遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

「白樺」ガス田は変化なし

2006-08-14 18:39:48 | 東シナ海ガス田
 中国海洋石油のホームページで、中国国家発展改革委員会の張国宝副主任が、「春暁日本名・白樺)はすでに完全に生産段階に入った」と表明したことが報道されていました。
 政府が外交ルートを通じ、中国に確認し、「現状で変化があったと言うことではない」との外務省からの報告があったことを明らかにしました。(8/8 日経朝刊)
 これは、ホーム頁の記載の誤報とも受け取れますが、香港の反日団体の尖閣上陸も中国当局に出港を阻まれ延期する(8/9 読売朝刊)など、8.15に向け、中国側の理性的な動きが見られます。

 「白樺」ガス田については、経済産業省の北畑隆生事務次官は、ホーム頁が報じたことに対し、中国側に開発中止と情報提供を申し入れたそうです。
 中国海洋石油のホームページの該当発言部分は既に削除されているのだそうですが、張国宝副主任は、「下流部門のユーザーが不足しているため、開発ペースが制限される」とし、CNOCCにガスの販売先の確保を求めたともいわれ、需要不足で開発が制限されていることも述べている様子です。

 訪日中の劉建超・中国外務省報道局長は同日、記者団に「どういう段階にあるのか国内の関係部署に問い合わせる。ただ、春暁は双方が争う海域にあるのではなく、中国側にある」と述べたそうです。

 中国海洋石油、東シナ海の「春暁」ガス田で生産開始 (ロイター) - goo ニュース
 中国側、東シナ海ガス田「生産段階」 日本政府確認急ぐ (朝日新聞) - goo ニュース

 香港の反日団体による「尖閣」上陸も各種報道されていましたが、運動が世界的な華僑への広がりを持ち始めているようです。(8/8 産経朝刊)
香港、反日拠点に 尖閣上陸計画 活動家ら集結

 香港で反日運動が高まりを見せている。香港の反日団体が終戦記念日の15日、日本の固有の領土である尖閣諸島(中国名・釣魚島)に上陸する計画を立てている。これを支援するため、欧米各国の親中的な華僑団体から巨額の寄付が寄せられたほか、反日活動が規制されている中国大陸から反日活動家が集結しつつあるなど、香港は世界有数の反日拠点となった。

 香港からの報道によると、今回の尖閣上陸計画は反日団体・保釣(釣魚島防衛)行動委員会が主催。12日に船で香港から出発し、15日に尖閣諸島付近で
台湾からの漁船などと合流し、海上保安庁の艦船による阻止を突破して尖閣上陸を目指す。小泉純一郎首相が同日、靖国神社を参拝することを想定した抗議行動だ。中国と台湾は1970年代初め、尖閣諸島付近の石油開発の動きが表面化するのに伴い、同諸島の領有権を主張している。

 この計画で注目されるのは、航海で使われる船舶の購入資金を含め、欧米などから約200万香港ドル(3,000万円)の寄付が集まったほか、参加者は中国や東南アジアなどの中国系活動家ら数十人が集まったことだ。香港を中心にして、運動が世界的な広がりを持ち始めていることが分かる。

 昨年4月の北京、上海などでの大規模反日デモ以後、中国当局による規制が強まっていることも、香港での反日活動活発化の背景にあるとみられる。実際、中国内の反日団体のウェブサイトには「香港に行って活動がしたい」との内容の書き込みが増えている。

 香港事情に詳しい中嶋嶺雄・国際教養大学長は「最近、香港が中心となり、中国や台湾の反日活動家との連携が頻繁になっている」と指摘。また、香港における反日活動活発化の背景には、もともと反日気運の強い香港で、1997年の中国返還後、当局による愛国主義教育が強化されたことがあるとみている。

 中嶋氏は尖閣問題で
対日強硬派として知られる台湾の馬英九・中国国民党主席が香港生まれで、尖閣問題で博士号を取得したことにも着目しており、「国民党は中国と急接近している。香港を中心に、中国と台湾という台湾海峡両岸三地による新しい反日同盟の誕生を警戒しなければならない」と指摘している。(矢板明夫)

 馬英九国民党主席が香港出身云々と結びつけるのはおいといても、台湾漁船も合流するという情勢は、以前の状況に逆戻りをしようとする人たちが出てきているということでしょうか?

 8/9の読売朝刊によると、「保釣行動委員会」は8日、終戦記念日の15日に上陸するという当初の計画を延期すると発表したそうです。
 理由については「船の準備が間に合わないため」としているそうですが、香港の英字紙サウスチャイナ・モーニングポストは、香港入りしようとした中国人反日活動家2人が中国当局に出境を拒まれたと報じているそうで、出航延期にも、日中間の外交問題への発展を警戒する中国政府の意向が働いた可能性もあるとのことです。
 Sankei Web 国際 香港の団体、尖閣上陸延期 中国当局が阻止か(08/08 19:00)

 8/15に向けた、日本に対する中国の対応が、普通になり始めているような気がするのは、私だけでしょうかとおもったら、以下の記事がありました。
 
中国 小泉首相もはや過去の人? 靖国報道、微妙に変化 (8/10 産経朝刊)

 中国マスコミによる日本の政府要人の靖国参拝問題をめぐる報道に微妙な変化が見え始めた。小泉純一郎首相が公約通り、終戦記念日の8月15日に靖国神社を参拝するとの姿勢を示したことで、首相の靖国参拝を“既定路線”と位置づけ、ポスト小泉政権での日中関係の修復を図るため、どう首相の靖国参拝による影響を抑えるかに腐心しているようだ。

 共産党機関誌人民日報傘下の国際情報紙・環球時報は「日本を困らせる靖国問題」と題する3日付の記事で、「小泉首相が靖国参拝しても、もはや日本を代表しない」としたうえで、小泉首相の参拝を支持しているのは、「戦争を経験した老人、新右翼と戦争遺族など」、一部の日本人だけで、大多数の国民ではないとしている。

 また、安倍晋三官房長官が今年4月、靖国神社を参拝したことについても、ほとんどの中国メディアは日本の新聞報道を簡単に紹介しただけにとどめている。

<中略>

 慶応大学の小島朋之教授はこうした中国の報道の変化について、「中国もようやく反対するだけでは問題は解決しないことに気づいたのではないか。関係修復のために、『靖国絶対反対』という姿勢を和らげようとしているようだ」とみている。

 ポスト小泉で、日本の動きを静観しているのか、ポストオリンピックで、経済成長の先行き懸念材料があり、日本企業への配慮をしているのか判りませんが、いつもの中国とは違った態度が散見されます。諸記念日での反日運動も、去年の節目とは異なるとは言え、聞こえてきません。(報道管制の影響もある?)

 台湾いじめは、チャドへの多額の援助で国交を断絶させる(台湾が外交関係を持つのは24カ国となった)など強化していて、ポストオリンピックの経済破綻時に、軍事行動をおこすことで国民の眼をそらすとの予測があるなか、余談は許されません。

 求心力の低下が止まらない陳水扁総統は、台湾独自で国連総会での加盟申請を行う方針を固めたそうです。(8/7 産経朝刊)
中国の反発は必至で国際社会の支持を得られる可能性は少ないが、国際的な孤立が進む台湾の存在をアピールし、対内的には低迷する支持率の回復を狙う戦術で、「台湾の『外交空間』に風穴を開け、民主国家・台湾の存在意義を国際社会に訴える」(同筋)狙いがありそうだとのことですが、台湾海峡の現状からの変化を望まない米国と話が通してあるのか、土壇場に追い込まれた窮余の起死回生をねらう大博打ではありますが、逆効果が出そうな、中国の術中にはまってしまった策に、素人の私には見えます。

 こうした台湾海峡の追い込みと総仕上げを目指していて、日本におとなしくしていて欲しいため、反日を抑えているのでしょうか?
 靖国が、後継首相の争点になり、日本国内が割れて混乱するのを待つなどとは思っていないはずです。
 
 

 

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1 コメント

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中国関連 (bingo)
2007-02-05 00:01:55
どうも訪問ありがとうございます。中国関連は、朝鮮半島との関連もございますが、この部分においても中国の関与の要素は大きいと感じています。

したがって、今後の日本の安全保障と経済活動に関しても中国の動向は重要な意味を持つと思います。

白樺ガス田の稼動は、まだであるとのご提示ですが、良くみると先年8月の情報のようです。現時点でも中国側は日本の資料提示要求、話し合いに応じていないようですが、稼動を控えているのが事実でしょうか?

中国経済も、土地の私有権を認めるなど、外国の投資に配慮する動きがあるようです。しかし今までの中国共産党の方針から、すぐにそのような転換ができるか、特に地方での共産党員の汚職は、彼らの利権に結びついていますし、中国の現状がすぐに変化できるとは少し疑問もあります。この点どうしょうか?

外交的には、台湾を軍事強行発動をしても併合との方針であるとあると思いますが、これをやると米国は強く出る可能性があります。日本も軍事的な同調をやる可能性はあります。この点、中国共産党は、それでも台湾が独立をしようとした場合、軍事行使をやる覚悟があるのでしょうか?

以上、お考えを聞かせていただければ感謝を致しす。
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