また、今日(12/30)の産経によれば、米国主導で来春にも設置される“海賊掃討司令部”にあたる「コンタクト・グループ(CG)」に、海上自衛隊の幹部(士官)数人を要員として派遣することを”検討”しているのだそうです。
麻生首相は、記者団に語ったり、”検討”を指示するまでは順調なのですが、その後の進展がない政策が多いのです。秘書官の人事や支持率低迷で、官僚が動かなくなっているのが原因との説があります。国防などの安全保障に関する政策は、国内の政局がらみの政策優先で、後回しにされているとの記事もみかけます。
一方で中国は、東シナ海への補給艦派遣が日本の復帰やその継続で野望が断たれると、ソマリア沖への軍艦派遣に切り替え、近代で初の外洋作戦行動の実行を短期間になしえました。
【北京=野口東秀】中国海軍艦艇3隻が26日、海賊対策として海南島・三亜からアデン湾、ソマリア沖に向け出航した。中国政府は「(国際社会における)義務を履行し、責任ある大国としての姿と能力を示す」と強調しており、愛国・民族主義を高揚させるという効果を視野に入れている。しかし、軍は「近海防御型」から「外洋型」の海軍へ脱皮するステップと位置づけており、インド洋で中国軍の存在感を示す“絶好の機会”ととらえている。
出航したのは、「武漢」「海口」の駆逐艦2隻と補給艦1隻で、約70人の海軍特殊部隊も派遣された。
中国のメディアは今回の活動を「15世紀の鄭和以来、中国海軍で初めてで最大の外洋作戦行動」であり、「新中国の改革・開放30年の平和的発展の実力を示す」としている。
これら艦艇が活動するのは、中国への輸入貨物の85%が通る重要海域。中国のメディアは「国連安保理常任理事国」として派遣は当然と強調。軍事的にも「外洋作戦の総合能力を向上させる一歩」「貴重な初の実戦経験」などとする軍高官らの意見が頻繁に紹介されている。
来年は建国60周年で、中国は10月の国慶節では過去最大の軍事パレードを開催する予定。来年に向け指摘される中国経済の低迷、社会の混乱は「軍部の発言権を高める」(消息筋)とも予想されており、今回の派遣は軍の強硬派を勢いづかせるとみられる。
中国軍事筋は、空母建造にも“追い風”と指摘した上で、インドの目前での中国軍の活動は「インド洋でのインドの影響力に挑戦する形ともなることは間違いない」と述べた。
一方、艦艇は台湾の船舶も護衛対象としており、「一つの中国」を国際的にアピールする狙いもあるようだ。
未だ拘束されたままの、日本人船長が乗船するマグロ漁船「天裕8号」他、中国の船舶も被害にあっているわけで、中国軍艦の派遣は当然のことで、誰も制止したり非難することは出来ません。
アフリカへの経済進出案件も多く、数年前から必要性は認めていたと思われますが、初の遠洋作戦となると、ロジスティクの他、国際外交上の準備等にも時間がかかったと推測されます。しかし、インド洋への補給艦派遣からソマリア沖軍艦派遣への転向を(同時進行で準備していた?)決め、検討を発表してから、出港までの時間は速かったです。
鄭和の艦隊は1405~1433年の間に、中国からインド洋を通ってアフリカ東海岸まで、7回最盛期には300隻以上の大編成で航海していた(世界一周したという説もある)のだそうで、明国への朝貢国拡大に貢献しました。未だヨーロッパの国々の大航海時代が到来する以前の話です。
米国に追いつき、追い越しての世界の派遣を望む中国軍部が、鄭和のせっかくの覇権拡大の技術と実績が途絶えた後を復活させるべく、外洋作戦開始の絶好の機会に向け、総力をあげていることは手に取るように理解できますね。
ノウハウの蓄積が困難視されている空母艦隊編成のための実務経験も積むことが出来ますし、鄭和の時代と同様に、アフリカへの進出を計っている背景も同じです。
それにつけても、全世界が新しく変革遂げようと中長期の展望を巡らす中で、我が国の今をや...。”検討”ではなく、実行計画の早急な立案が求められます。
ソマリア周辺の21カ国が検討している「海賊情報共有センター」(2009年 1月26日からアフリカ・ジブチで開かれる国際海事機関(IMO)の国際会議で検討される)は、マラッカ海峡の海賊対策のため日本が主導して2006年に発効した「アジア海賊対策地域協力協定」を参考に、周辺国が不審船や海賊被害の情報を共有するのだそうです。
海峡の「守り人」 佐々木生治さん - 遊爺雑記帳
中国が給油艦をインド洋に派遣 - 遊爺雑記帳
麻生さんは気づいていると思いますが、唯一生きる道であり、世界同時不況の未知の世界から脱出し新たな世界政治の再構築に主導権を発揮出来る、我が国の力を世界の再生のために活かす数少ないチャンスの時が来ています。反日団体を支持団体に持つ民主党などにとらわれず、地球上の全ての国と国民の為に、ひいては我が国と我が国の国民のために、この絶好の機会に持てる政治力を発揮するよう全力を注力すべきです。
今この時に、日本国の政治家のトップに立った業とあきらめて、保身を捨てて、世界を救おうとの志をたてて動けば、後世に名総裁として称えられることになり得ますが...。
今回中国が派遣する軍艦の情報では以下がありました。バランスの取れた能力を備えた遠洋駆逐艦「武漢」も、防空駆逐艦「海口」(ソマリアの海賊が空からは攻撃するはずはなく派遣の目的がみえみえ)も、イージス艦とよく似ていて、情報漏洩した日本国民としては恥じ入るのですが、バランスの取れた遠洋駆逐艦「武漢」でも、性能は世界の同級艦艇の「中の上」のレベルとのことで一安心ですが...。
中国の軍艦、ソマリア沖に海賊征伐へ
海自の派遣に際しては、海賊と同等の武器使用などと中途半端なことは言わずに、公海を航行するソマリアに害を及ぼすべくもない善意の船舶の安全を護るための武器使用を許可などとすべきで、制限を与えては海賊にハンデを与えることとなり、海自に足かせをはめることはすべきではありません。
ソマリアの海賊に言い分があることは、当blogでも触れましたが、盗人の論理に類する理屈を認め合ったら、世界の平和は成り立ちません。
海賊は海賊ですので、断固として廃絶する手段を講じねばなりません。
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