閣総理大臣や、国務大臣の「懲戒」「服務」は空欄となっています。つまり、法制はない。
上記の朝日の報道では、「口頭注意」は最も軽いと報じていて、「口頭注意」にした理由は、読売によれば、平野氏は、「大臣規範に反する行為ではない」からと説明しています。
ただ、「大臣規範」については調べた限りでは、服務規程と業務規定からなり、株やゴルフ会員権などの売買、政治資金パーティなどお金の話や、副大臣の職務といった内容で、箇所付けの情報の取り扱いとの関係は見つかりませんでした。
いずれにしても明らかになったのは、鳩山内閣としては、一連の箇所付け問題は、秘密にすべき書類を、秘密にする指示を徹底しなかった前原大臣の責任ということで、朝日が言う最も軽い処罰の「口頭注意」(根拠不明ですが)として幕引きにしたということです。
情報を秘密裏に配布しようとしたこと。情報配布の対象も、国会予算委員会などは対象とせず、民主党の一部だけという自民党以上の秘密政治をおこなっていたことには触れずじまいです。
平野氏は、党にも責任があるといっているのですが、党総裁、幹事長への懲罰はどうなるのでしょう...? 民主党の総裁と幹事長では、「知りませんでした」でチョン...かぁ。
民主党の正体が、ここでも露呈したといえます。国民世論の支持率低下(内閣支持率30%台突入)の判断には、根の深い北教組の裏金問題もあり、ますます拍車がかかるのでしょうね。
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