新型コロナウイルスによる武漢肺炎が、全世界を震え上がらせています。
感染者や死亡者が、発生元であり最大だった中国を、欧州や米国が上回り、日本でも感染爆発の瀬戸際での戦いが続いています。
武漢肺炎から命を護る闘いと、経済低迷から生活を護る闘いとの相反する葛藤に、世界中が苦悩しています。
未だ闘いの終焉には程遠いのですが、トンネルを抜けることが出来た時には、今回の教訓をどう活かすかを語っている記事がありました。
答えは、脱中国依存。
2005年、2012年に発生した中国の反日デモ。
都度、「脱中国依存」、「チャイナプラスワン」が唱えられました。
2005年の中国における反日活動 - Wikipedia
2012年の中国における反日活動 - Wikipedia
都度、いくらかは実行されてきましたが、今回の武漢肺炎で、逆に中国依存が深まっている現実を突きつけられておどろかされました。
マスクの生産は、中国製(含日本企業の中国工場)が7割を占めている。中国からの部品が入らず、便器の品不足で新築住宅の完成がとどこおったり、国内の自動車工場の生産がとどこおるなどなど、えっと驚かされる中国依存度。
国内の生産コストダウンの手段として、先ず起きたのが、九州や東北の過疎地への工場移転。それがやがて、世界の工場が集まる中国へ移転へと進んできました。
反日運動もさることながら、世界の工場を誇る中国も、人件費、用地価格が高騰してくるにつれ、脱中国や、チャイナプラスワンの流れが生じていたはずでした。
繰り返しますが、逆に中国依存がここまで進んでいるものが多いことに驚きです。
世界第二位のGDPを誇る、中国国内市場(富裕層だけで、日本の人口を上回る市場規模)向けの進出もあるのですが。
それにしても、対中輸出や中国からのインバウンドの減少は当然ながら、中国からの輸入品の日本経済への影響の大きさを露呈させてくれた武漢肺炎。
日本企業の過度な中国依存の見直しの必要性を教えてくれました。
その対策の決め手は、国内回帰。キャノンは10年くらい前からだと思いますが、国内に無人化を徹底させた工場を造り、国内回帰を進めていたことを思い出します。
以下の記事は、本の宣伝記事で、未だ購読はしていませんが、「国内回帰」は「チャイナリスク忌避」である以上に、「成長戦略」そのものになる。これは、遅かれ早かれ、"避けられない未来"になるはずだと唱えています。
少子高齢化が進み人手不足の日本。かたや、AIの発展で人手余りが想定される近未来。
武漢肺炎は、日本の製造業の在り方の大きな転換を再検討する機会になりそうですね。
# 冒頭の画像は、中国・武漢でリニューアルオープンしたショッピングモールの入り口で、客の健康状態をチェックしている様子
カラタチの果実
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感染者や死亡者が、発生元であり最大だった中国を、欧州や米国が上回り、日本でも感染爆発の瀬戸際での戦いが続いています。
武漢肺炎から命を護る闘いと、経済低迷から生活を護る闘いとの相反する葛藤に、世界中が苦悩しています。
未だ闘いの終焉には程遠いのですが、トンネルを抜けることが出来た時には、今回の教訓をどう活かすかを語っている記事がありました。
答えは、脱中国依存。
【一筆多論】中国依存を見直すときだ 長谷川秀行 - 産経ニュース 2020.3.31
平成24年秋、中国で反日デモが吹き荒れていたころの話である。上海にある日本の大手衣料チェーンの店舗が「尖閣は中国領土」とする張り紙を出し、その写真がネット上で波紋を呼んだことがあった。売らんがために中国に迎合するのかという苦情が日本国内で殺到し、不買運動まで取り沙汰される騒ぎとなった。
ところが、この会社で現地を統括する責任者に話を聞くと、実態はずいぶん違っていた。真相は、地元警察から強制的に張らされたのだという。いったんは警察の指示を拒んだが、断り続けると、反日デモで群衆に襲われても守ってもらえない恐れがあり、応じざるを得なかったそうだ。
「われわれも命を守らなければならないんです」と語った、この責任者の悲痛な声は今も忘れられない。
このことを思い出したのは、新型コロナウイルスをめぐる中国政府の対応をみたとき、日本企業の対中ビジネスにおける政治リスクについて、改めて考えさせられたからである。
感染症の発生そのものはどの国にもあることだ。今回の感染拡大の起点が武漢だからという理由で、中国の責任を問うのは適当ではない。問題は、習近平政権が当初、情報を隠蔽(いんぺい)・統制して適切な初動対応を怠ったことにある。
それが武漢での爆発的な感染につながり、その後のパンデミック(世界的な大流行)を招く大きな要因となった。ある意味ではこれも、中国共産党の一党独裁体制がもたらす政治リスクの発現といえるだろう。
冒頭で紹介した24年秋のころはもちろん、その後も日中間の緊張が高まるたびに、日本の経済界では、東南アジアなど中国以外に生産拠点を置く「チャイナプラスワン」の必要性が盛んに議論されてきた。
実際にはしかし、日本企業が巨大な中国経済に依存する傾向は相変わらずである。いまだ多くの企業が中国をサプライチェーン(供給網)の重要な一角としており、インバウンド(訪日外国人旅行客)も中国頼みだ。安倍晋三政権が対中関係の改善に前のめりになっていることが、これを後押ししている面もあろう。
新型コロナのパンデミックはここにきて加速し、各国では入国制限やロックダウン(都市封鎖)が相次いでいる。世界が直面しているのは、人とモノの流れが地球規模でパタリと止まるという異様で前例のない現実であり、日本経済を凍りつかせている要因も、国内外にたくさんある。
そうだとしても、2月に中国からの輸入が半減するなど対中貿易が停滞し、中国からの訪日客が9割近くも激減したことなどが、日本経済に及ぼした悪影響はやはり大きい。しかも日本企業の対中事業は、今回だけでなくこれからも、中国側の政治的な思惑に左右されるのである。この点を改めて銘記しておかなければならない。
日本政府は、新型コロナの感染拡大で日本企業のサプライチェーンが毀損(きそん)した事態を受けて、企業の拠点再構築を支える方針だ。
企業にとっては、チャイナプラスワンの推進や拠点の国内回帰はもちろん、中国から仕入れている部材の調達先を中国以外に広げたり、輸出先の多様化を図ったりするのも有効だ。大切なのは、過度な中国依存に起因するリスクをいかに分散できるかである。(論説副委員長)
平成24年秋、中国で反日デモが吹き荒れていたころの話である。上海にある日本の大手衣料チェーンの店舗が「尖閣は中国領土」とする張り紙を出し、その写真がネット上で波紋を呼んだことがあった。売らんがために中国に迎合するのかという苦情が日本国内で殺到し、不買運動まで取り沙汰される騒ぎとなった。
ところが、この会社で現地を統括する責任者に話を聞くと、実態はずいぶん違っていた。真相は、地元警察から強制的に張らされたのだという。いったんは警察の指示を拒んだが、断り続けると、反日デモで群衆に襲われても守ってもらえない恐れがあり、応じざるを得なかったそうだ。
「われわれも命を守らなければならないんです」と語った、この責任者の悲痛な声は今も忘れられない。
このことを思い出したのは、新型コロナウイルスをめぐる中国政府の対応をみたとき、日本企業の対中ビジネスにおける政治リスクについて、改めて考えさせられたからである。
感染症の発生そのものはどの国にもあることだ。今回の感染拡大の起点が武漢だからという理由で、中国の責任を問うのは適当ではない。問題は、習近平政権が当初、情報を隠蔽(いんぺい)・統制して適切な初動対応を怠ったことにある。
それが武漢での爆発的な感染につながり、その後のパンデミック(世界的な大流行)を招く大きな要因となった。ある意味ではこれも、中国共産党の一党独裁体制がもたらす政治リスクの発現といえるだろう。
冒頭で紹介した24年秋のころはもちろん、その後も日中間の緊張が高まるたびに、日本の経済界では、東南アジアなど中国以外に生産拠点を置く「チャイナプラスワン」の必要性が盛んに議論されてきた。
実際にはしかし、日本企業が巨大な中国経済に依存する傾向は相変わらずである。いまだ多くの企業が中国をサプライチェーン(供給網)の重要な一角としており、インバウンド(訪日外国人旅行客)も中国頼みだ。安倍晋三政権が対中関係の改善に前のめりになっていることが、これを後押ししている面もあろう。
新型コロナのパンデミックはここにきて加速し、各国では入国制限やロックダウン(都市封鎖)が相次いでいる。世界が直面しているのは、人とモノの流れが地球規模でパタリと止まるという異様で前例のない現実であり、日本経済を凍りつかせている要因も、国内外にたくさんある。
そうだとしても、2月に中国からの輸入が半減するなど対中貿易が停滞し、中国からの訪日客が9割近くも激減したことなどが、日本経済に及ぼした悪影響はやはり大きい。しかも日本企業の対中事業は、今回だけでなくこれからも、中国側の政治的な思惑に左右されるのである。この点を改めて銘記しておかなければならない。
日本政府は、新型コロナの感染拡大で日本企業のサプライチェーンが毀損(きそん)した事態を受けて、企業の拠点再構築を支える方針だ。
企業にとっては、チャイナプラスワンの推進や拠点の国内回帰はもちろん、中国から仕入れている部材の調達先を中国以外に広げたり、輸出先の多様化を図ったりするのも有効だ。大切なのは、過度な中国依存に起因するリスクをいかに分散できるかである。(論説副委員長)
2005年、2012年に発生した中国の反日デモ。
都度、「脱中国依存」、「チャイナプラスワン」が唱えられました。
2005年の中国における反日活動 - Wikipedia
2012年の中国における反日活動 - Wikipedia
都度、いくらかは実行されてきましたが、今回の武漢肺炎で、逆に中国依存が深まっている現実を突きつけられておどろかされました。
マスクの生産は、中国製(含日本企業の中国工場)が7割を占めている。中国からの部品が入らず、便器の品不足で新築住宅の完成がとどこおったり、国内の自動車工場の生産がとどこおるなどなど、えっと驚かされる中国依存度。
国内の生産コストダウンの手段として、先ず起きたのが、九州や東北の過疎地への工場移転。それがやがて、世界の工場が集まる中国へ移転へと進んできました。
反日運動もさることながら、世界の工場を誇る中国も、人件費、用地価格が高騰してくるにつれ、脱中国や、チャイナプラスワンの流れが生じていたはずでした。
繰り返しますが、逆に中国依存がここまで進んでいるものが多いことに驚きです。
世界第二位のGDPを誇る、中国国内市場(富裕層だけで、日本の人口を上回る市場規模)向けの進出もあるのですが。
それにしても、対中輸出や中国からのインバウンドの減少は当然ながら、中国からの輸入品の日本経済への影響の大きさを露呈させてくれた武漢肺炎。
日本企業の過度な中国依存の見直しの必要性を教えてくれました。
その対策の決め手は、国内回帰。キャノンは10年くらい前からだと思いますが、国内に無人化を徹底させた工場を造り、国内回帰を進めていたことを思い出します。
以下の記事は、本の宣伝記事で、未だ購読はしていませんが、「国内回帰」は「チャイナリスク忌避」である以上に、「成長戦略」そのものになる。これは、遅かれ早かれ、"避けられない未来"になるはずだと唱えています。
新型コロナで懲りた企業が、回帰投資10兆円!?……そんな未来にするために | ザ・リバティweb 2020.03.28
<前略>
「コロナで懲りた 工場よ、中国から戻ってこい!」
日本には「災い転じて福となす」という言葉がある。コロナ・ショックを日本経済の「構造的な立て直し」に転じ、不況を打ち消す術はある。
今回、中国依存のサプライチェーンが崩壊した。このことをきっかけに、日本企業の生産拠点を一斉に国内回帰させれば、各地で建設需要が見込める。長い目で見ても、産業空洞化の流れを逆転させられる。
<中略>
空理空論にならないように、ここ数年で、同じことをやってのけ、見事成功させている国を現地取材している。アメリカと台湾だ。
アメリカは現在、コロナ騒動で経済に大ダメージを受けているが、2019年、無数の工場が国内に戻り、人々の給与が急上昇していた。これがなければ、コロナによる経済ショックも、今よりけた違いに大きかったに違いない。
今回、記者がワシントンにまで赴き、トランプ政権の通商政策の参謀であり、米フォックスニュースのコメンテーターとして有名なゴードン・チャン氏に、国内回帰の勘所を聞いている。
そして台湾である。この国は「経済的に中国に依存しているため、中国との距離を取ろうにも取れない」というジレンマがあった。しかし蔡英文政権は、中国に進出した台湾企業を一斉に国内回帰させることに成功した。その結果、米中貿易戦争の激しい逆風の中、台湾の国内総生産(GDP)は3%以上も成長した。
今回、台湾にも記者が向かい、蔡英文政権の特別顧問であり経済ブレーンの蕭新煌氏にも取材した。企業の国内回帰を促すために、かゆいところに手が届く政策のヒントを聞いた。
しかし本特集では、「製造2025は泥船である」と結論づけている。それがなぜかは……本誌をご覧いただきたい。
「国内回帰」は「チャイナリスク忌避」である以上に、「成長戦略」そのものになる。これは、遅かれ早かれ、"避けられない未来"になるはずだ。本誌を、政策提言以上に、未来予測の材料として、活用いただければ幸いだ。
<前略>
「コロナで懲りた 工場よ、中国から戻ってこい!」
日本には「災い転じて福となす」という言葉がある。コロナ・ショックを日本経済の「構造的な立て直し」に転じ、不況を打ち消す術はある。
今回、中国依存のサプライチェーンが崩壊した。このことをきっかけに、日本企業の生産拠点を一斉に国内回帰させれば、各地で建設需要が見込める。長い目で見ても、産業空洞化の流れを逆転させられる。
<中略>
空理空論にならないように、ここ数年で、同じことをやってのけ、見事成功させている国を現地取材している。アメリカと台湾だ。
アメリカは現在、コロナ騒動で経済に大ダメージを受けているが、2019年、無数の工場が国内に戻り、人々の給与が急上昇していた。これがなければ、コロナによる経済ショックも、今よりけた違いに大きかったに違いない。
今回、記者がワシントンにまで赴き、トランプ政権の通商政策の参謀であり、米フォックスニュースのコメンテーターとして有名なゴードン・チャン氏に、国内回帰の勘所を聞いている。
そして台湾である。この国は「経済的に中国に依存しているため、中国との距離を取ろうにも取れない」というジレンマがあった。しかし蔡英文政権は、中国に進出した台湾企業を一斉に国内回帰させることに成功した。その結果、米中貿易戦争の激しい逆風の中、台湾の国内総生産(GDP)は3%以上も成長した。
今回、台湾にも記者が向かい、蔡英文政権の特別顧問であり経済ブレーンの蕭新煌氏にも取材した。企業の国内回帰を促すために、かゆいところに手が届く政策のヒントを聞いた。
しかし本特集では、「製造2025は泥船である」と結論づけている。それがなぜかは……本誌をご覧いただきたい。
「国内回帰」は「チャイナリスク忌避」である以上に、「成長戦略」そのものになる。これは、遅かれ早かれ、"避けられない未来"になるはずだ。本誌を、政策提言以上に、未来予測の材料として、活用いただければ幸いだ。
少子高齢化が進み人手不足の日本。かたや、AIの発展で人手余りが想定される近未来。
武漢肺炎は、日本の製造業の在り方の大きな転換を再検討する機会になりそうですね。
# 冒頭の画像は、中国・武漢でリニューアルオープンしたショッピングモールの入り口で、客の健康状態をチェックしている様子
カラタチの果実
↓よろしかったら、お願いします。