中国共産党創立90周年にからみ各地で繰り広げられた党礼賛の政治キャンペーンに対し、「党のためにならない」と改革を求める声が党内外から出ているのだそうです。
「党の宣伝工作は時代とともに進化すべきだ。」とし、「国が強要するやり方は、党が掲げる改革の精神に合致しない。」と言うものです。
庶民と党のかい離を招く古めかしい形式主義との批判が支持を広げているのだそうです。
党中央への公開書簡をネットで発表し、当局は書簡をネットから削除したが、ほかのサイトに転載され、支持が広がっているのだそうです。
党の批判をしながらも逮捕監禁されていないどころか、次期指導部入りが有力視される汪洋・広東省党委書記が同様の発言をするなど世論形成されつつあるかの様に見えます。
一方、今日の繁栄をもたらした「改革開放」について、評価の結論を先送りしている動きもあるようです。
政権移行の準備期間に入ったこの時期、現政権への批判は容認され、高評価は敬遠されているとの見方は考えすぎでしょうか。
それとも、胡錦濤氏が党内限定の民主化を提言したように、とりあえず一党独裁批判は封じつつ民主化(自由化)にむけ歩み始める土壌が出来ようとしているのでしょうか。
急速な経済発展を遂げた代償として生まれた格差社会。それは自由より平等を優先する共産主義や社会主義の基本理念とは反する結果を産み出しています。
中国共産党の抱える大きな矛盾ですが、自由と繁栄をさらに推し進めるのか、平等重視に回帰するのか、両立を追求するのか、中国という国と国民が岐路に立っていることは間違いないでしょう。100周年は迎えられるのでしょうか。
江沢民時代への回帰路線が懸念される習近平政権は、大きな課題を背負ってのスタートとなるのは避けられませんね。
時事ドットコム:新華社、江沢民氏の死亡情報を否定=「容体は深刻」と消息筋-中国
温家宝首相は、対日重視の行動を展開しています。
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「党の宣伝工作は時代とともに進化すべきだ。」とし、「国が強要するやり方は、党が掲げる改革の精神に合致しない。」と言うものです。
庶民と党のかい離を招く古めかしい形式主義との批判が支持を広げているのだそうです。
中国に脱「党礼賛」論 「時代遅れ」批判庶民も支持 (7/7 朝日朝刊)
1日の中国共産党創立90周年にからみ各地で繰り広げられた党礼賛の政治キャンペーンに対し、「党のためにならない」と改革を求める声が党内外から出ている。旧態依然とした大規模な宣伝工作に冷めた視線を送る庶民は多く、共感を呼んでいる。
「共産党がなければ新中国はなかった」。6月末、重慶市で開かれた「中華紅歌会」。開幕式では5万人の市民が競技場を埋め、「紅歌」と呼ばれる革命歌の数々を歌い上げた。党中央の次期指導部入りを狙う市トップの薄煕来市党委書記が提唱した「唱紅歌」キャンペーンの一環だった。
党の肝いりで、党の功績を顕彰する大作歴史映画「建党偉業」も作られた。アンディ・ラウ氏ら中国や香港のスターが多数出演。ほかの人気映画の上演を遅らせて6月半ばに封切られると、政府機関や学校ごとに鑑賞学習会が開かれた。配給収入は中国史上最高の8億元(約100億円)に迫ると予測されている。
こうしたキャンペーンに対し、中央民族大学の趙士林教授(中国思想史)は6月末、「党の宣伝工作は時代とともに進化すべきだ。古めかしい路線は党のイメージを損なう」とする党中央への公開書簡をネットで発表した。
趙氏は党の宣伝工作について「政治的想像力、文化的創意、時代の精神を欠く形式主義だ」と一刀両断。当局は書簡をネットから削除したが、ほかのサイトに転載され、支持が広がっている。
趙教授は「国が(礼賛を)強要するやり方は、党が掲げる改革の精神に合致しない。党のため、知識人の責務として発言した」と話す。
宣伝・思想工作が党の権威づけに重きを置くあまり、庶民を遠ざけているとの懸念は党内にもある。
1月、党の「正史」といえる『中国共産党歴史』の第2巻が出版された。学校や職場で行われる政治教育の基礎となるものだが、毛沢東のもとで鉄鋼や穀物などの急激な増産を目指した1958~60年の「大躍進」など、中国にダメージを与えた運動・政策について踏み込んだ批判はなかった。関係者からは「研究者間での議論より大幅に保守的な内容」との声もある。
広東省党委党史研究室などで長年、党史研究に携わってきた高宏的氏(61)は「正しい政策を大いに宣伝する一方、事実をありのままに記し、教訓をくみ取るのが我々の仕事だ」と主張。一方で「改革開放は過去の政策の反省を前提に始まったが、党史研究の分野ではまだ十分に総括できていない」と認める。
党内外の声を意識してか、次期指導部入りが有力視される汪洋・広東省党委書記は29日の広州の記念大会で、手放しの党礼賛をこう戒めた。「花束と拍手で庶民の声を埋没させてはならない」(広州=林望)
1日の中国共産党創立90周年にからみ各地で繰り広げられた党礼賛の政治キャンペーンに対し、「党のためにならない」と改革を求める声が党内外から出ている。旧態依然とした大規模な宣伝工作に冷めた視線を送る庶民は多く、共感を呼んでいる。
「共産党がなければ新中国はなかった」。6月末、重慶市で開かれた「中華紅歌会」。開幕式では5万人の市民が競技場を埋め、「紅歌」と呼ばれる革命歌の数々を歌い上げた。党中央の次期指導部入りを狙う市トップの薄煕来市党委書記が提唱した「唱紅歌」キャンペーンの一環だった。
党の肝いりで、党の功績を顕彰する大作歴史映画「建党偉業」も作られた。アンディ・ラウ氏ら中国や香港のスターが多数出演。ほかの人気映画の上演を遅らせて6月半ばに封切られると、政府機関や学校ごとに鑑賞学習会が開かれた。配給収入は中国史上最高の8億元(約100億円)に迫ると予測されている。
こうしたキャンペーンに対し、中央民族大学の趙士林教授(中国思想史)は6月末、「党の宣伝工作は時代とともに進化すべきだ。古めかしい路線は党のイメージを損なう」とする党中央への公開書簡をネットで発表した。
趙氏は党の宣伝工作について「政治的想像力、文化的創意、時代の精神を欠く形式主義だ」と一刀両断。当局は書簡をネットから削除したが、ほかのサイトに転載され、支持が広がっている。
趙教授は「国が(礼賛を)強要するやり方は、党が掲げる改革の精神に合致しない。党のため、知識人の責務として発言した」と話す。
宣伝・思想工作が党の権威づけに重きを置くあまり、庶民を遠ざけているとの懸念は党内にもある。
1月、党の「正史」といえる『中国共産党歴史』の第2巻が出版された。学校や職場で行われる政治教育の基礎となるものだが、毛沢東のもとで鉄鋼や穀物などの急激な増産を目指した1958~60年の「大躍進」など、中国にダメージを与えた運動・政策について踏み込んだ批判はなかった。関係者からは「研究者間での議論より大幅に保守的な内容」との声もある。
広東省党委党史研究室などで長年、党史研究に携わってきた高宏的氏(61)は「正しい政策を大いに宣伝する一方、事実をありのままに記し、教訓をくみ取るのが我々の仕事だ」と主張。一方で「改革開放は過去の政策の反省を前提に始まったが、党史研究の分野ではまだ十分に総括できていない」と認める。
党内外の声を意識してか、次期指導部入りが有力視される汪洋・広東省党委書記は29日の広州の記念大会で、手放しの党礼賛をこう戒めた。「花束と拍手で庶民の声を埋没させてはならない」(広州=林望)
党中央への公開書簡をネットで発表し、当局は書簡をネットから削除したが、ほかのサイトに転載され、支持が広がっているのだそうです。
党の批判をしながらも逮捕監禁されていないどころか、次期指導部入りが有力視される汪洋・広東省党委書記が同様の発言をするなど世論形成されつつあるかの様に見えます。
一方、今日の繁栄をもたらした「改革開放」について、評価の結論を先送りしている動きもあるようです。
政権移行の準備期間に入ったこの時期、現政権への批判は容認され、高評価は敬遠されているとの見方は考えすぎでしょうか。
それとも、胡錦濤氏が党内限定の民主化を提言したように、とりあえず一党独裁批判は封じつつ民主化(自由化)にむけ歩み始める土壌が出来ようとしているのでしょうか。
急速な経済発展を遂げた代償として生まれた格差社会。それは自由より平等を優先する共産主義や社会主義の基本理念とは反する結果を産み出しています。
中国共産党の抱える大きな矛盾ですが、自由と繁栄をさらに推し進めるのか、平等重視に回帰するのか、両立を追求するのか、中国という国と国民が岐路に立っていることは間違いないでしょう。100周年は迎えられるのでしょうか。
江沢民時代への回帰路線が懸念される習近平政権は、大きな課題を背負ってのスタートとなるのは避けられませんね。
時事ドットコム:新華社、江沢民氏の死亡情報を否定=「容体は深刻」と消息筋-中国
温家宝首相は、対日重視の行動を展開しています。
藩陽の日系企業 温首相が視察 対日重視姿勢にじむ (7/7 朝日朝刊)
中国の温家宝首相が4日、東北部の遼寧省藩陽を訪問した際、日本のIT関連会社「NTTデータ・ビーン」の中国法人を視察していたことが分かった。温首相の国内視察で日系企業を訪ねるのは異例で、対日関係を重視する姿勢をにじませた形だ。
中国の温家宝首相が4日、東北部の遼寧省藩陽を訪問した際、日本のIT関連会社「NTTデータ・ビーン」の中国法人を視察していたことが分かった。温首相の国内視察で日系企業を訪ねるのは異例で、対日関係を重視する姿勢をにじませた形だ。
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