遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

公務員が特定の政党を支援する活動をしても良いと最高裁が過去の判例を逆転

2012-12-08 23:41:25 | my notice
 日本は法治国家ですから、最高裁の判決には従わねばなりません。更に、判例主義の裁判も、時代の変化に対応して、新しく判例を改革していくことにもやぶさかではありません。そういった考えを肯定する立ち位置に立っても、何故あえて過去の判例を覆したのか理解できない判決が出ました。
 それは、遊爺だけでなく、読売も産経もすかさず主張・社説で取り上げていますね。

 
【主張】赤旗配布訴訟 最高裁判決は禍根を残す - MSN産経ニュース
 
政党紙配布判決 公務員の中立を乱さないか(12月8日 読売・社説)

 
法的に禁じられている国家公務員による政党機関紙の配布について、最高裁は、場合によっては罪に問われることはないとの判断を示した。
 国家公務員の政治活動の範囲が、なし崩し的に広がらないか、懸念が拭えない判決だ。
 過去の衆院選で、共産党機関紙の号外を休日にマンションなどに配布したとして、元厚生労働省課長補佐と元社会保険庁職員が国家公務員法違反に問われた。
 最高裁は、元厚労省課長補佐を有罪、元社保庁職員については無罪とする判決を言い渡した。
 国家公務員法は、職員の政治的行為を制限し、それに基づく
人事院規則が、政党機関紙の配布を明確に禁じている

 判決がまず、国家公務員について、「政治的に公正かつ中立的立場で職務の遂行に当たることが必要」と指摘したのは当然だ。 だが、その先の最高裁の判断には疑問符が付く。
 今回の裁判で、最高裁が重視したのは、2人の地位だ。有罪となった元厚労省課長補佐は、管理職的地位にあり、政治活動をすれば、他の職員の業務にも影響を及ぼし得る、との見解を示した。
 一方、窓口相談などを担当していた元社保庁職員は管理職でなく、政治活動が職務に影響することはない、と判断した。
 この見方は、一面的ではないか。地位にかかわらず、職場に強い影響力を持つ職員はいるだろう。例えば、官公庁の労働組合の幹部は管理職ではない。
 どんな場合に政治活動が違法となるかについて、最高裁は、
公務員の地位や権限を総合判断し、「行政の中立的運営に実質的に影響を及ぼす場合」との見解を示した。この線引きもあいまい
だ。
 最高裁は1974年、国家公務員の政治活動について、「地位や職種に関係なく政治的行為を禁じることは憲法に違反しない」と判断した。この
判例との整合性でも理解しにくい面がある

 今回の判決により、
管理職に就いていなければ、政治活動が許されるという解釈が広がる
恐れもある。政権政党に、国の機関の職員がビラまきなどで協力するような事態も考えられる。
 教育現場への影響も心配だ。教員は国家公務員並みに政治活動が制限されている。民主党との癒着が批判された北海道教職員組合の政治資金規正法違反事件のようなケースが起こりかねない。
 やはり、
公務員の政治活動は、厳格に規制されるべきだ。


 今回の判決の内容で理解に苦しむ一つ目は、管理職と職員とで有罪と無罪の天と地ほど、それこそ黒と白の両極端の差をつけた判決です。肩書だけで、影響力の有無を判断して結果がこんなに大きな判断でいいとは、凡人の社会人の遊爺には理解し難い裁決です。社会一般通念として、「人を肩書だけで判断してはいけない」と教えられてきましたが、最高裁は「人を肩書で裁決する」といっているのです。
 職員なら、人事院規則を破っても罪にならないと聞こえます。読売社説が言うように、管理職でなければ、政治活動をしてもよいと、素人の遊爺には過去の判例を覆した重大な判決にしか見えません。
 そして重要なことは、それでも過去の判例と矛盾しないとされていて、明らかに事実として異なるのに、その説明責任を逃れていることです。
 
 勤務時間以外は行動は自由だという意見はあります。個人の信条は尊重されるべきです。ですから、公務員のかたが、何処の党に投票されようが、それを束縛するつもりはありません。
 しかし、特定の政党の為の表立った政治活動は、中立である公務員は差し控えるべきです。どうしてもその政党の為に働きたいのなら、公務員を辞めて政治活動をすれば、その自由はだれも束縛はしません。

 最高裁の判決は重く尊重せねば、法治国家は立ちゆきません。が、100%正しくはないのも再審逆転判決があるという事実が示しています。
 しかも、繰り返しになりますが、あえて判例を覆す判決と言われる内容ですから、確信を持った、言い換えれば判例を再審した結果の判決です。しかも、肩書で人を判断しているのです。

 千葉勝美裁判長と、須藤裁判官の名前だけが報道の中から見えますが、他の裁判官の名前も明らかにしていただいて、総選挙時の最高裁判所裁判官国民審査投票で忘れずに罷免の×印をするようにします。



 # 冒頭の画像は、千葉勝美裁判長






 なすびの花

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1 コメント

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千葉勝美裁判長 (1Q3)
2012-12-13 00:36:55
不在者投票を済ませました。
最高裁判所裁判官国民審査投票に、千葉勝美氏の名前があったので、×印つけて投票しておきましたよ。
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