普天間基地移転は、そもそもは在日米軍再編、更に起源を辿れば中東から極東にかけての米軍の不安定の弧戦略に因るものであったことは、諸兄がご承知のとおりです。その中で日本の果たす役割は大きく、中国の軍事力の拡大に裏打ちされた覇権拡大の対象となっている日本にとっても、国家の主権を護るためには、真正面から対峙せねばなのない課題でもあります。
しかし、遅々として進まないどころか民主党政権の誕生で鳩が登場し、沖縄の人々の人心をもてあそび、まとまりかけていた普天間移転をぶち壊してしまいました。
一方の中国の覇権拡大・侵略は、台湾海峡どころか、西太平洋第二列島線から、東・南シナ海、インド洋まで着々と進められています。
米国は昨年暮れ、アジアへの重点移行を宣言し、中国包囲網の構築に絞り込みを始めました。中国の「接近阻止作戦」が進展したことも大きな要因ですね。
そこで、進展しない日本の動きを待っていられないとばかりに、在日米軍再編の見直しを始めたのは当然の動きでしょう。
米軍にとって再編の契機となっている最も重大な要因は、対艦弾道ミサイル(ASBM)対策ですね。
「東風21D」の出現で、かつて台湾海峡での緊張が高まった際に第七艦隊の空母が出動し平圧できたことが、接近が困難になってきているのです。
沖縄(日本)は、完全に中国のミサイルの射程圏で、今は、制海権・制空権の争奪のさや当てが始まろうとしているところです。
有事に、先ず動く海兵隊が、中国のミサイルの圏外にも戦力を置かねばならないことは、素人の遊爺でも考えることです。
当初の司令部移転は留め、4,700人をまず射程距離外に移動するのは、沖縄の負担軽減を先行して行うと同時に、戦力の安全圏での温存の目的もあると考えられます。
戦力の分散、逐次投入は一般的にはセオリーに反するともいえますが、一か所に集中していることで、ミサイルの集中攻撃に遭い壊滅させられる危険を考えると、妥当な作戦となりますね。(なので、もともと全員が常時沖縄に居ることはなかったのですが。)
3拠点化される海兵隊。本来は司令部はグアムへ移転することになっていたのですから、日本の動きが更に進まない状態が続けば、日本には先方となる部隊を残し、グアムやダーウィンへ移すことになると考えるのが普通ではないでしょうか。
つまり、防衛の弧の戦線を日本から後退させ、日本は日本の自力でどうぞということになる。
かつて、フィリピンが米軍を追いだしたとたんに中国の浸食の攻勢をうけた再現です。
米軍は出ていけと言うのは簡単ですが、その後の国を護る手立てはどうするか、準備が出来ていて言えることですね。軍備をもたなければ攻めてこられないと言っている人々は、過去の歴史や現状で、そのようなことが実現したことがあるのかを考えてみれば、むしろ逆に侵略され国が滅んだ事実ばかりであったことが子供の頃に、日本史や世界史で学んだことを想いだすはずです。
それでも、軍備が不要と言う輩は、既に侵略側に買収された売国奴にちがいない。
日米同盟を堅持するとともに、米軍への依存度の肩代わりをする自国の力を備えていくことが肝要ですね。
# 冒頭の画像は、「東風21(DF-21)」(ASBMは、東風21D (DF-21D))
清流の冠雪したわさび 撮影場所; 六甲高山植物園
↓よろしかったら、お願いします。
しかし、遅々として進まないどころか民主党政権の誕生で鳩が登場し、沖縄の人々の人心をもてあそび、まとまりかけていた普天間移転をぶち壊してしまいました。
一方の中国の覇権拡大・侵略は、台湾海峡どころか、西太平洋第二列島線から、東・南シナ海、インド洋まで着々と進められています。
米国は昨年暮れ、アジアへの重点移行を宣言し、中国包囲網の構築に絞り込みを始めました。中国の「接近阻止作戦」が進展したことも大きな要因ですね。
そこで、進展しない日本の動きを待っていられないとばかりに、在日米軍再編の見直しを始めたのは当然の動きでしょう。
米海兵即応隊3拠点化 西太平洋 沖縄・グアム・豪に 対中抑止力強化 (3/21 読売朝刊)
日米両政府による在日米軍再編計画見直しの協議で、米政府が示した米軍の西太平洋における海兵隊配置の骨格が20日、分かった。有事などへの即応性が高い「海兵空陸任務部隊(MAGTF)」を現在の沖縄1か所から、グアムとオーストラリア・ダーウィンを加えた3か所に分散するのが柱だ。海洋進出を強める中国などを念頭に、東シナ海や南シナ海を含む周辺海域への拠点を増やし、抑止力を強化する狙いがある。
米政府のMAGTFの分散配置方針は、複数の日米関係筋が明らかにした。
在沖縄海兵隊は主に、米本土以外では最大規模であるMAGTFの第3海兵遠征軍(約1万8000~2万1000人)で構成されている。2006年の日米合意では、遠征軍の司令部や後方支援部隊の要員計8000人をグアムに移転し沖縄には戦闘部隊を中心に1万人が残る計画だった。
米政府は在日米軍再編計画見直しを契機に、グアムへの移転規模を4700人に縮小し、遠征軍の司令部と、傘下の主力戦闘部隊であるMAGTFの「第31海兵遠征部隊」(約2200人)など1万人を残留させる方針を日本側に伝えている。残りの要員は米本土や米ハワイ州に分散し、沖縄の負担軽減を図る方針だ。
MAGTFに関しグアムと豪ダーウィンに新たに配置するのは、MAGTFでは最小規模である「海兵遠征部隊」とする案も出ている。グアムには部隊を常駐させ、ダーウィンには米本土から約2500人が1年間のうち6か月移駐する方向。沖縄は、朝鮮半島や東シナ海など北東アジア、グアムは西太平洋全体、ダーウインは南シナ海やインド洋を担当地域とする考えだ。
米政府はこれに合わせ、フィリピンでは海兵隊の訓練、シンガポールには最新鋭戦闘艦の実質的な配備などを行い、「中国包囲網」を構築していく構えだ。
日米両政府による在日米軍再編計画見直しの協議で、米政府が示した米軍の西太平洋における海兵隊配置の骨格が20日、分かった。有事などへの即応性が高い「海兵空陸任務部隊(MAGTF)」を現在の沖縄1か所から、グアムとオーストラリア・ダーウィンを加えた3か所に分散するのが柱だ。海洋進出を強める中国などを念頭に、東シナ海や南シナ海を含む周辺海域への拠点を増やし、抑止力を強化する狙いがある。
米政府のMAGTFの分散配置方針は、複数の日米関係筋が明らかにした。
在沖縄海兵隊は主に、米本土以外では最大規模であるMAGTFの第3海兵遠征軍(約1万8000~2万1000人)で構成されている。2006年の日米合意では、遠征軍の司令部や後方支援部隊の要員計8000人をグアムに移転し沖縄には戦闘部隊を中心に1万人が残る計画だった。
米政府は在日米軍再編計画見直しを契機に、グアムへの移転規模を4700人に縮小し、遠征軍の司令部と、傘下の主力戦闘部隊であるMAGTFの「第31海兵遠征部隊」(約2200人)など1万人を残留させる方針を日本側に伝えている。残りの要員は米本土や米ハワイ州に分散し、沖縄の負担軽減を図る方針だ。
MAGTFに関しグアムと豪ダーウィンに新たに配置するのは、MAGTFでは最小規模である「海兵遠征部隊」とする案も出ている。グアムには部隊を常駐させ、ダーウィンには米本土から約2500人が1年間のうち6か月移駐する方向。沖縄は、朝鮮半島や東シナ海など北東アジア、グアムは西太平洋全体、ダーウインは南シナ海やインド洋を担当地域とする考えだ。
米政府はこれに合わせ、フィリピンでは海兵隊の訓練、シンガポールには最新鋭戦闘艦の実質的な配備などを行い、「中国包囲網」を構築していく構えだ。
米軍にとって再編の契機となっている最も重大な要因は、対艦弾道ミサイル(ASBM)対策ですね。
「東風21D」の出現で、かつて台湾海峡での緊張が高まった際に第七艦隊の空母が出動し平圧できたことが、接近が困難になってきているのです。
沖縄(日本)は、完全に中国のミサイルの射程圏で、今は、制海権・制空権の争奪のさや当てが始まろうとしているところです。
有事に、先ず動く海兵隊が、中国のミサイルの圏外にも戦力を置かねばならないことは、素人の遊爺でも考えることです。
当初の司令部移転は留め、4,700人をまず射程距離外に移動するのは、沖縄の負担軽減を先行して行うと同時に、戦力の安全圏での温存の目的もあると考えられます。
戦力の分散、逐次投入は一般的にはセオリーに反するともいえますが、一か所に集中していることで、ミサイルの集中攻撃に遭い壊滅させられる危険を考えると、妥当な作戦となりますね。(なので、もともと全員が常時沖縄に居ることはなかったのですが。)
3拠点化される海兵隊。本来は司令部はグアムへ移転することになっていたのですから、日本の動きが更に進まない状態が続けば、日本には先方となる部隊を残し、グアムやダーウィンへ移すことになると考えるのが普通ではないでしょうか。
つまり、防衛の弧の戦線を日本から後退させ、日本は日本の自力でどうぞということになる。
かつて、フィリピンが米軍を追いだしたとたんに中国の浸食の攻勢をうけた再現です。
米軍は出ていけと言うのは簡単ですが、その後の国を護る手立てはどうするか、準備が出来ていて言えることですね。軍備をもたなければ攻めてこられないと言っている人々は、過去の歴史や現状で、そのようなことが実現したことがあるのかを考えてみれば、むしろ逆に侵略され国が滅んだ事実ばかりであったことが子供の頃に、日本史や世界史で学んだことを想いだすはずです。
それでも、軍備が不要と言う輩は、既に侵略側に買収された売国奴にちがいない。
日米同盟を堅持するとともに、米軍への依存度の肩代わりをする自国の力を備えていくことが肝要ですね。
# 冒頭の画像は、「東風21(DF-21)」(ASBMは、東風21D (DF-21D))
清流の冠雪したわさび 撮影場所; 六甲高山植物園
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