遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

ウクライナでの冬の戦闘 ロシア軍が不利になる可能性

2023-01-25 01:33:55 | ウクライナ全般
 2月24日で、ロシアがウクライナへ侵攻して、1年を迎えます。
 世界の軍事大国のトップクラスと観られていて、実際に軍事侵略を行ってきていた、プーチンのロシア。
 ウクライナの親ロシア派を扇動し、その独立国を護るとの偽装で始めた侵略でしたが、ウクライナの国民の自国防衛の士気が高いことと、理不尽な侵略国に対する、自由主義陣営のNATO各国を中心とした支援での攻防が、一進一退。遂に 1年を経過しようとしています。
 かつて、ナポレオンやヒットラーの侵略に逢いながらも、冬将軍を味方に勝利してきたロシアですが、こん回は様子が違う様で、ウクライナ政府は自国軍兵士に暖を確保することで優位に立てる可能性があると、WSJの記事。
 
 
冬の戦闘、ロシア軍が不利になる可能性も - WSJ By Alistair MacDonald and Oksana Pyrozhok (以下、WSJと略称) 2023年 1月 23日

 【バフムート(ウクライナ)】ウクライナ軍の歩兵キリロ・モルチャノフ中尉は、前線で使っている地下壕を暖めるため、空の食料缶に段ボールを詰めた「トレンチ・キャンドル(塹壕のロウソク)」に頼った

 
ロシアとウクライナが冬季に戦火を交える中、ウクライナ政府は自国軍兵士に暖を確保することで優位に立てる可能性がある

 
冬の気候は軍隊の機動性からバッテリーの電力に至るあらゆるものに影響する。寒さと湿気は、兵士の士気と戦闘能力を失ってしまうほどの効果があり、医療上の問題を引き起こす可能性もある

 
米国とその同盟国・友好国は、冬物の衣料品を何十万着もウクライナに供与してきた。ウクライナはこれを補完する物資を他の場所から確保しており、モルチャノフ中尉の軍服に付いているさまざまな品物は数カ国から調達したものだ。

 
ロシア軍兵士の中には、秋の性急な動員作戦の影響もあり、装備があまり整わないまま戦場に到着したように見える者もいる

 
ウクライナ軍はこうした状況に適応し、戦地の森林から木材を切り出し、小さな兵舎を確保し、ボランティアや家族が段ボールをいっぱい詰めて送るトレンチ・キャンドルを利用している

 ウクライナ南部の前線から取材に応じたモルチャノフ中尉は、「就寝の1~2時間前に火を付ければ、思ったより暖かくなる」と話した。

 ウクライナの冬はこれまでのところ穏やかだが、気温はしばしばセ氏マイナス20度を下回ることがある。

 暖冬かどうかにかかわらず、
冬は多くの点で戦闘に影響を及ぼす。木の葉が枯れて落ちると、装備を隠すことは一層困難になる。霧や雨、雪になれば、標的の特定がより難しくなる。寒さは電池の減りを速め、ドローン(小型無人機)や無線機器に影響が出る。泥は人々を動きにくくするが、地面が凍ると、塹壕を掘ったり、地雷を掘り起こしたりすることが困難になる。寒いと兵士はより多くのカロリーを消費するため、より多くの食料が必要になる。

 しかし、
最大の問題の一つは、湿度が高くて寒い天候が、兵士の士気やパフォーマンスに影響し得ることだ

 
米欧州陸軍の司令官を務めたベン・ホッジズ氏は、「本当に寒いと、いかに寒いかということ以外、考えられなくなる」と述べる。同氏は、西側諸国から供与された衣類やより良いリーダーシップが兵士を暖かく保つのに役立っていると指摘し、このことがウクライナを有利にしていると話した。

 ロンドンに本拠を置く防衛・安全保障分野のシンクタンク、
英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)のエド・アーノルド氏は、どんな冬の戦いでも、適切な制服、寝袋、靴下などの衣類を持っていることが不可欠だと話す。

 英国の歩兵将校だった同氏は、冬の訓練で、寒さが自分たちの部隊に悪影響を及ぼすのを目撃した。

 
「正しい考え方ができず、適切な装備を持たない状態だと、兵士の質は数日で悪化し得る」と同氏は語った

 元米海軍士官で、現在、ウクライナに冬用の装備を供与している慈善団体、ウクライナ自由基金のマネジャーを務めているニコ・ウッズ氏は、前線はぬかるんで障害物が多いため、制服が長持ちしないと話す。

 
慈善団体やウクライナを支援する西側諸国の軍組織は、コンテナに満載した冬服をウクライナに送ってきた。カナダは、ジャケット・ズボン・ブーツ・手袋・パーカなど最大で50万点を送った。米国は、パーカ5万着、ズボン4700着、ブーツ2万3000人分、手袋1万8000人分などを送る計画を明らかにしている。英国で訓練を受けるウクライナ兵士は、冬服一式を手にして帰国する。他の西側諸国も各種の冬用装備を提供している。

 ウクライナ東部の基地では、世界中から提供されたブーツ、厚手のジャケット、積雪地でのカモフラージュ服、フリース、保温下着などが入った箱が、幾つかの部屋の壁際に山積みになっている。

 
世界各国から衣料品が届いていることは、ウクライナ兵士の服装をみれば分かる。バフムート郊外に配置されているウクライナ軍のある指揮官は、自分の服装を指差し、米陸軍のTシャツ、米海兵隊のズボン、ポーランド製のジャケットだと説明した。

 
ロシア軍兵士、特に新たに動員された兵士は、冬の寒さに対する備えがウクライナ側ほど整っていないように見える。ロシアのソーシャルメディアでは、新規動員された兵士らが、適切な装備の不足に不満を示す映像が流れており、メディアでは、兵士らが冬用装備を買いだめしている状況が伝えられている。ロシア国防省はコメント要請に応じていない。

 前線に配置されたある歩兵によると、ウクライナ兵士も、支給された装備の不足を埋め合わる必要に迫られることがある。彼は、効果が8時間持続する日本製の使い捨てカイロを、足を温めるために使ったことがあるという。外国製のすべての軍服が極めて暖かいというわけではない。この歩兵によれば、標準支給のブーツの防寒性能が十分ではないため、前線の兵士が別のブーツを追加購入することもある。

 
前線で暖かさを保つのは困難だ。熱検知装置で位置を特定されやすく、薪からの煙で居場所がわかってしまうからだ。そのため、多くの兵士は極めて狭い範囲で暖を取れるトレンチ・キャンドルを利用している。

 
電力供給は、ウクライナ全土でロシアの攻撃の標的となっており、前線では特に不安定になる恐れがある

 ソレダルの外れに駐留する第46旅団の砲兵司令官によると、軍は兵舎を確保する場合に薪ストーブのある小さな建物を探すのだという。彼の兵舎には電気もガスも供給されていない。

 最近、兵舎を訪れてみると、3部屋あるぼろぼろの家を温めていたのは「ブルジュイカ」と呼ばれる小型ストーブだった。兵士たちは夜間にも起きて燃料を補給する必要があると同司令官は語った。外では、砲兵隊員の一団が小さな焚き火の周りに立ち、傍には薪が積まれ、斧が置かれていた。

 この戦いで、薪は不可欠な燃料だ。ウクライナ東部の随所で、兵士たちが地元の森で木を切り出している姿が見かけられる。道の脇の守衛所には薪ストーブがあり、外には丸太が積まれている。

 ナチスドイツがウクライナを含む旧ソ連を侵攻した際など、過去の紛争において、軍の寒冷対応能力は重要な役割を果たしてきた。

 スターリングラードの戦いについての著書を持つ歴史家のアントニー・ビーバー氏によると、ドイツ軍の兵士は、自分たちの再生ウール製の「グレートコート」よりも暖かそうなソビエト赤軍の中綿入りジャケットに羨望を感じていた。凍傷になる兵の割合はドイツの方が多かったという。

 
凍傷、塹壕足、肺炎は、冬季に兵士が動けなくなる症状の例だ。ちょっとしたケガや病気でも、低温でぬかるんだ塹壕では重症化することがあると医師は指摘する。

 
バフムートを守るスカラ大隊の衛生兵、フェディル・アレクセビッチ氏は、自身の衛生班で今月深刻な問題となったのが重度の凍傷だったと語った。アレクセビッチ医師によれば、これらの症状は幸い切断に至るほどの重症ではなかったが、他の班ではそのようなケースも出ている。

 
アレクセビッチ氏は、兵士には凍傷にかからないように暖かく乾いた靴下が必要であり、適切な血液の循環を妨げるような締め付ける靴は望ましくないと語る

 問題は他にもある。

 
第46旅団医療部隊の司令官、アンドリー・ジョロブ氏は、「インフルエンザの流行」について次のように述べた。

 
「冬といえばインフルエンザ、インフルエンザといえば冬だ」


 冬の気候は軍隊の機動性からバッテリーの電力に至るあらゆるものに影響する。寒さと湿気は、兵士の士気と戦闘能力を失ってしまうほどの効果があり、医療上の問題を引き起こす可能性もある。

 米国とその同盟国・友好国は、冬物の衣料品を何十万着もウクライナに供与してきたと、WSJ。
 一方、ロシア軍兵士の中には、秋の性急な動員作戦の影響もあり、装備があまり整わないまま戦場に到着したように見える者もいる。
 耐寒装備もさることながら、塹壕を掘るスコップさえたらず、手掘りしているといった、信じられない話も聞こえてきていましたね。

 ウクライナ軍はこうした状況に適応し、戦地の森林から木材を切り出し、小さな兵舎を確保し、ボランティアや家族が段ボールにいっぱい詰めて送るトレンチ・キャンドルを利用していると、WSJ。
 ウクライナ南部の前線から取材に応じたモルチャノフ中尉は、「就寝の1~2時間前に火を付ければ、思ったより暖かくなる」と。

 冬は多くの点で戦闘に影響を及ぼす。
 最大の問題の一つは、湿度が高くて寒い天候が、兵士の士気やパフォーマンスに影響し得ることだと、WSJ。

 ロンドンに本拠を置く防衛・安全保障分野のシンクタンク、英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)のエド・アーノルド氏は、どんな冬の戦いでも、適切な制服、寝袋、靴下などの衣類を持っていることが不可欠だと。

 慈善団体やウクライナを支援する西側諸国の軍組織は、コンテナに満載した冬服をウクライナに送ってきた。
 世界各国から衣料品が届いていることは、ウクライナ兵士の服装をみれば分かる。バフムート郊外に配置されているウクライナ軍のある指揮官は、自分の服装を指差し、米陸軍のTシャツ、米海兵隊のズボン、ポーランド製のジャケットだと説明。

 一方、ロシア軍兵士、特に新たに動員された兵士は、冬の寒さに対する備えがウクライナ側ほど整っていないように見える。ロシアのソーシャルメディアでは、新規動員された兵士らが、適切な装備の不足に不満を示す映像が流れており、メディアでは、兵士らが冬用装備を買いだめしている状況が伝えられていると、WSJ。
 
 前線で暖かさを保つのは困難だ。熱検知装置で位置を特定されやすく、薪からの煙で居場所がわかってしまうからだ。そのため、多くの兵士は極めて狭い範囲で暖を取れるトレンチ・キャンドルを利用している。
 電力供給は、ウクライナ全土でロシアの攻撃の標的となっており、前線では特に不安定。

 凍傷、塹壕足、肺炎は、冬季に兵士が動けなくなる症状の例だ。ちょっとしたケガや病気でも、低温でぬかるんだ塹壕では重症化することがあると医師は指摘する。

 バフムートを守るスカラ大隊の衛生兵、フェディル・アレクセビッチ氏は、自身の衛生班で今月深刻な問題となったのが重度の凍傷だったと語った。他の班では、切断に至るほどの重症もでているとか。

 「冬といえばインフルエンザ、インフルエンザといえば冬だ」
 第46旅団医療部隊の司令官、アンドリー・ジョロブ氏は、警戒を強めておられる。コロナは、どうなのでしょう?

 地面が凍る冬は、戦車戦での攻防が勝敗を左右するといわれ、両軍攻勢機会に備えているとの話が聞こえてきます。
 
 ドイツの「レオパルト2」の提供は、ドイツがロシアの報復を恐れ、難色を示していましたが、ポーランドの供与を黙認する形で落ち着きそうですね。
 軍事侵攻11か月 ロシア大規模攻撃準備か ウクライナ戦車求める | NHK | ウクライナ情勢

 ロシア軍の戦車の被害は大きく、また、敗走時に放棄したものをウクライナが取得などで、下の記事より、最新データでは接近しているとのTV報道をみましたが、検索してもみつかっていません。
 欧州「戦車分布」に見る各国関係の複雑怪奇 ウクライナ侵攻からどう描き変わる? | 乗りものニュース- (3)



 # 冒頭の画像は、臨時の暖房器具として使われている金属の缶(トレンチ・キャンドル)を抱えるウクライナ兵




  落ち葉の中の餌を夢中でついばむ鳩


2月 7日は、北方領土の日


政府広報(北方領土問題) - YouTube


↓よろしかったら、お願いします。



遊爺さんの写真素材 - PIXTA

写真素材のピクスタ


Fotolia





コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 米独が主力戦車をウクライナ... | トップ | 独戦車「レオパルト2」、米... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

ウクライナ全般」カテゴリの最新記事