遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

目に見えない戦車がやってきた。香港は暗黒時代に入った。

2020-07-02 01:23:56 | 中国 全般
 16歳の女子高生がいた。天安門事件について「戦車に男の人が立ちはだかる写真が印象に残っています」と話した後、こう言ったのだ。「今、香港人がその戦車の前に立とうとしているのだと思います。私はちょっと怖いけど…」
 2020年6月30日。目に見えない、中国の戦車部隊が静かに香港に進駐した。「香港国家安全維持法」という恐怖による香港統治の幕開けである。そして、23年前の7月1日に始まった「一国二制度」の香港は、死んだ。
 
 香港返還23年記念日も・・・広がる不安 言論活動は(20/07/01)


 
香港は死んだ 目に見えない戦車がやってきた - 産経ニュース 2020.7.1

 2020年6月30日。目に見えない、中国の戦車部隊が静かに香港に進駐した「香港国家安全維持法」という恐怖による香港統治の幕開けである。23年前の7月1日に始まった「一国二制度」の香港は、死んだ

 共産主義の中国本土と資本主義の香港の関係を、日本の外交官がこんなふうに表現したことがある。

 たらいに水をためて、顔を沈める。耐え切れなくなったら、顔を上げて息を激しく吸う。水面下の息苦しさが中国本土で、一息つけるのが香港である、と。

 確かに中国本土から香港に入れば、尾行や盗聴の心配をしなくていい、ネットの規制もない、同じ中国ながら、ほっとできる空間が広がっていた。世界から人が集まり、国際金融センターとして機能できたのも、このためである。
その自由が消えようとしている

 香港が英国から中国に返還される前、中国共産党は香港市民をこうなだめた。

 
「井戸の水は河の水を犯さず、河の水は井戸の水を犯さず」

 返還から50年間、水が交わることはないから安心しなさい-。
それが今、香港国家安全維持法という濁流に香港がのみ込まれようとしているのだ。

 
これまで自由に中国や香港政府を批判し風刺してきた香港の人々は口を閉ざし、仮面をかぶり始めた。政府は「一般市民に影響はない」と繰り返すが、それを信じる人はいない。

 中国本土からは、国家安全当局の要員たちが香港にやって来る。習近平国家主席を批判しただけで、人民を逮捕してきたのが彼らだ。しかも
香港国家安全維持法は、人権を保障した香港の法律よりも優先される。にらまれたら最後、逃れる手立てがない。

 6月4日、天安門事件の追悼集会を取材したときのこと。
1989年、中国の民主化運動が武力弾圧された天安門事件の集会も、今年が最後になるかもしれない違法集会にもかかわらず、数千人が集まった

 
16歳の女子高生がいた。天安門事件について「戦車に男の人が立ちはだかる写真が印象に残っています」と話した後、こう言ったのだ。「今、香港人がその戦車の前に立とうとしているのだと思います。私はちょっと怖いけど…」

 怖くない人はいない。相手は見えない戦車だけに、どこから弾が飛んでくるか分からない。
それでも、戦車に立ちはだかろうとする香港人たちは必ずいる。面従腹背の市民たちも、いつか仮面を脱ぎ捨てるときが来る。息の長い戦いになるだろう。国際社会もまた覚悟を迫られている。

 
夜明け前が最も暗い-。最近、自らにこう言い聞かせる香港人が多い。2020年6月30日、香港は暗黒時代に入った。

 香港が英国から中国に返還される前、中国共産党は香港市民をこうなだめた。
 「井戸の水は河の水を犯さず、河の水は井戸の水を犯さず」
 返還から50年間、水が交わることはないから安心しなさい-。それが今、香港国家安全維持法という濁流に香港がのみ込まれようとしている。
 中国本土からは、国家安全当局の要員たちが香港にやって来る。習近平国家主席を批判しただけで、人民を逮捕してきたのが彼らだ。しかも香港国家安全維持法は、人権を保障した香港の法律よりも優先される。にらまれたら最後、逃れる手立てがない。
 
 それでも、戦車に立ちはだかろうとする香港人たちは必ずいる。面従腹背の市民たちも、いつか仮面を脱ぎ捨てるときが来る。息の長い戦いになるだろうと産経の記事。
 夜明け前が最も暗い-。最近、自らにこう言い聞かせる香港人が多いとも。

 香港の住民の友人からの生の声を紹介されている記事がありました。
  
「香港が終わりました」 国家安全法が可決…香港在住の友人から届いた一通のメール | まいどなニュース 2020/6/1

<前略>
―香港はどうなっているのでしょう?
「いま、香港で何が起こっているのかを説明するのは非常に難しい。香港は分裂し、一部の人々は法律で暴動を止めることができる。しかし、
北京での新しい法律のために多くの暴動がこれから起こるでしょう

―これまでのように人々の力ではね返し、自由を守れないのか?
今回の法律は香港政府の上を飛び越えて北京で決まったもの。ある意味では違法行為。法律が成立すれば、中国は誰でも本土に連行して裁判にかけることができる。一国二制度を50年守ることになっているのに、そんなことが許されていいんでしょうか」

―海外に移住する人が増えるのですか?
台湾などを中心に引っ越す人はいまも増えています。昔の香港ではなくなった。法律が決まれば、多くの富裕層は香港には残らないでしょう。私にはどれくらいの人が海外に出て行くのか分かりませんが、アジア太平洋地域の金融ハブという点では香港の地位は低下し、東京やシドニーに取って代わられるのではないでしょうか。中国に飲み込まれようとしている。香港は終わりました

友人の声が一部であることを望みたいが、おそらくはそうではないだろう。自由で活気溢れる香港はなくなってしまうのだろうか。

(まいどなニュース特約・山本 智行)


 海外に出ていく人々が多い様子。
 アジア太平洋地域の金融ハブという香港の位置。「一国二制度」で保たれた、自由があるからこそ、海外からの投資が集まった。深圳に引っ越せばいいとは、リスクが多くなり香港ほどには投資が進まない。海外に上場している有名企業の香港との並行上場の動きがみられますが、どうでしょう?

 2020年6月30日、香港は暗黒時代に入ったと産経の記事。
 国際社会もまた覚悟を迫られていると。
 米英だけでなく、今回ばかりはEU諸国も対中追及姿勢を示し、新型コロナウイルスの武漢肺炎感染源としての責任を問われてもいる習近平。天安門事件後の世界各国の包囲網が思い出されます。
 ここで「一国二制度」の事実上の打ち切りを急いだ理由は何なのか。
 拙速な強行は、中国らしくない戦術。政権存続の危機を迎えかねない失政となる可能性があると考えますが、いかがでしょう。


 # 冒頭の画像は、香港返還記念日でもあり、「香港国家安全維持法」施行の前夜、ショッピングモールで警戒を強める警官
 



  この花の名前は、オキザリス


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写真素材のピクスタ


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