遊爺雑記帳

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ジョン・ケリー大統領特使 オバマ政権の国務長官時代に秘密情報漏洩疑惑浮上 バイデン政権に打撃

2021-05-06 01:23:36 | 米国 全般
 4月25日付のニューヨーク・タイムズの報道で、ジョン・ケリー大統領特使(気候変動問題担当)がオバマ政権の国務長官時代に、イスラエルによるイラン拠点への秘密攻撃の実態を、テロ支援国家のイランのザリフ外相に教えていたことを示す音声テープが存在することが明るみにされたのだそうです。
 バイデン政権全体を揺るがしかねないこの音声テープの存在は、米国議会の共和党側からケリー特使に対して「同盟国であるイスラエルの秘密をテロ支援国家のイランに流したことは国家反逆罪にも等しい」という抗議を生み、19人の上院議員がバイデン大統領に特別調査の開始を求めるにいたっているのだそうです。
 
バイデン政権のケリー特使、過去にイランへ秘密情報を提供か イスラエルの軍事機密を漏洩?政権を揺るがす大問題に | JBpress(Japan Business Press) 2021.5.5(水) 古森 義久:産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授

 米国バイデン政権のジョン・ケリー大統領特使(気候変動問題担当)がオバマ政権の国務長官時代に、イスラエルによるイラン拠点への秘密攻撃の実態をイランのザリフ外相に教えていたことを示す音声テープが4月下旬、明るみに出た

 その結果、
米国議会では共和党側からケリー特使に対して「同盟国であるイスラエルの秘密をテロ支援国家のイランに流したことは国家反逆罪にも等しい」という抗議の声が寄せられ、19人の上院議員がバイデン大統領に特別調査の開始を求めるにいたった

ケリー氏がイランに情報提供?
 
バイデン政権全体を揺るがしかねないこの音声テープの存在は、4月25日付のニューヨーク・タイムズの記事で報じられた。最近のイランの国内情勢や対外戦略について伝えたこの長文の記事は、末尾に近い部分で以下のように記述していた。

「元米国国務長官のジョン・ケリー氏は、イランのムハンマド・ジャヴァド・ザリフ外相に対して、シリア領内のイランが関連する施設をイスラエルが少なくとも200回攻撃したことを伝えた。ザリフ外相はこの情報に驚いていた」

 この背景には、シリア内戦においてイランが多様な形でシリアの現アサド政権側を支援し、反政府勢力を攻撃してきた経緯があった。イスラエルは、シリアにおけるイランの影響力拡大を恐れ、イランが支援するシリア領内の基地や組織をミサイルなどで攻撃してきた。だがイスラエル当局はその攻撃活動について公式には認めず、秘密裡に実行してきた。

 だからニューヨーク・タイムズの
この報道は、「米国の国務長官が、同盟パートナーであるイスラエルの秘密軍事作戦を、米国がテロ支援国家に指定してきたイランに伝えるということは同盟相手への裏切り行為に等しい」という反応を米国内で引き起こした。マスコミも、ケリー氏の“イランへの情報提供”を大きなニュースとして扱い、さまざまなメディアが続報を伝えた。

非公開だったはずの対話の内容が流出
 ニューヨーク・タイムズの当初の報道によると、
元々はこの「録音」は今年(2021年)3月、イランの体制に批判的なテレビ局「イランインターナショナル(Iran International)」によって流されたという。イランインターナショナルはロンドンに拠点をおき、主にイラン人によって運営され、イラン国内でも広く視聴されている。

 問題のザリフ外相の発言が登場したのは、イラン人のエコノミスト、レイ・ラズ氏との3時間にわたる対話の中だった。この対話は、イラン情勢の改善を目的として、公開しない前提で行われた。ザリフ外相はその対話で、イランの革命防衛隊への批判や自らの外相としての活動への制約に対する不満などを率直に述べたという。対話の内容は非公開のはずだったが、録音した音声ファイルがイランインターナショナルの手に渡り、さらにニューヨーク・タイムズがその要旨を報道するにいたったというわけだ。

 録音された
ザリフ外相の発言によると、同外相は、ケリー氏がオバマ政権の国務長官だった時期とその辞任後の時期に、ケリー氏と数回会談した。その会談でイスラエルによる秘密攻撃の情報を得たという

 イラン政府外務省の報道官は、ザリフ外相の発言の一部を否定しながらも、この音声ファイルが同外相による実際の発言の録音であることを認めている。

バイデン政権に徹底調査を要求
 ケリー氏はオバマ政権2期目の国務長官を2013年2月から2017年1月まで務めた。ちなみに2004年の大統領選挙では民主党の候補に指名され、現職のジョージ・ブッシュ大統領(2代目)と争って敗れた。

 今回明らかになった
ケリー氏のザリフ外相への情報提供に対して、米国議会では共和党側から激しい非難の声が沸き起こった。たとえば次のような非難である。

「この録音の内容が事実ならば、
ケリー氏は米国の同盟相手であるイスラエルの軍事機密を米国の敵の政府代表に漏らしたことになる。その結果、イスラエルの国益が損なわれ、シリアの内戦にかかわる米軍将兵の生命も危険にさらしたことになる」(テッド・クルーズ上院議員)

ケリー氏は米国の安保上の重要パートナーの軍事機密を敵国と呼べるイランの外相に流していたことになる。この行為は米国に対する国家反逆罪にも等しい。ケリー氏はまずバイデン政権の要職から辞任し、同政権による徹底調査を待つべきだ」(ジム・バンクス下院議員)

 上院では4月29日、外交委員会の有力メンバーであるマルコ・ルビオ議員をはじめとする合計19人の共和党議員がバイデン大統領に共同書簡を送り、政府としての公式調査を開始するよう要求した。連邦議会下院でも、外交委員会の共和党メンバー全員が4月28日にブリンケン国務長官あてに同趣旨の書簡を送り、ケリー氏に対する同種の調査の実施を求めた。

 こうした動きに対して
国務省の報道官はザリフ外相の発言自体は認めながらも、「ケリ―氏がその秘密を暴露したとされるイスラエルによるシリア領内のイラン拠点攻撃は、『暴露』の時点ではすでにイスラエルによる作戦であることが一般に明らかになっていたようだ」として機密暴露であることを否定した。

 一方、当の
ケリー氏自身は、報道されたザリフ外相の発言自体がすべて事実ではないと否定している。

 しかし共和党側は、上下両院でこの問題を重視して、バイデン政権が納得できる対応を示すまでは他の外交や軍事案件の審議を止める構えさえも見せている。このケリー発言をめぐる騒ぎは
今後も米国の国政を揺さぶることにもなりそうだ

 イランの体制に批判的なテレビ局「イランインターナショナル」は、イランのザリフ外相が、イラン人のエコノミスト、レイ・ラズ氏との3時間にわたる対話の中で、ケリー氏がオバマ政権の国務長官だった時期とその辞任後の時期に、ケリー氏と数回会談し、その会談でイスラエルによる秘密攻撃の情報を得たというもの。
 対話の内容は非公開のはずだったが、録音した音声ファイルがイランインターナショナルの手に渡り、さらにニューヨーク・タイムズがその要旨を報道するにいたったのだそうです。

 ケリー氏自身は、報道されたザリフ外相の発言自体がすべて事実ではないと否定とのことですが、会って話したことは事実?
 何故、同盟国であるイスラエルと敵対し、米国がテロ支援国家に指定してきたイランのザリフ外相と会って話をしたの?
 イスラエルとイランの調停をしようとした?

 国務省の報道官は、ザリフ外相の発言自体は認めながらも、内容は「一般に明らかになっていたようだ」として機密暴露であることを否定。

 議会上院では、マルコ・ルビオ議員をはじめとする合計19人の共和党議員がバイデン大統領に共同書簡を送り、政府としての公式調査を開始するよう要求。下院でも、外交委員会の共和党メンバー全員が4月28日にブリンケン国務長官あてに同趣旨の書簡を送り、ケリー氏に対する同種の調査の実施を求めたのだそうです。

 ケリー発言をめぐる騒ぎは今後も米国の国政を揺さぶることにもなりそうだと古森氏。



 # 冒頭の画像は、イランのムハンマド・ジャヴァド・ザリフ外相




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