遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

中国経済成長率 7%割れ

2015-10-20 23:40:28 | 中国 全般
 中国経済成長率は、7%を切ると、雇用の安定性を欠くことになると言われていて、最近は、7.0%との発表が続いていました。政府も7%を目標に掲げていました。発表される数値が疑わしいと指摘する方々が多くありました。しかし、遂に、7%を割る数値が公表されました。6.9の数値は、7%割れのショックを和らげる為か、実際にそうなのかは判りませんが、目標とされている数値でもある、7%を割り込んだことは政府の威信にもかかわることです。

 

中国過剰生産顕著に 成長率 6年半ぶり7%割れ (10/20 読売)

 中国経済が減速基調を強めている。中国国家統計局が19日発表した2015年7~9月期の国内総生産(GDP)の速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前年同期比6.9%増と、リーマン・ショック直後の2009年1~3月期(6.2%増)以来、6年半ぶりに7%を割った
。生産や消費の現場からは、統計以上に経済の減速が進んでいるとうかがわせる声も上がっている。(中国総局 鎌田秀男、田村充)

日本企業にも悪影響
 「作りすぎで鉄がだぶつき、今では白菜より安いよ」
 中国北部、河北省唐山市の製鉄工場で働く男性社員(45)は、自嘲気味に語る。「他社にシェアを奪われるから」と、工場の経営は苦しいのに、生産量は減らしていないという。
 
中国の経済減速の要因は、製鉄や造船など重厚長大産業で顕著な「過剰生産」だ
。中でも粗鋼生産量は年間8億トンを超え、世界生産の半分を占める。鉄鋼価格の下落は世界中に影響を与え、政府も「(製造業など)従来型産業の過剰生産が長年蓄積してきた矛盾を調整する必要がある」(国家統計局)と認める。1~9月の工業生産は前年同期比6.2%増と、1~6月期より0.1ポイント低下した。
 
1~9月期のGDP成長率は6.9%で、個人消費は10.5%増と経済指標の中では堅調だった。ただ、街の百貨店や商店からは次第に活気が失われているように見える。消費者はネットショッピングなど、より安く便利な買い物を求め、実店舗から足が遠ざかっている。

 新彊ウイグル自治区の区都ウルムチの中心部にある百貨店。祝日にもかかわらず、客はまばらで、茶葉を販売していた福建省出身の女性(54)は「高級品から安い茶に買い替える客が増え、売り上げも半分近く落ちた」とこぼしていた。
 
日本企業に及ぼす悪影響も目立ってきた。海運中堅で東証1部上場の第一中央汽船が9月末、中国経済の減速を背景に経営破綻した。東京商工リサーチによると、景気減速や商習慣の違いなどの「チャイナリスク」が原因で倒産した日本企業は今年度上半期(4~9月)で43件と、前年同期の約1.5倍に増えている
 中国政府は2015年の成長率目標「7%前後」達成について、「10~12月期も、来年も、中国経済は安定した動きを続ける」(国家統計局)としている。政府は今月下旬、2016年以降の経済・社会政策の柱となる「第13次5か年計画」を策定し、習近平国家主席が提唱する経済概念「新常態(ニューノーマル)」のもと、安定成長に抑える方針だ。
 第一生命経済研究所の西浜徹氏は「構造改革や景気の減速を含めた中国の新常態に、日本もいち早く対応する必要がある」と話している。




 中国の経済成長率の数値があてにならないことは、李克強首相も認めていて、「李克強指数」と言われる、鉄道貨物輸送量、銀行融資残高、電力消費の推移が有名ですが、輸入量値を推す声も聴かれますね。
 その輸入量の大幅減を指摘するのが日経社説。
 
中国の安定成長に欠かせぬ民間の活力  :日本経済新聞

 鉄鋼をはじめ重厚長大産業の生産能力が過剰になるなかで、生産や設備投資の調整が本格化していることを意味している。対中輸出への依存度が高い資源国などへの悪影響はしばらく続くだろうと指摘しています。

 資源国だけでなく、日本の企業でも、中国依存度の高い企業の倒産がでているのですね。
 個人消費は堅調だが、経済全体をけん引するには力不足なのだそうです。
 
 「新常態(ニューノーマル)」を掲げ安定成長を唱える中国政府(李克強首相が3月の全人代で語っていましたが、最近は記事の様に習近平が経済でも表に立つようになっていますね)。
 バブル崩壊を予防するために「新常態(ニューノーマル)」を掲げたのか、実態経済が低迷する中で後付けで掲げたのかは定かではありませんが、バブル崩壊予防策として掲げたのであれば、現状の低迷と、政府の慌てようは、政策の失敗を意味していますね。

 他方、鉄鋼やセメントなどの重工業は減速している一方で、サービス業などは20%から30%の成長を遂げていて、中国経済の構造転換が進んでいるので、このまま失速が続くことはないとの説もあります。
 
成長率7%割れでも中国がしぶとい理由:日経ビジネスオンライン

 いずれにしても、今、中国経済は転換期に入っているようです。目が離せませんね。




  この花は、スカシユリ


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