オバマ大統領は就任当初、核拡散防止を強調し、2009年にノーベル平和賞を受賞しましたね。プラハ(チェコ)において演説を行い,核テロは地球規模の安全保障に対する最も緊急かつ最大の脅威とした上で,「核セキュリティ・サミット(Nuclear Security Summit)」を提唱し、2010年にワシントンで初めて開催。12年にソウル、14年にはオランダ・ハーグで開催されてきました。
「核安全保障サミット」「核安全サミット」等とも訳されるこの会合、核拡散防止でほとんど成果があからないまま今日に至り、オバマ大統領には最後の提唱の機会となる会合となりました。
53カ国の首脳が集まった今回の会合ですが、注目されたのは、日米韓の同盟強化に向けた首脳会合と、南シナ海の人口島の軍備強化を進める習近平とオバマ大統領、日米と中国との間でコウモリ外交で揺れ動いている朴槿恵と、日米からの分裂・取り込みを図る習近平との会合でした。
これまでに接した報道から、遊爺の印象で先ず気になったのは、コウモリ外交が煎じ詰まってきて、崖っぷちに立たされた朴槿恵の行方への危惧です。
THAAD配備について、米中の間に挟まれて態度保留を続けてきた朴槿恵。反日歴史認識を政権維持の為の主要政策のひとつに掲げる朴槿恵と、日米から引きはがそうとする習近平の狙いとが一致し、対中貿易の経済での重要性もあり、「蜜月」状態だった両者ですが、北朝鮮の核やミサイルの実験による制裁を巡る韓国の対中期待の未達などで、朴槿恵が米国寄りに態度を変えてきました。併せて、慰安婦問題での日韓合意(内容に進展は見られませんが)で、対日歴史認識で完全に中国側に堕ちていたはずの朴槿恵が、日本側へ少し擦り寄りました。
記事では、新華社の報道として、日米韓の連携重視へ回帰する朴政権の動きに習近平か焦りをにじませたとありますが、遊爺はむしろ逆で、コウモリ外交で手のひらを反す朴槿恵の強がりの虚勢姿勢に、貿易の蛇口を握る習近平が脅しをかけている。つまり、虚勢を張るコウモリ外交の朴槿恵は、当初からの危惧通りに、北東アジアのバランサーをめざして「均衡論」を唱えた盧武鉉大統領の末路と同じ運命に追い込まれていると感じるのですが、いかがでしょう。
もうひとつの、南シナ海の人口島の軍事化。
前回の会談で、「軍事拠点化の意図はない」と習近平から言質をとっていたオバマ大統領。習近平を問い詰めようとしたようですが、賞味期限切れでレームダック化している今は、完全にコケにされ、「領土問題に口を出すな」「互いの核心的利益は尊重しろ」と突っぱねられています。
前回の首脳会談では、「FONOP」(公海航行自由原則維持のための作戦)と言うカードを持つオバマ大統領に、強気の反発をした習近平。作戦実行を招き、失政との評価が大勢でしたが、その作戦の展開は尻すぼみなうえ、大統領選でレームダック化しているオバマ氏には限界が見え見えで、外交空白の米国は、むしろチャンスとして逆に強気の攻勢をかけている始末。
中国の南シナ海の人口島での軍備拡充が止まらない - 遊爺雑記帳
日米韓の首脳会談で、連携強化が図られたといいますが、外見上そう見えるだけで、切羽詰った朴槿恵、レームダックのオバマで、次期大統領も民主、共和のどちらの候補が就いても史上最低の大統領と言われる状況。経済の減速で苦境に立つ習近平ですが、ゆとりの強硬姿勢をしめしていると感じるのは、遊爺だけでしょうか。
# 冒頭の画像は、「核安全サミット」のオープニング・セッションに臨むオバマ米大統領と安倍首相
この花の名前は、スイフヨウ
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「核安全保障サミット」「核安全サミット」等とも訳されるこの会合、核拡散防止でほとんど成果があからないまま今日に至り、オバマ大統領には最後の提唱の機会となる会合となりました。
53カ国の首脳が集まった今回の会合ですが、注目されたのは、日米韓の同盟強化に向けた首脳会合と、南シナ海の人口島の軍備強化を進める習近平とオバマ大統領、日米と中国との間でコウモリ外交で揺れ動いている朴槿恵と、日米からの分裂・取り込みを図る習近平との会合でした。
これまでに接した報道から、遊爺の印象で先ず気になったのは、コウモリ外交が煎じ詰まってきて、崖っぷちに立たされた朴槿恵の行方への危惧です。
ミサイル防衛 韓国配備 習氏が反対 (4/2 読売朝刊)
【ワシントン=蒔田一彦、中島健太郎】核安全サミット出席のため訪米した中国の習近平国家主席は3月31日、オバマ米大統領、朴槿恵・韓国大統領と相次いで会談し、北朝鮮の核・ミサイル問題で連携して対応することを確認した。習氏は一方で、米最新鋭ミサイル防衛システム「最終段階高高度地域防衛(THAAD)」の韓国配備に改めて反対した。
米韓に改めて主張
米中首脳会談の冒頭、オバマ氏は「習主席と私は朝鮮半島の非核化と経済制裁の完全な履行に取り組んでいる」と述べ、習氏も「我々は意思疎通し、協力している」と応じた。
ただ、鄭沢光・中国外務次官によると、習氏はオバマ氏に対し、THAAD配備は「中国の安全上の利益を害し、地域の戦略バランスに影響する」と懸念を示し、「断固として反対する」とクギを刺した。
韓国政府筋によると、習氏と朴氏の会談でもTHAAD配備をめぐっては「従来の立場」での意見交換を行った。習氏が配備に反対し、朴氏は北朝鮮の脅威に対応するものだとして、はねつけたとみられる。
習氏は、中国が韓国の最大の貿易相手国であることなどを武器に朴政権の取り込みを進め、対北朝鮮政策での後押しを期待して中国重視政策を進めた朴氏と「蜜月関係」にあった。
ところが、昨年末の日韓慰安婦合意と北朝鮮の相次ぐ挑発で状況が一変。
韓国は日米との防衛協力を進め、習氏は、北朝鮮に対する制裁履行など圧力行使を迫られる状況に追い込まれた。
朴氏は会談冒頭、日米の懸念にもかかわらず、昨年9月に北京で行われた抗日戦勝70年行事に出席したことに触れ、「主席と昼食をとった時、『無信不立(信なくば立たず)』という言葉があった。戦略的協力関係を導く基本精神は信頼だ」と発言した。
その趣旨について韓国の聯合ニュースは、「対北朝鮮政策で中国が一層積極的な役割を果たすよう求めた」とする見方を報じた。
中国国営新華社通信によると習氏は会談で、「中韓関係を発展させることは、我々が共同で背負う歴史的使命だ」と強調。日米韓の連携重視へ回帰する朴政権の動きに焦りをにじませた。
【ワシントン=蒔田一彦、中島健太郎】核安全サミット出席のため訪米した中国の習近平国家主席は3月31日、オバマ米大統領、朴槿恵・韓国大統領と相次いで会談し、北朝鮮の核・ミサイル問題で連携して対応することを確認した。習氏は一方で、米最新鋭ミサイル防衛システム「最終段階高高度地域防衛(THAAD)」の韓国配備に改めて反対した。
米韓に改めて主張
米中首脳会談の冒頭、オバマ氏は「習主席と私は朝鮮半島の非核化と経済制裁の完全な履行に取り組んでいる」と述べ、習氏も「我々は意思疎通し、協力している」と応じた。
ただ、鄭沢光・中国外務次官によると、習氏はオバマ氏に対し、THAAD配備は「中国の安全上の利益を害し、地域の戦略バランスに影響する」と懸念を示し、「断固として反対する」とクギを刺した。
韓国政府筋によると、習氏と朴氏の会談でもTHAAD配備をめぐっては「従来の立場」での意見交換を行った。習氏が配備に反対し、朴氏は北朝鮮の脅威に対応するものだとして、はねつけたとみられる。
習氏は、中国が韓国の最大の貿易相手国であることなどを武器に朴政権の取り込みを進め、対北朝鮮政策での後押しを期待して中国重視政策を進めた朴氏と「蜜月関係」にあった。
ところが、昨年末の日韓慰安婦合意と北朝鮮の相次ぐ挑発で状況が一変。
韓国は日米との防衛協力を進め、習氏は、北朝鮮に対する制裁履行など圧力行使を迫られる状況に追い込まれた。
朴氏は会談冒頭、日米の懸念にもかかわらず、昨年9月に北京で行われた抗日戦勝70年行事に出席したことに触れ、「主席と昼食をとった時、『無信不立(信なくば立たず)』という言葉があった。戦略的協力関係を導く基本精神は信頼だ」と発言した。
その趣旨について韓国の聯合ニュースは、「対北朝鮮政策で中国が一層積極的な役割を果たすよう求めた」とする見方を報じた。
中国国営新華社通信によると習氏は会談で、「中韓関係を発展させることは、我々が共同で背負う歴史的使命だ」と強調。日米韓の連携重視へ回帰する朴政権の動きに焦りをにじませた。
THAAD配備について、米中の間に挟まれて態度保留を続けてきた朴槿恵。反日歴史認識を政権維持の為の主要政策のひとつに掲げる朴槿恵と、日米から引きはがそうとする習近平の狙いとが一致し、対中貿易の経済での重要性もあり、「蜜月」状態だった両者ですが、北朝鮮の核やミサイルの実験による制裁を巡る韓国の対中期待の未達などで、朴槿恵が米国寄りに態度を変えてきました。併せて、慰安婦問題での日韓合意(内容に進展は見られませんが)で、対日歴史認識で完全に中国側に堕ちていたはずの朴槿恵が、日本側へ少し擦り寄りました。
記事では、新華社の報道として、日米韓の連携重視へ回帰する朴政権の動きに習近平か焦りをにじませたとありますが、遊爺はむしろ逆で、コウモリ外交で手のひらを反す朴槿恵の強がりの虚勢姿勢に、貿易の蛇口を握る習近平が脅しをかけている。つまり、虚勢を張るコウモリ外交の朴槿恵は、当初からの危惧通りに、北東アジアのバランサーをめざして「均衡論」を唱えた盧武鉉大統領の末路と同じ運命に追い込まれていると感じるのですが、いかがでしょう。
もうひとつの、南シナ海の人口島の軍事化。
前回の会談で、「軍事拠点化の意図はない」と習近平から言質をとっていたオバマ大統領。習近平を問い詰めようとしたようですが、賞味期限切れでレームダック化している今は、完全にコケにされ、「領土問題に口を出すな」「互いの核心的利益は尊重しろ」と突っぱねられています。
南シナ海 米中溝深く 首脳会談 習氏「核心的利益」譲らず (4/2 読売朝刊)
【ワシントン=大木聖馬、蒔田一彦】3月31日にワシントンで行われた米国のオバマ大統領と中国の習近平国家主席の首脳会談は、北朝鮮の核問題での協調を打ち出したが、米中間の最大の懸案となっている南シナ海問題をめぐる溝は埋まらなかった。任期が残り1年を切ったオバマ政権が有効な対策を打ち出せない中、中国が南シナ海の人工島で軍事拠点化を加速させるという構図が固まりつつある。
「人権やサイバー、海洋問題など相違の大きな分野で率直に意見交換したい」
オバマ氏は会談の冒頭、習氏を歓迎してこう呼びかけたが、表情はこわばったまま。習氏も「互いの核心的利益を尊重する基礎に立ち、対話を通じて積極的な解決策を見つけたい」と応じた時には、浮かべていた微笑は消えていた。
ぎくしゃくとした表情の背後にあるのは、オバマ氏が「海洋問題」と表現した南シナ海の人工島の軍事拠点化の問題だ。両氏は昨年9月のワシントンでの首脳会談で南シナ海問題を協議し、習氏は「軍事拠点化の意図はない」と約束した。しかし、その後も中国は人工島で高性能レーダーの設置を進め、パラセル(西沙)諸島でも戦闘機や地対空ミサイルを配備するなど、むしろ軍事拠点化は加速する一途だ。
ベン・ローズ米大統領副補佐官は31日、会談に先立ち、「我々は南シナ海の軍事拠点化に懸念を抱き続ける」と強調しており、オバマ氏は今回の会談で改めて習氏に軍事拠点化の真意を問いただす機会とした。だが、会談後もオバマ政権は南シナ海問題を巡る中国側との議論を明らかにしておらず、習氏への説得は失敗に終わった。
中国側同行筋によると、習氏は会談で、オバマ政権の手詰まり状況を見透かすかのように、「米国が領有権争いで特定の立場を取らず、南シナ海の安定維持のために建設的な役割を発揮するよう希望する」と述べ、米側の介入をはねのけようとした。中国は31日の日米韓首脳会談で南シナ海問題への懸念が表明されたことにも「(領有権争いの)非当事国の介入は問題を更に複雑化させる」(鄭沢光外務次官)と反発を強めた。
習政権は、「核心的利益」と位置づける南シナ海の領有権主張で譲歩するつもりはないが、軍事力で優勢な米国との決定的対立は避けたい。米国と首脳会談を重ねるのは、「気候変動など立場の相違が小さい分野で協力し、協調を演出する」(中国人専門家)思惑だ。
習氏は今回の会談でも、米中が衝突しない「新しいタイプの大国関係」を改めて呼び掛けた。これには互いの核心的利益の尊重が含まれており、領土問題で米側に妥協しないことの裏返しと言える。外交筋は「既にレームダック化しているオバマ政権の間に南シナ海の軍事拠点化を出来るだけ進める狙いだ」と分析した。
【ワシントン=大木聖馬、蒔田一彦】3月31日にワシントンで行われた米国のオバマ大統領と中国の習近平国家主席の首脳会談は、北朝鮮の核問題での協調を打ち出したが、米中間の最大の懸案となっている南シナ海問題をめぐる溝は埋まらなかった。任期が残り1年を切ったオバマ政権が有効な対策を打ち出せない中、中国が南シナ海の人工島で軍事拠点化を加速させるという構図が固まりつつある。
「人権やサイバー、海洋問題など相違の大きな分野で率直に意見交換したい」
オバマ氏は会談の冒頭、習氏を歓迎してこう呼びかけたが、表情はこわばったまま。習氏も「互いの核心的利益を尊重する基礎に立ち、対話を通じて積極的な解決策を見つけたい」と応じた時には、浮かべていた微笑は消えていた。
ぎくしゃくとした表情の背後にあるのは、オバマ氏が「海洋問題」と表現した南シナ海の人工島の軍事拠点化の問題だ。両氏は昨年9月のワシントンでの首脳会談で南シナ海問題を協議し、習氏は「軍事拠点化の意図はない」と約束した。しかし、その後も中国は人工島で高性能レーダーの設置を進め、パラセル(西沙)諸島でも戦闘機や地対空ミサイルを配備するなど、むしろ軍事拠点化は加速する一途だ。
ベン・ローズ米大統領副補佐官は31日、会談に先立ち、「我々は南シナ海の軍事拠点化に懸念を抱き続ける」と強調しており、オバマ氏は今回の会談で改めて習氏に軍事拠点化の真意を問いただす機会とした。だが、会談後もオバマ政権は南シナ海問題を巡る中国側との議論を明らかにしておらず、習氏への説得は失敗に終わった。
中国側同行筋によると、習氏は会談で、オバマ政権の手詰まり状況を見透かすかのように、「米国が領有権争いで特定の立場を取らず、南シナ海の安定維持のために建設的な役割を発揮するよう希望する」と述べ、米側の介入をはねのけようとした。中国は31日の日米韓首脳会談で南シナ海問題への懸念が表明されたことにも「(領有権争いの)非当事国の介入は問題を更に複雑化させる」(鄭沢光外務次官)と反発を強めた。
習政権は、「核心的利益」と位置づける南シナ海の領有権主張で譲歩するつもりはないが、軍事力で優勢な米国との決定的対立は避けたい。米国と首脳会談を重ねるのは、「気候変動など立場の相違が小さい分野で協力し、協調を演出する」(中国人専門家)思惑だ。
習氏は今回の会談でも、米中が衝突しない「新しいタイプの大国関係」を改めて呼び掛けた。これには互いの核心的利益の尊重が含まれており、領土問題で米側に妥協しないことの裏返しと言える。外交筋は「既にレームダック化しているオバマ政権の間に南シナ海の軍事拠点化を出来るだけ進める狙いだ」と分析した。
前回の首脳会談では、「FONOP」(公海航行自由原則維持のための作戦)と言うカードを持つオバマ大統領に、強気の反発をした習近平。作戦実行を招き、失政との評価が大勢でしたが、その作戦の展開は尻すぼみなうえ、大統領選でレームダック化しているオバマ氏には限界が見え見えで、外交空白の米国は、むしろチャンスとして逆に強気の攻勢をかけている始末。
中国の南シナ海の人口島での軍備拡充が止まらない - 遊爺雑記帳
日米韓の首脳会談で、連携強化が図られたといいますが、外見上そう見えるだけで、切羽詰った朴槿恵、レームダックのオバマで、次期大統領も民主、共和のどちらの候補が就いても史上最低の大統領と言われる状況。経済の減速で苦境に立つ習近平ですが、ゆとりの強硬姿勢をしめしていると感じるのは、遊爺だけでしょうか。
# 冒頭の画像は、「核安全サミット」のオープニング・セッションに臨むオバマ米大統領と安倍首相
この花の名前は、スイフヨウ
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