遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

安倍、プーチン 17回目の会談

2017-04-29 23:58:58 | ロシア全般
 安倍首相は、27日、モスクワのクレムリン宮殿でプーチン大統領と会談しました。昨年12月の山口・東京での会談から続くもので、通算17回目の会談となるのですね。
 山口・東京での会談では、日本国内で事前に北方領土問題の進展に期待が高まったのですが、プーチン大統領にバッサリ冷や水を掛けられ、むしろ二島返還論より後退した姿勢を示される一方で、経済協力の推進だけはしっかり約束する結果でした。

 
日露首脳会談 プーチン大統領の圧勝 - 遊爺雑記帳
 【続】日露首脳会談 プーチン大統領の圧勝 - 遊爺雑記帳

 12月の会談で合意した、北方領土の共同経済活動の実現に向けての会談の予定でしたが、米国のトランプ大統領誕生で、当初プーチン大統領との良好な関係が見込まれましたが、シリアの空軍基地攻撃で、一気に対立関係に逆戻りした中での会談となりました。
 トランプ大統領とも、プーチン大統領とも馬が合うとされる安倍首相に、架け橋となる役割が期待される今回の訪露での、安倍・プーチン会談でもありました。

 
首相とプーチン氏会談 露、福島廃炉に協力 北方領土の経済活動へ来月調査団 (産経新聞) - Yahoo!ニュース
 【日露首脳会談】安倍晋三首相、米露大統領の“橋渡し役”狙うも、根深い米露対立は… - 産経ニュース

 更に、朝鮮戦争休戦以来の緊張を迎えた、北朝鮮による核とミサイル開発への、米中日韓の対峙に、プーチン大統領の北支援といえる関与も始まった中での会談でもありました。
 

日露首脳会談 「万景峰号」抗議したのか (4/29 産経 【主張】)

 核・ミサイルをめぐる北朝鮮への脅威にどう対処するかは国際社会の喫緊の課題だ。そのさなかに行われた日露首脳会談でこれをどう話すかは、おのずと注目された

 だが、対北圧力を高める点でロシア側の同意を取り付けられたのか。ロシアは圧力強化に反する動きもとっており、これにクギを刺すことが欠かせないはずだった。

 北方領土問題を抱え、安倍晋三首相がプーチン大統領との信頼関係を維持したいのはわかる。だが、そのために主張すべきことを抑制すれば、相手に誤ったメッセージを与え、国益を損なうことにもつながりかねない。
 会談後の会見で、
安倍首相は「国連安全保障理事会決議の完全な順守を働きかけることで一致した」と述べた。ロシアに建設的役割を果たすよう促した
という。
 それ自体は妥当なものだが、
問題はその「意見の一致」にどれだけ実効性があるか
である。

 対する
プーチン氏は「全ての国に好戦的な言い回しを自制し、冷静で建設的な対話を呼びかける」と語った。武力行使の可能性を示唆する米国への牽制
(けんせい)である。
 
トランプ米政権は、軍事措置を含むあらゆる選択肢を検討しており、日本はその方針を支持している。ここで日露間の議論がとまったのなら、立場は実質的には平行線
ということではないか。

 
ロシアは首脳会談に先立ち、北朝鮮の「万景峰号」を極東ロシアに定期就航させると決めた
。日本が対北朝鮮制裁で、入港を禁止した貨客船である。かつてこの船が新潟港に出入りし、ミサイル関連部品の運搬や工作員の移動に利用された経緯がある。
 定期就航は、北朝鮮の労働者を極東ロシアに輸送し、外貨稼ぎに手を貸すものだ。
日本として受け入れがたいが、ロシア側に提起したのかどうか
、明確な説明を避けているのは腑(ふ)に落ちない。

 会談では、北方領土での共同経済活動の実現に向け、多くの合意が得られたという。
 岸田文雄外相がさきに札幌市内で北方四島の元島民と懇談した際、「領土問題が置き去りにされることのないよう取り組んでもらいたい」と要請された。
 
わが国固有の領土の主権を重視しない協議のありように、元島民らが懸念を抱いている。そのことを重く受け止めるべきである。

 今回の首脳会談について、遊爺が感じた結論から言うと、前回の山口・東京での会談につづいて、日本側の二連敗。
 フーチン大統領と、トランプ大統領の懸け橋になるなど、夢物語で10年早い。北朝鮮の暴走に揺れる危機情勢にチョッカイを出すプーチン大統領に、北朝鮮が国連安全保障理事会決議の完全な順守する様、建設的役割を果たすよう促したとのことですが、プーチン大統領の反応は、平行線であった内容を示すもの。
 山口・東京での会談同様、完全にコケにされた内容ですが、その時合意した北方領土の共同経済活動の実現に向け、官民による現地調査団を5月中にも派遣することで合意し、プーチン氏は共同経済活動で優先的に進める事業のリストを作ることで合意したと述べるなど、露側の欲しい経済支援だけは進展をみせています。

 産経・主張が言う様に、北方領土問題を抱え、安倍首相がプーチン大統領との信頼関係を維持したいのはわかるけど、ロシアの要求に妥協し、我が国の要求を蔑ろしているとしか見えません。わが国固有の領土の主権を重視しない協議のありよう。すなわち、国家の主権をないがしろにする売国行為といっても、言い過ぎではない諫言だと考えますがいかがでしょう。
 遊爺が言い続けていることは、台所が火の車で苦しいのはロシアなのです。日本は焦らず、国益と国家の主権を追求する交渉をすべきなのです。互いに、国益を追求する、チキンレースなのですから。
 勿論、したたかなロシア。開発については他国と競争させてきます。それは、ビジネスとしての競争であり、経済協力をしようが、するまいが、関係なく行われることで、それはそれで負けない様、企業が頑張らねばならない事。企業が、政府間の交渉に甘んじて、競争が有利になると考えるのは間違いです。東南アジアなどで展開されている、中国との受注競争と同じで、甘えると、受注をさらわれてしまいまうのは当然です。
 
北方領土の光回線敷設に中国大手ファーウェイが参画 - 産経ニュース

 「わが国固有の領土の主権を重視しない協議のありように、元島民らが懸念を抱いている。そのことを重く受け止めるべきである。」との産経・主張の結びの要請を、政府は重く受け取っていただきたい。
 度重なる外交の敗北。岸田大臣の更迭に値する(次期総理・総裁などとんでもない)と考えますが、いかがでしょう。



 # 冒頭の画像は、27日クレムリンで会談した安倍首相とプーチン大統領
  両首脳の表情が硬いと感じるのですが、考えすぎでしょうか。



  この花の名前は、シュウカイドウ


↓よろしかったら、お願いします。



写真素材のピクスタ


Fotolia


ソ連が満洲に侵攻した夏 (文春文庫)








    

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 4月28日(金)のつぶやき | トップ | 4月29日(土)のつぶやき »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

ロシア全般」カテゴリの最新記事