遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

沖の鳥島は岩か島か

2016-05-13 23:58:58 | EEZ 全般
 沖ノ鳥島の東南東沖約150カイリ(約280キロ)の、EEZ内の海上で違法操業していた台湾の漁船1隻を、海上保安庁の巡視船が拿捕したことに、台湾の馬英九政権が抗議し、沖ノ鳥島は島ではなく岩だと、従来の台湾の態度を豹変させて、台湾漁船の保護を名目に巡視船を派遣し、EEZ内への進入をしていました。
 その巡視船は、いまだにEEZ内にとどまっているのだそうですね。
 沖の鳥島が島なのか、岩なのか。中国が島ではなく岩だと主張し、2005年頃から、議論が沸騰し石原都知事(当時)が先頭に立って島の保護への動きの活性化を促進されたのを想いだしました。

 
石原都知事が沖の鳥島視察 - 遊爺雑記帳
 沖の鳥島は、国連海洋法では「岩」 - 遊爺雑記帳
 幻想諸島航海記/[特別篇]沖ノ鳥島の謎――国際法篇
 台湾当局が沖ノ鳥島沖の漁船拿捕に抗議「受け入れがたい」 - 産経ニュース
 
沖ノ鳥島EEZ 海洋権益の保護強化に努めよ (5/13 読売 社説)

 
広大な排他的経済水域(EEZ)の権益をいかに効果的に守るかは、海洋国家である日本が直面する重要課題だ。政府は具体的な保護策に万全を期さねばならない。
 日本最南端の沖ノ鳥島(東京都小笠原村)のEEZで4月下旬、海上保安庁に台湾漁船が拿捕だほされたことについて、
台湾当局が抗議し、巡視船など3隻を派遣している。漁船保護を名目に、当面、EEZにとどまる
という。
 岸田外相が、台湾の巡視船について、日本の「申し入れにかかわらず入域させたことは極めて遺憾だ」と述べ、台湾側に出域させるよう求めたのは当然である。
 日本の領海とEEZの合計面積は世界6位だ。中でも沖ノ鳥島は、日本の国土面積をやや上回る約40万平方キロのEEZを有し、豊かな水産・海底資源をもたらす。非常に大切な海洋権益である。
 
日本は「国連海洋法条約上、沖ノ鳥島は島としての地位が確立している。EEZは存在する」との立場
だ。沖ノ鳥島の二つの小島は満潮時も海面に出ていることなどから、EEZを設定できない「岩」ではないとしている。
 だが、漁船の拿捕を受けて、
台湾の馬英九政権は突然、沖ノ鳥島は「岩」だと唱え始めた
。こうした一方的見解は容認できない。
 
中国が2004年頃から、「岩」だと主張し、韓国も同調している
が、台湾は曖昧にしてきた。
 今月20日の政権交代を前に、馬政権が態度を一変させたのは、疑問だ。
台湾の世論を煽あおり、退任後も影響力を保ちたいという馬総統の思惑
があるのではないか。
 日本は、対日重視方針を示している民進党の新政権と対話し、事態の収拾を図らねばならない。
 沖ノ鳥島は、中国から見れば、南西諸島からフィリピンを結ぶ第1列島線と、小笠原諸島からグアムを結ぶ第2列島線の中間に位置する。中国は海軍の西太平洋への本格的な遠洋展開をにらんでおり、地政学的にも価値が高い。
 
日本政府は、波浪や風雨による沖ノ鳥島の浸食を防ぐため、コンクリート製の護岸を設けている。さらに港湾施設などを整備し、島を確実に保全すべき
だ。
 沖ノ鳥島のEEZの有効管理が可能となり、中国の膨張主義的な海洋進出への牽制けんせいにつながる。
 離島の特性を生かし、気象観測や海洋生物の調査などの拠点としても活用したい。沖ノ鳥島の法的地位の補強になろう。関係省庁が連携し、戦略的に取り組むことが欠かせない。


 EEZの基点となる島について、「国連海洋法条約」が定めている要件は以下です。
 

海洋法に関する国際連合条約,(略)国連海洋法条約

第8部 島の制度
第121条 島の制度
1 島とは、自然に形成された陸地であって、水に囲まれ、満潮時においても水面上にあるものをいう。
2 3に定める場合を除くほか、島の領海、接続水域、排他的経済水域及び大陸棚は、他の領土に適用されるこの条約の規定に従って決定される。
3 人間の居住又は独自の経済的生活を維持することのできない岩は、排他的経済水域又は大陸棚を有しない。

 沖の鳥島は、中国が南シナ海で物議をかもしている、水没するサンゴ礁を埋め立てた人口島とはことなり、満潮時でも水没しませんから、「第121条 1」はクリアしています。
 「第121条 3」の、「人間の居住」はなされていませんが、「又は」の「独自の経済的生活を維持」をクリアしていればよいわけで、石原都知事(当時)は島周辺での漁業の振興を勧めました。国も、港湾設備の建設や気象観測設備の設置を計画しました。(国の計画が現状どうなっているかは、未確認)
 また、石原都知事(当時)は、護岸の対策にも尽力いただいていましたね。
 
沖ノ鳥島の維持再生と海藻林造成 プロジェクトの提案書;全日本漁港建設協会 海藻ビジネス研究会

 馬英九が、蔡英文新政権に課題を背負わせると同時に、中国政府への点数稼ぎで行った巡視船の出動です。
 そうしたつけ込まれる隙を埋めるためには、読売・社説が結んでいる様に、気象観測や海洋生物の調査などの拠点としても活用する施設の建設を急ぐことが望まれます。
 個人のせこい守銭奴に染まる、猪瀬、舛添を、2代続けて選んだ都民の方々の猛省もお願いします。

台湾で内閣総辞職 - 産経ニュース



 # 冒頭の画像は、沖ノ鳥島を訪れた石原都知事(当時)




  小石川植物園(日本最古の植物園)から望んだスカイツリー


↓よろしかったら、お願いします。



写真素材のピクスタ


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