遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

2030年頃には中国の圧倒的軍事力優位が実現し日本は制圧されてしまう

2013-05-29 23:53:55 | 東シナ海尖閣諸島
 「2030年頃には中国の軍事パワーが、日本の防衛力も、日米共同の抑止力をも圧するようになり、日中間での紛争案件が中国の軍事優位によって、中国の求めるように決着してしまう、という状況が最も確率が高い」と言う、米国の大手シンクタンク「カーネギー国際平和財団」の長期に渡った大規模な研究の総括を、産経のワシントン駐在の古森論説委員が紹介しておられます。
 併せて日米はどう対処すべきかとも述べられていました。
 危機感を持っておられる諸兄は多いことですが、今日の中国の軍拡の勢いと、好戦的な習近平の姿勢からは、真剣に受け止めるべき研究結果だと考えます。
 

日米同盟にとって「現状維持」は危険 中国軍拡への日本の有効な対応とは

 前回のコラム(心しておくべき2030年の日中軍事バランス 中国の軍拡で迫る日米同盟の危機)では、中国の軍拡が日本の安全保障や日米同盟の機能に与える影響を分析した報告を紹介した。この報告とは、米国の大手シンクタンク「カーネギー国際平和財団」が長期にわたって行った大規模な研究を総括したものである。
 その結論として打ち出されたのは、「
2030年頃には中国の軍事パワーが、日本の防衛力も、日米共同の抑止力をも圧するようになり、日中間での紛争案件が中国の軍事優位によって、中国の求めるように決着してしまう
、という状況が最も確率が高い」との予測だった。
 「中国が軍事能力を強大化することによって、
日本との紛争は競合の案件を軍事力を実際に使うことなく、中国にとって有利に解決してしまう展開になる」というのである。当然、まず中国が尖閣諸島を有無を言わさず奪取する
ことが考えられる。

|日米同盟の長期的な利益を前進させるための3つの対応
 では、日本あるいは日米両国はこんな展望に対し、どうすればよいのか。

<中略>

 報告はその政策提言として、「日米同盟の長期的な利益を前進させるために考えられる政治・軍事面での3つの対応」を具体的に挙げていた。
(1)強固な前方配備策
 (この対応は
抑止強化の考えに基づく。米国防総省が内定した「空・海戦闘」戦略のような対中海上封鎖能力や、制空能力の確保など、軍事前方配備を大がかりに強化して中国に対する地域的な軍事優位を保つ

(2)条件つき攻撃・防御総合策
 (この対応も
日米同盟側が軍事優位を保つことを目指すが、中国本土の深奥部への爆撃や中国封じこめ式の海上封鎖など予防攻撃的な準備は避ける抑止力と信頼の両方に均等に重点を置く

(3)防衛的均衡
 (この対応は、中国との間で
相互の地域接近否定を進め、抑制された防衛態勢、後方配備への依存を重視する。西太平洋全域で中国との間に、より均衡のとれた協力的な力関係を確立
する)

|画期的な対抗策を取らなければ日米同盟は危機に
 報告は以上のような政策提案を明示しながらも、これらの
政策の実現には多様な困難や障害が避けられない
ことを付記していた。それらの諸要因は以下のようのものだという。
・日本やアジア太平洋地域の他の諸国にとっては、
自国の安全保障を基本的に強化することも、協力的にすることにも、制限がある

米国軍部にとっては、西太平洋での作戦に関してこれまでのドクトリンの大前提を変えることに抵抗
がある。
中国自身が、自国の軍事能力の拡大を制限しようとする日米同盟の試みに不信を抱く

・当事国すべてにとって、安全保障の新しい関係を構築するまでの
政治、軍事の交渉の期間に生じる不安定や挫折への懸念
が生じる。

 しかし報告は
以上のような障害にもかかわらず、米国も日本も新たな政策を真剣に検討せねばならない、と強調していた。なぜならば、現状維持は好ましくない
からだというのである。
 おそらく
この点がこの膨大な報告全体でも、最も重要なポイントだと言えるかもしれない。日本にとっても、米国にとっても、さらには日米同盟にとっても、現在の東アジアでの安全保障の状態は現状維持を許さない
、というのだ。

 その点を、報告は以下のような表現で総括していた。
 「現状維持は保持不可能だということが確実に証明されるだろう。米国も日本も、たとえ政治的な障害が予期されようとも、本報告が提案した政治、軍事の新政策の採択を真剣に考えてみなければならない。
中国、日本、米国の関係についての現在の経済的、軍事的な傾向は、現行の政策や戦略では長期的に見て、日米両国の利益に合致する安定した安全保障環境を保てない
という展望を示しているのだ」
 要するに日本も米国も、
中国の膨張する軍事パワーに対してかなり画期的な対抗策を取らなければ、日本を取り囲む東アジアの安全保障構図は大きく揺らぎ、中国が有利な方向へと大きく傾いていく
、という勧告なのである。
 だからこの報告は、日本の安倍政権、そして米国のオバマ政権の両方に大きな政策提言をしたのである。その提言は「現状維持こそ危険だ」とする警告でもあった。


 今の中国の軍拡の勢いからすれば、約15年後の2030年頃には、中国の軍事力が、日米共同の抑止力を上回ると言うのです。そのパワーバランスの基に、日中間の紛争は中国の意のままに収められる。

 いえ、15年もかからず東・南シナ海や西太平洋の第二列島線まででは中国が制海空権を抑える可能性があると遊爺は考えます。
 理由の一つは、最近の中国の戦術で、戦勝国の米中に対し、敗戦国の日本という構図で中国独自の歴史認識を展開し、日米の分断を計っていて、しかもそれが功を奏している節があること。
 中国の三戦のうちの「世論戦」が台湾、日本のみならず、米国にも浸透し始めているのです。
 もう一つは、米国が、財政圧縮を迫られることと軍事起動力が増したことで、戦力を自国に引き上げ集中させる戦略が取りざたされていることが挙げられます。中国を恐れるケリー国務長官の対中姿勢も懸念材料です。

 記事の日米はどうすれば良いのかの「(1)強固な前方配備策」は、古来の戦術で、防備の前線を対岸に置くか、自岸に置くかは議論の分かれるところですが、太平洋を挟んだソ連(今の仮想敵国は中国)に近い日本列島に米国の防御線を張ったのが、前方配備策です。記事では、これによる抑止力の強化を一番目に挙げています。
 しかし、繰り返しますが、その戦術は古いとして米国にまで引いて集約し、機動力を活かして紛争地へ急行すればよいとする説が芽生えているのだそうです。(角谷浩一氏論
 日本の普天間移転も日米合意が実現される目途が立ちません。民主党から自民党に政権交代し、前進が期待されましたが、沖縄県連の県外移設を党内で一本化出来ず、頓挫しています。
 「(1)強固な前方配備策」が危うい可能性があるのです。

 「(2)条件つき攻撃・防御総合策」「(3)防衛的均衡」も均衡を保つと言うより、ケリー長官の姿勢などは、既に中国に屈し始めています。独のメルケル氏の様に、習近平の訪米で大きなお土産を貰うと、一段と姿勢が崩れる可能性があります。
 なによりも、メディアも政府の一部も、「世論戦」に犯され始めているのが危惧されます。

 国防は日米同盟が要であることはゆるぎない前提ですが、基本は自分の国は自分で守ることです。米国の核の傘に依存し続けることが、独立国の日本に良い事なのか。米国の意向に左右されない、自力での防衛力を高めることの議論が必要なのではないでしょうか。
 死文化していた国連=戦勝国の連合体での敵国条項が削除されていないどころか、蒸し返されそうな気配のある今。言うことも言えないできて、その弱みにつけ込む中韓の反日行動。
 安倍政権も衆議院選前の勢いはどこへやら。与党になったので慎重にならざるを得ないとはいえ、ブレることなく戦後レジーム脱却は進めていただきたい。



 # 冒頭の画像は、中国の監視船「海監51」(左)と並走する海上保安庁の巡視船「いしがき」




  夕陽と釣人  撮影場所;芦屋浜


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