遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

今年の注目は"インド" (世界同時経済危機脱出の鍵は何だろう?)

2009-01-02 18:49:29 | my notice

 今年の主要 5紙の元日の社説は、世界同時金融・経済危機についてでしたね。
 最近の報道の姿勢について論評された記事を年末に見かけましたが、大局を見ずに些末なことを針小棒大に騒ぎ立て、批判するばかりで、しかも信念にかけ日替わりでふらついている。といった内容でした。
 遊爺は、批判ばかりで信念を持った主張が少ないことには賛同しますが、同時に、打算的とも推測できる、特定の意思でフィルターがかかり、そのためには些細なことに騒ぎ立てたり、国家(=国民)にとって重大なニュースをさらりと流したりしているように感じています。
 さすがに念頭の社説ですから、危機の犯人の追及に終始し嘆くばかりではなく、脱出に向けて日本がどうすればよいかに言及されいいました。

 各紙で程度の差はありますが、毎日がズバリと見出しに「日本版「緑のニューディール」を 環境の先導で成長を図れ」ととりあげていました。政府のバラマキ投資ではなく、成長分野に集中投資を提案するもので、米・オバマ新政府の対策投資のコピーですね。
 日経は、小泉政権の下で郵政事業の民営化などで踏み出した改革が止まっていることを嘆きつつ、大都市部の空港や主要港湾の整備、環境対策車や太陽電池の開発・普及促進などと、雇用対策としての公共事業・職業訓練を、「大胆に、しかし一時的に」実施することを唱えていました。
 朝日は「この危機の意味を考え、それを次の時代への手がかりにできれば、不況を乗り越える力ともなる。」としていますが、「環境大国」でも「教育大国」でも「福祉大国」でも、将来を見すえた国づくりに集中して資源を投下し、雇用も創出する。そうしたたくましい政治が要るとして、具体性に欠ける提案で、犯人への批判に筆を割いています。
 読売は、眠れる1467兆円もの個人金融資産の掘り起こしで、(輸出依存の経済構造を)内需拡大に向け、社会保障や、雇用対策に活用(投資を導く?)することを提言しています。日米同盟に触れているのは特徴的でした。
 産経は、「衝撃があまりに強かったがために、日本の進むべき道がかすかながら見えてきた」とし、モノづくりを大切にするという「蟻型」の生き方と、金融機関には、いたずらに金もうけに走らず企業を育てる精神を主張していました。

 遊爺は、危機脱出の鍵は、産業革命を起こすような新技術の出現(そのための育成投資)と、ダメージが比較的少なく、潜在的な成長力を保持している国々による新たな世界の枠組みの再編による実質経済の牽引だと考えています。
 前者については、蒸気、電気、ITと続いた革命的技術の次ぎに登場するのは、食糧(特に農業)生産技術だと、到来の願いをこめて注目しています。こちらについては、今日は触れません。以下をご参照下さい。
 yuu2雑記帳 : 世界同時不況から脱するには ITから農業へ

 後者では、ブラジルもありますが、インドだと考えています。
 

インド 榎泰邦・前駐インド大使 中国との違いが魅力 日本の「インド再発見」が起こっていると思う。 (1/1 産経)

 冷戦構造下で、インドは旧ソ連陣営にあり、経済面でも国内市場保護政策をとるなど、日本にとっては縁遠い国だった。戦後60年を経て、日本国内には第二次大戦にからむ「おわび外交」に疲れが出てきたが、アジアを見ると総人口30億のうち、日本が負の遺産を持つのは15億人で、残る15億人はむしろ強い親日感情を持っている。その中心が旧英国領のインドである。
 インドで世論調査をすると、好きな国として一番に挙がるのは日本だ。日本を親しい友人ととらえ、片思いするほど思ってくれる国との関係を重視し、友好関係を育てていくことは非常に重要だとの思いが日本の中でも広がってきている。
 日印関係は政治と経済分野ではかなり進んだ。だが国民交流が遅れている。2年前のデータでいえば、日本からは10万人がインドに行っているのに対し、インドからは6万人しか日本に来ていない。11億人の国で6万人は少なすぎる。両国関係は国民同士によるすそ野の広い交流がなければ長続きしないだろう。

 インドの経済成長に陰りが出てきたとの指摘があるが、成長率が下がったといっても1~2%程度の減少で7%前後は維持している。中国とインド経済の決定的な違いは、中国の国内総生産(GDP)の輸出依存度が40%なのに対し、インドは20%である点だ。インドは内需主導型の経済発展モデルなのだ。中国や東南アジアのような、米国市場と欧州連合(EU)市場向け輸出でGDPを伸ばしてきた構造とは根本的に違う。伝統的にインド経済は国際経済の混乱には強い体質を持っているといえる。

 インドは力強い成長力を有しており、世界経済が反転した場合、一番先に牽引(けんいん)役になりうるのはインドだと思っている。


インド - Wikipedia

中華人民共和国との比較

ともにアジアの地域新興大国、そしてBRICsの一角として、インドと中華人民共和国は様々な面で比較されることが多い。

* 産業構造では、中華人民共和国は単純製造業の比率が高く、これが成長を牽引したといわれており、インドは製造業の比率が低いことがマイナス要因となっていた。
* 両国ともに製造業は労働集約型である。しかし中華人民共和国は設計、開発が国外で行われた組み立て型が中心であるのに対し、インドは自国で設計、開発を行う知識集約型が主力商品に含まれている。
* インドのIT関連技術者の英語能力の方が高く、同一のIT知識を有している技術者でも、アメリカをはじめとする先進諸国のIT産業のレインとしては、インド人の英語能力に優位性が認められ、高く評価されている。またインド人自らもこれを自負している。
* ともに移民(印僑、華僑)が多く、移民先で経済的成功を収め大きな影響力を発揮することが多い。
* ともに冷戦期は東側に近く、社会主義計画経済政策をとっていた点は共通している(※上記の移民の原因の一つとなった)。現在は市場経済を導入しているにも関わらず、「社会主義の国」と今も憲法で唄っている点も同じである。これは社会主義が独立の理念の一つになっているからであり、それ故にソ連とは極めて親密だった。このため、かつてのアメリカは同じ社会主義国でもソ連と対立していた中華人民共和国に接近した(米中接近)。
* 建国以来、一貫して共産党の一党独裁体制の続く中華人民共和国に対して、インドは多党制民主主義を基本とし、政治体制においては両国は対照を成している。
* 両国のかつての貿易は並々ならぬものであった。例えば、タタ財閥(ジャムシェードジー・タタ)は清国との交易から始まった。
* 中華人民共和国が近い将来、少子高齢化社会となるのに比べ、インドは少子化問題の懸念がずっと少ない。

 中国・パキスタンとの国境紛争(パキスタンは今又緊張が高まっている)、核保有など日本の外交が苦手とする課題を抱えていますが、いつも言う、戦後の苦しい環境の中から、日本の子供達のためにと、王女の名前をつけた象を贈って頂いた国なのです。
 アジア地域では、日豪と並ぶ、いずれは日本は追い越されるであろう自由主義の大国なのです。
 共産党一党独裁で、軍事力を背景に米国と世界の覇権を争おうと、アジアの島嶼の占有の手を広げている国とは、大きな違いが在ります。
 人口(消費)の更なる伸びが期待され、鉄道や港湾などのインフラ整備もこれから始まるところですし、人の身分差別があるものの、教育レベルは九九の話が象徴するように高く、成長・発展の潜在能力のたかさは、世界をみわたしても、数少ない未完の大国です。スズキの貢献もありますが、小型自動車生産の世界の基地を目指す政策もいい。
 2008年 1月現在、日系企業はインド国内の555拠点で活動して、過去 3年でほぼ倍増していて、貿易総額も2007年に、前年比22%増の103億ドルに達したのだそうですが、まだ、印中間の貿易の半分なのだそうです。
 インドの設備や産業へ日本も積極的に、技術や資金を投資し、日中の貿易で双方が発展した様に、実質経済を動かすのです。

 米国一辺倒からの脱却の模索(軽視すると言うことではなく)が必要とされていることは衆知の事実です。
 米、欧といった既存の勢力地図から、アジアの日、豪、印、中がこの危機から脱却するために果たす役割は大きい、いや、主役になることで出口が見えてくると、希望も込めて注目しています。




↓ よろしかったら、お願いします。


 Takeshima belong to Korea or Japan? の投票頁があります。是非投票をお願いします。


コメント (6)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ソマリア沖海賊へ海自派遣”検討” | トップ | 東シナ海のガス田「樫」 生... »
最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
行雲流水の如し (にっきん)
2009-01-02 23:49:24
明けましておめでとう御座います。
今年も宜しくお願い致します。
返信する
Re: 明けましておめでとう御座います。 (遊爺)
2009-01-03 19:21:08
にっきんさん、あけましておめでとうございます。

 ことしは、世界同時経済危機からの脱出競争& 協調の年になりますね。(各国がめいめいで自国の保護にはしっては、世界恐慌の進展と同じ道を進むことになる。)
 どんな知恵が生まれ、政策が実行されるのか、興味深々です。

 こちらこそ、今年もよろしくお願いします。
返信する
行雲流水の如し (にっきん)
2009-01-03 23:48:21
こんばんは。早いもので、正月も3日過ぎます。
早々のご返事&コメント有難う御座います。
今の政界は見るに耐えません。たかだか海賊対策で軍艦を派遣するのにこれだけグズグズしている国もないです。普段から政争に明け暮れ、いざという時の法整備が成っていないから、こんな事態になる訳です。日本の国益が絡んでいるのだから、さっさと派遣すればよいのにこの危機意識のない国会議員には困ったものです。自民党麻生内閣の支持率が下がっているのは反日マスコミの世論操作の所為だとは思いますが、これで衆院選で自民党が負け、売国政党の民主党が政権を取ると外国人参政権法案などの亡国法案が次々に制定されると思うと恐ろしいです。
返信する
政治家としての原点に立ち戻る (愛信)
2009-01-04 00:10:27
衆議院議員 平沼 赳夫
 今上(きんじょう)陛下(へいか)におかれましては今年平成二十年に御即位二十年をお迎えに
なられますこと、心より寿ぎ奉ります。天皇皇后両陛下がいつまでもお健やかであらせられます
ことを衷心よりお祈り申し上げます。

平沼赳夫新年の御挨拶はこちらをクリックして下さい。
http://www.hiranuma.org/new/newyear/greeting2008.html

【新党勝手連の掲示板】
http://www.aixin.jp/axbbs/ktr_ind.cgi

愛国政治家の新年の挨拶を聞こう
http://www.aixin.jp/yskgd.cgi
返信する
麻生内閣 (遊爺)
2009-01-04 18:14:48
にっきんさん、こんにちは。

> 自民党麻生内閣の支持率が下がっているのは反日マスコミの世論操作の所為だとは思いますが、

 麻生内閣のこともさることながら、マスコミの些末なことに大騒ぎして、核心のことに触れない偏向振りは、情報のない国民をミスリードすることになり、こちらが亡国を促進していると気がかりですね。
  その結果、中身は主義がバラバラで不定見の政策の民社党政権になると、我が国もばらばらになります。中国の毛沢東以来の戦略通りですね。
返信する
改革が逆戻りすることに憂いています (遊爺)
2009-01-04 18:42:09
愛信さん

 今年の元旦の日経で、小泉政権の下で郵政事業の民営化などで踏み出した改革が止まっていることを嘆いていました。
 今、世界同時金融・経済不況ですが、日本が単独で陥った失われた10年を招いたのは誰だったのでしょう。古い自民党をぶちこわして改革を進め、世界の日本の評価を高め、日本を浮上させたのは、小泉改革だったと認識しています。

 前回にもコメントでお返しさせていただきましたが、遊爺は、"改革を重要視している人"を指示します。
 復古ではなく、新たな時代へ向けての改革がなければ日本は更に崩壊への道をすすむことになります。日経で書かれているように、郵政改革の他にもまだまだやり残されている改革があるのです。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

my notice」カテゴリの最新記事