遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

習近平 中東訪問 その成果は

2016-01-23 23:58:58 | 米国 全般
 習近平国家主席は19日から23日まで、中東地域のサウジアラビア、エジプト、イランの3カ国を公式訪問しました。
 サウジアラビアとイランが国交断絶する緊迫状況に陥り、米国の影響力が低下する隙をついて自国の影響力を強めようとする狙いが見え見えですが、中国の思惑通りにいくのか。
 イスラム教徒のウイグル族を弾圧する中国が関与を深めることは可能なのか。むしろテロの標的とされるリスクが増したり、国内の民族対立を増したりする可能性もあり、中国の関与は限定的とならざるを得ないとの見方があります。

 
中国主席、サウジとイランで何を話すか - WSJ
 
中国、中東に関与強化 習氏歴訪 6.3兆円支援表明 米に代わり存在感狙う (1/23 読売朝刊)

 【北京=蒔田一彦、カイロ=久保健一】中東を歴訪している中国の習近平国家主席は21日にカイロのアラブ連盟本部で行った演説で、中東に対し、約6.3兆円に上る経済支援を行うと表明した。米国の域内関与が低下する中、中国は政治・経済の両面で存在感を高める狙いだ。ただ、中東への関与強化は中国国内の少数民族間題を刺激するジレンマもあり、外交や安全保障分野でも影響力を強められるかどうかは不透明だ


 習氏は21日、カイロのアラブ連盟本部で加盟国代表団ら約200人を前に「我々は空白を埋めることは求めない」と述べた。
中国が、米国の域内影響力低下の隙を突いて、自国に有利な形で関与を拡大させているとの懸念を払拭
しようとする狙いは明らかだった。
 「中国は某国のように『代理人』を務めない」。22日付中国紙・環球時報は習氏の発言を見出しに取り、軍事介入を繰り返す欧米とは一線を画す中国の外交姿勢を強調。中東諸国は「内政不干渉」の原則を掲げる中国を肯定的に受け止めているとの自信をのぞかせた。
 中国にとって中東は長年、外交の空白地帯だった。中国の国家主席が域内を訪問するのはサウジアラビアが7年ぶり、エジプトが12年ぶり、イランは14年ぶりだ。
 中国は域内の外交や安全保障にも関与する姿勢だ。習氏は最初の訪問国サウジでムハンマド副皇太子兼国防相と会談、「地域の国が対話と協調を強めることを希望する」と述べた。関係が悪化したサウジとイランに自制を呼び掛けたものだ。
 中国が域内関与を強めるのは、国連安全保障理事会の常任理事国としてイラン核問題の交渉に参加し、昨年の合意達成に貢献したと自らを評価したことが大きい。シリア問題でも年末年始にアサド政権側と反体制派側を北京に呼び、王毅外相が協議を行い、「仲介役」を果たす姿勢を示した。

テロ対策も
 もう一つの理由はテロ対策だ。習氏は演説で「テロは平和と発展に対する厳しい試練だ」と語り、テロ対策で域内各国と連携を強める方針を示した。中国は、漢族との格差などに不満を持つ少数民族ウイグル族がイスラム過激派組織「イスラム国」に参加し、国内でテロを起こす事態を恐れる。1月施行の「反テロ法」では、テロ対策任務での海外派兵も可能になった。
 ただ、
反テロの取り組みに深入りすれば自らが国際テロ組織の標的となるリスクもはらむ。域内各国の大衆の間には、中国がイスラム教の信仰を抑圧しているとの批判も根強い。このため中国が中東での宗派対立などに影響力を発揮できるのかは不明
だ。「積極的な関与はポーズでしかない」(外交筋)との指摘もある。
 エジプト・スエズ運河大のマハムード・アーデル教授は「
中国が政治的な関与を強めれば(ウイグル族問題など)国内の民族対立を刺激することになりかねない。関与拡大は限定的にならざるを得ない
」とみる。

「一帯一路」へ布石 エネルギーの安定確保 直結の鉄道整備構想も

 【北京=蒔田一彦】習氏が21日に表明した中東に対する巨額の経済支援は、社会基盤の拡充や産業構造の多角化を目指す中東の需要にかなうものだ。習氏自らが提唱した巨大経済圏構想「一帯一路」の実現に向けた布石とも言える。
 「我々は中東の平和の建設者であり、中東の発展の推進者だ。工業化を助け、中東の安定を支持する」。習氏はアラブ連盟での演説で、「一帯一路」構想を推進する意義を強調した。演説の中で、「一帯一路」や「シルクロード」という言葉は11回も使われた。
 「一帯一路」構想には、中国企業の海外進出や輸出の拡大とエネルギー資源の安定確保という目的がある。中国は同構想に基づき、中東では、資源産出国に対する経済支援を拡大し、関係強化を図る狙いだ。
 中国の原油輸入量の半分以上を中東産が占める。中国は大気汚染や気候変動対策で石炭依存からの脱却を進めており、原油や天然ガスの需要は今後も拡大が予想される。サウジアラビアやクウェートなど6か国で構成される「湾岸協力会議」とは、自由貿易協定交渉も進めている。
 中国はまた、有事の際にマラッカ海峡や南シナ海が米軍によって封鎖される事態に備え、中東と中国を直結する陸上輸送路の確保を進めている。イランと中国を結ぶパイプラインや、イラクと中国をつなぐ鉄道整備計画なども取り沙汰されている。中国はアジアインフラ投資銀行(AIIB)なども活用して、事業を具体化させたい意向とみられる。

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〈習氏が表明した主な支援項目〉
・条件を優遇した借款など: 約2.3兆円
・工業化を進めるための融資: 約1.7兆円
・インフラ整備などの資金に充てる基金: 約2.3兆円(アラブ首長国連邦、カタールと共同で設置)
・警察官の訓練など各国の治安維持能力強化の援助: 約350億円
・シリア、ヨルダン、イエメンなどへの人道援助: 約40億円
・パレスチナの民生改善のための無償援助: 約9億円
・奨学金の支給と職業訓練の実施: 各1万人を対象
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  国内経済成長の減速で、海外の需要を取り込まざるをえなくなり、「一帯一路」政策を打ち出し中国から欧州にかけての新シルクロード構想を推進しようとする習近平。中東はその要所でもあり、原油の輸入拠点でもあります。 イランへの経済制裁で日本が撤退をせざるをえなくなった隙をついて進出するなどしていましたが、米国の域内影響力低下の隙を突いて、影響力を高めようというのですね。中国の国家主席が域内を訪問するのはサウジアラビアが7年ぶり、エジプトが12年ぶり、イランは14年ぶりなのだと。
 
 中国がウィグル族=イスラム教徒を抑圧していることは中東では知られていることで、どこまで影響力を発揮できるかも疑問詞されていると記事は指摘していますね。



青山繁晴氏は、行っても何も出来ないと断言されています。
 2016/01/21 ザ・ボイス 青山繁晴


 * 35分55秒経過したあたりからがこの話です。お急ぎの場合は、画面下部のルーラーで早送りしてご覧ください。

 「中華民族の偉大なる復興」を掲げ、覇権拡大を推進する習近平。ここへきての大幅な経済成長減速はその推進力にマイナスの影響を及ぼし始めていますね。
 しかし、それでもと言うか、逆に経済立て直しのために海外に活路を求めねばならい状況に追い込まれているのです。
 テロの標的にされるリスク。国内の民族対立を深めるリスク。外貨準備を大幅に使い込んで、苦しくなりつつある財政負担。いくつもの苦境をかかえつつ、それでも突き進まねばならない現状。
 習近平がどう乗り切るのか。中東で、どう受け入れられるのか。欧州の様に、見せ金に惹かれて、貰えるものは貰おうと接近するのか。今後に注目です。

 上記の「ザ・ボイス」での青山さんが指摘されている通り、日本が果たせる役割に期待ですね。
 
【イラン制裁解除】日本、出遅れ取り戻せるか 石油開発など期待も、経済性不安で足取り重く - 産経ニュース


 # 冒頭の画像は、サウジアラビアを訪問し、サルマン国王と握手を交わす習近平国家主席




  この花の名前は、ガウラ




政府広報(北方領土問題) - YouTube


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