中国共産党中央政治局は10月12日、党規約の改訂版を承認したのだそうです。国営新華社通信は、新規約は共産党の歴史上、「最も完全で厳格な行動規範」だと述べたのだそうですが、新規約は、党員が政策について「否定的なコメント」や「無責任な意見」を述べることを禁じているのだそうです。
もともと表現の自由はない中国共産党の独裁政治体制ですが、この数か月、表現に対する制限がより厳しくなってきていると指摘している記事があります。
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もともと表現の自由はない中国共産党の独裁政治体制ですが、この数か月、表現に対する制限がより厳しくなってきていると指摘している記事があります。
中国の検閲:表現の不自由という新常態 この記事はパニックと混乱を広げる罪を犯している | JBpress(日本ビジネスプレス) 2015.12.10(木) The Economist
表現に対する取り締まりの兆候が広がっている。
8月半ば、中国東部・江蘇省の元共産党幹部、越少麟氏が、反腐敗運動を主導する共産党中央規律検査委員会に連行された。そこに変わったことは何もない。大勢の地方党幹部が全国的な反腐敗運動に巻き込まれている。意外だったのは、越氏が告発された罪だ。
?こうした告発は通常、被疑者が非道な不正行為によって蓄えたとされる巨額の富を強調する。党の新聞「新京報」によると、越氏の罪は、政府の政策を批判したことによる党の規律違反だったという。
?共産党中央党校の謝春涛氏は「自分たちの方が党より賢いと思っている人がいるが、それは許されないことだ」と吐き捨てた。
?身柄を拘束されたのは、越氏だけではない。中央規律検査委員会は10月中旬、北京に近い河北省と南部の広西チワン族自治区の現役党幹部2人を逮捕した。彼らの罪のリストにも、党批判が含まれていた。
■古い習慣への回帰
?中央政治局は10月12日、党規約の改訂版を承認した。国営新華社通信は、新規約は共産党の歴史上、「最も完全で厳格な行動規範」だと述べた。新規約は、党員が政策について「否定的なコメント」や「無責任な意見」を述べることを禁じている。党員は問題を議論することはできる――だが、それは良いことを言う場合に限られる。
?イデオロギー的な適合を強調するこの姿勢は、古い習慣への回帰を示している。習近平国家出席は2013年9月、批判や自己批判を「強力な武器」と呼び、「これを使えば使うほど、問題を発見し、解決する指導者の能力が向上する」と言っていた。
?ところが、この数カ月、それも中華人民共和国の歴史上初めてのことではないが、比較的オープンな議論が表現に対するより厳しい制限に取って代わられている。そもそも表現は完全に自由だったことは一度もない。
習氏は昨年、芸術に関する重要な演説で、芸術に「肯定的なエネルギー」を求めただけではなかった。近代建築や西洋芸術の模倣も批判した。
?この演説のタイミングに、リベラル派は不安を覚えた。1万人が死亡した、整風運動と呼ばれる突発的な暴力に道を開いた毛沢東の演説の記念日を祝うものだったからだ。
?その怪物たる毛沢東自身を批判することも再び受け入れられなくなっている。有名なテレビ司会者の畢福剣氏は、毛沢東を笑い物にする京劇風の歌を歌っている様子をうっかり撮影された後、解雇された。
■寒気を覚えるメディア
?メディアは寒気を感じている。新疆日報の編集長、越新尉氏は先月、解雇された。分かっている限り、イスラム教徒が多数を占める中国最西部の新疆ウイグル自治区における反テロの取り締まりへの懸念を表明したことが原因のようだった。
?経済誌「財経」の記者、王暁璐氏は8月、国営テレビでさらし者にされ、夏場に株式市場が暴落した時に「パニックと混乱」を広げたことを認めた。王氏の罪は、中国証券監督管理委員会が市場を下支えするのをやめる方法を模索していると報じたことだった。
?一方、南方シリーズと総称される、最後に残っている中国のリベラル系3紙「南方週末」「南方都市報」「南方日報」は、検閲官の訪問を受けた。そこで働くある記者は米国のロビー団体、ジャーナリスト保護委員会に対し、中国の抗日戦争勝利記念日の大規模な軍事パレードに関する、その後の媚びへつらう報道は「南方シリーズに対して一般市民が抱いていた一縷の期待と好印象を葬り去った」と話した。
?党のメッセージを理解し、報道機関50社は9月に「自己規律協定」を結び、「党と我が国の体面を傷つける意見を掲載したり広めたり」しないことを約束した。
?米国の非政府組織(NGO)、フリーダムハウスは、今年に入って拡大する制限の範囲を要約し、頻繁に検閲の対象となる17のグループ――草の根活動家、大学教授、チベット人など――のうち、11のグループが習氏の下でより厳しい圧力に直面していると述べた。
?夏には100人以上の弁護士が検挙された。フェミニストの一団は、「問題を引き起こした」容疑で逮捕(そして保釈)された。実際には、彼らは公共交通機関でのセクシャルハラスメントへの関心を集めようとしていた。学者たちは、言動に気をつけるよう注意されている。
習氏は、2012年に権力の座に就いてから、出版・報道の自由や人権といった油断ならない西側の考え方を繰り返し否定してきた。だが、習氏は同時に、よりリベラルな中国の憲法の重要性について時折話すことによって、そうした指令と統制の伝統とバランスを取ってきた。現在、習氏に物事の統制の側面を強調するよう促すことが3つ起きている。
■新常態
?まず、腐った共産党を浄化するという習氏が自ら任じた仕事が、これまで以上に難しくなっている。反腐敗運動は何千人という高官を網に捕えており、その手が緩められる兆候はほとんどない(現役の省トップの初の逮捕だけでなく、今年は反腐敗運動が国営企業の幹部を追及するところまで拡大している)。習氏は、自らの運動を前進させるためには、党員の意見を制限することが必要だと結論づけたのかもしれない。
?第2に、政府は、習氏が指導者の地位に就いたちょうどその時に爆発的に拡大したソーシャルメディアに対する統制を強めようとしている。8月に出された国家互聯網信息辦公室(国家インターネット情報事務室)の新たな指針は、中国のいわゆるミニブログ(例えば、インスタントメッセージサービス「微信(WeChat)」に投稿されるブログ)に制限を加えている。
?11月に施行された刑法改正は、オンラインで「噂を広めること」に最長7年の服役刑が科される可能性があるとしている――そして、この法律は何が噂と見なされるか規定していない。サイバーセキュリティー法案では、インターネット企業がオンライン上の匿名性を制限し、明確に定義されていない「セキュリティー事件」を政府に報告するよう義務づけられる。
?第3に、景気の減速によって、労働争議やその他の形の混乱が党の権力支配を脅かすのではないかという不安が蘇りつつあるように見える。党は、何年にもわたって生活水準が急速に向上してきたという事実によって正当性を主張している。生活水準の向上が緩やかになるにつれ、一般市民は自分たちの統治者について不満を漏らし始めるかもしれない。党の指導者たちは、その種のことは先手を打って潰しておくべきだと感じている。
?中国の国家主席は経済成長の減速を「新常態」と呼んでいる。表現に対する統制強化も新常態になりつつある。
表現に対する取り締まりの兆候が広がっている。
8月半ば、中国東部・江蘇省の元共産党幹部、越少麟氏が、反腐敗運動を主導する共産党中央規律検査委員会に連行された。そこに変わったことは何もない。大勢の地方党幹部が全国的な反腐敗運動に巻き込まれている。意外だったのは、越氏が告発された罪だ。
?こうした告発は通常、被疑者が非道な不正行為によって蓄えたとされる巨額の富を強調する。党の新聞「新京報」によると、越氏の罪は、政府の政策を批判したことによる党の規律違反だったという。
?共産党中央党校の謝春涛氏は「自分たちの方が党より賢いと思っている人がいるが、それは許されないことだ」と吐き捨てた。
?身柄を拘束されたのは、越氏だけではない。中央規律検査委員会は10月中旬、北京に近い河北省と南部の広西チワン族自治区の現役党幹部2人を逮捕した。彼らの罪のリストにも、党批判が含まれていた。
■古い習慣への回帰
?中央政治局は10月12日、党規約の改訂版を承認した。国営新華社通信は、新規約は共産党の歴史上、「最も完全で厳格な行動規範」だと述べた。新規約は、党員が政策について「否定的なコメント」や「無責任な意見」を述べることを禁じている。党員は問題を議論することはできる――だが、それは良いことを言う場合に限られる。
?イデオロギー的な適合を強調するこの姿勢は、古い習慣への回帰を示している。習近平国家出席は2013年9月、批判や自己批判を「強力な武器」と呼び、「これを使えば使うほど、問題を発見し、解決する指導者の能力が向上する」と言っていた。
?ところが、この数カ月、それも中華人民共和国の歴史上初めてのことではないが、比較的オープンな議論が表現に対するより厳しい制限に取って代わられている。そもそも表現は完全に自由だったことは一度もない。
習氏は昨年、芸術に関する重要な演説で、芸術に「肯定的なエネルギー」を求めただけではなかった。近代建築や西洋芸術の模倣も批判した。
?この演説のタイミングに、リベラル派は不安を覚えた。1万人が死亡した、整風運動と呼ばれる突発的な暴力に道を開いた毛沢東の演説の記念日を祝うものだったからだ。
?その怪物たる毛沢東自身を批判することも再び受け入れられなくなっている。有名なテレビ司会者の畢福剣氏は、毛沢東を笑い物にする京劇風の歌を歌っている様子をうっかり撮影された後、解雇された。
■寒気を覚えるメディア
?メディアは寒気を感じている。新疆日報の編集長、越新尉氏は先月、解雇された。分かっている限り、イスラム教徒が多数を占める中国最西部の新疆ウイグル自治区における反テロの取り締まりへの懸念を表明したことが原因のようだった。
?経済誌「財経」の記者、王暁璐氏は8月、国営テレビでさらし者にされ、夏場に株式市場が暴落した時に「パニックと混乱」を広げたことを認めた。王氏の罪は、中国証券監督管理委員会が市場を下支えするのをやめる方法を模索していると報じたことだった。
?一方、南方シリーズと総称される、最後に残っている中国のリベラル系3紙「南方週末」「南方都市報」「南方日報」は、検閲官の訪問を受けた。そこで働くある記者は米国のロビー団体、ジャーナリスト保護委員会に対し、中国の抗日戦争勝利記念日の大規模な軍事パレードに関する、その後の媚びへつらう報道は「南方シリーズに対して一般市民が抱いていた一縷の期待と好印象を葬り去った」と話した。
?党のメッセージを理解し、報道機関50社は9月に「自己規律協定」を結び、「党と我が国の体面を傷つける意見を掲載したり広めたり」しないことを約束した。
?米国の非政府組織(NGO)、フリーダムハウスは、今年に入って拡大する制限の範囲を要約し、頻繁に検閲の対象となる17のグループ――草の根活動家、大学教授、チベット人など――のうち、11のグループが習氏の下でより厳しい圧力に直面していると述べた。
?夏には100人以上の弁護士が検挙された。フェミニストの一団は、「問題を引き起こした」容疑で逮捕(そして保釈)された。実際には、彼らは公共交通機関でのセクシャルハラスメントへの関心を集めようとしていた。学者たちは、言動に気をつけるよう注意されている。
習氏は、2012年に権力の座に就いてから、出版・報道の自由や人権といった油断ならない西側の考え方を繰り返し否定してきた。だが、習氏は同時に、よりリベラルな中国の憲法の重要性について時折話すことによって、そうした指令と統制の伝統とバランスを取ってきた。現在、習氏に物事の統制の側面を強調するよう促すことが3つ起きている。
■新常態
?まず、腐った共産党を浄化するという習氏が自ら任じた仕事が、これまで以上に難しくなっている。反腐敗運動は何千人という高官を網に捕えており、その手が緩められる兆候はほとんどない(現役の省トップの初の逮捕だけでなく、今年は反腐敗運動が国営企業の幹部を追及するところまで拡大している)。習氏は、自らの運動を前進させるためには、党員の意見を制限することが必要だと結論づけたのかもしれない。
?第2に、政府は、習氏が指導者の地位に就いたちょうどその時に爆発的に拡大したソーシャルメディアに対する統制を強めようとしている。8月に出された国家互聯網信息辦公室(国家インターネット情報事務室)の新たな指針は、中国のいわゆるミニブログ(例えば、インスタントメッセージサービス「微信(WeChat)」に投稿されるブログ)に制限を加えている。
?11月に施行された刑法改正は、オンラインで「噂を広めること」に最長7年の服役刑が科される可能性があるとしている――そして、この法律は何が噂と見なされるか規定していない。サイバーセキュリティー法案では、インターネット企業がオンライン上の匿名性を制限し、明確に定義されていない「セキュリティー事件」を政府に報告するよう義務づけられる。
?第3に、景気の減速によって、労働争議やその他の形の混乱が党の権力支配を脅かすのではないかという不安が蘇りつつあるように見える。党は、何年にもわたって生活水準が急速に向上してきたという事実によって正当性を主張している。生活水準の向上が緩やかになるにつれ、一般市民は自分たちの統治者について不満を漏らし始めるかもしれない。党の指導者たちは、その種のことは先手を打って潰しておくべきだと感じている。
?中国の国家主席は経済成長の減速を「新常態」と呼んでいる。表現に対する統制強化も新常態になりつつある。
腐敗政治を取り締まり、虎退治をして人民の支持率を得ていた習近平でしたが、政府の政策批判を党の規律違反として厳しく取り締まる様になってきたというのです。記事は、この姿勢を古い習慣への回帰を示しているのだと指摘しています。
そしてメディアに対しても厳しい姿勢を強め弾圧行為も顕著になり、記事で例示されていますが、党のメッセージを理解した報道機関50社は9月に「自己規律協定」を結び、「党と我が国の体面を傷つける意見を掲載したり広めたり」しないことを約束したのだそうです。報道規制の緩みを引き締め、メディアもそれを受け入れたということです。さすがは共産党独裁政治の国。
また、経済成長の減速に伴い人民の生活向上の鈍化が生じ、高度成長期には顕在化しなかった、格差社会の実感が広まり始めています。政府は、こうしたことからの不満が政府批判に繋がることを恐れ、先手を打って規制強化をしている側面もあると、記事は指摘しています。
そして、メディアへの規制強化は、海外のメディアに対しても復活しています。
中国政府を批判 仏記者を事実上の国外退去処分 NHKニュース
中国政府は、パリの同時テロ事件をウイグル族に対する締めつけに利用していると中国政府を批判する記事を書いたフランス人の女性記者について、「テロリズムの片棒を担いだ」と非難し、中国での取材活動を認めず、事実上の国外退去処分としました。
問題となったのは先月18日にフランスの週刊誌「ル・ヌーベル・オプセルバトゥール」のサイトに女性記者のウルスラ・ゴーティエさんが載せた記事で、中国政府は国際的なテロリストを取り締まるという名目で、ウイグル族に対する締めつけを強化していると批判しました。
これについて、中国外務省の陸慷報道官は26日、コメントを発表し、「ゴーティエ記者はテロリズムの片棒を担いだにもかかわらず、中国の国民に謝罪していない」などと非難し、これ以上、中国国内での取材活動を認めず、事実上の国外退去処分としたことを明らかにしました。
一方、ゴーティエ記者は26日、NHKの取材に対して、25日、外務省に呼ばれ、ことしのうちに出国するよう申し渡されたとしたうえで、「ここ2、3年、ジャーナリストに対する締めつけは、ますます厳しくなっていて、息苦しさを感じている。中国政府は外国のメディアに対してもプロパガンダを強要しているが、私は受け入れられない」と述べ、今月31日にフランスに帰国することを明らかにしました。
中国に駐在する外国メディアを巡っては、過去にも中国に批判的な記事を書いた記者に取材ビザが認められない事態が起きています。
外国人記者への嫌がらせ あと絶たず中国では警察や当局関係者などから取材に対する嫌がらせが、あとを絶ちません。
中国に駐在する外国人記者は毎年、年末に記者証と取材ビザの更新を義務づけられていますが、北京駐在の外国人記者で作る「外国人記者クラブ」はビザの更新手続きについて調べた結果を、ことし5月に公表しています。
それによりますと、調査に応じた126人のうち、10人が記事の内容を理由にビザを取り消すとか更新を拒否すると警告されたと回答し、このうち、複数の記者は警察から直接、報道姿勢を変えなければビザを発給しないと言われたということです。
また、「外国人記者クラブ」が外国人記者の取材環境について調べた、ことしの年次報告書によりますと取材活動中に警察などの妨害を受けた外国人記者は、回答した117人の72%以上に上ったということです。
さらに外国メディアの取材に応じた人や、外国メディアで働く中国人に対する脅迫や嫌がらせも報告されていて、「取材環境が国際的な基準に達していない」という回答は96%に上ったということです。
相次ぐ外国人記者の国外退去
中国駐在の外国人記者が取材ビザの更新を拒否されるケースは、ここ数年、相次いでいて、中国の社会問題や共産党指導者への批判的な報道が、その原因とみられています。
このうち、2012年には北京に駐在する中東の衛星テレビ局、アルジャジーラに勤めるアメリカ人の女性記者がビザの更新を拒否され、国外退去を余儀なくされました。
この記者は強制的な住宅の立ち退きや、官僚の腐敗など地方政府の不正を訴える人々を不当に拘束する収容施設の実態をはじめ、中国の社会問題の取材を数多く手がけていました。
また、同じ年にはアメリカの新聞「ニューヨーク・タイムズ」の北京駐在の男性記者のビザが更新されず、当時の温家宝首相の親族が巨額の資産を保有していると伝えたことへの報復措置とみられています。
また、外国メディアで働く中国人の助手に対する締めつけや嫌がらせも強まっています。去年10月には、香港で民主的な選挙を求める学生たちの抗議デモを取材したドイツの週刊紙の中国人助手が北京に戻ってから公安当局に長期間身柄を拘束されたうえ、ドイツ人の記者も公安当局の執ような取り調べに身の危険を感じたとして、帰国しました。
中国政府は、パリの同時テロ事件をウイグル族に対する締めつけに利用していると中国政府を批判する記事を書いたフランス人の女性記者について、「テロリズムの片棒を担いだ」と非難し、中国での取材活動を認めず、事実上の国外退去処分としました。
問題となったのは先月18日にフランスの週刊誌「ル・ヌーベル・オプセルバトゥール」のサイトに女性記者のウルスラ・ゴーティエさんが載せた記事で、中国政府は国際的なテロリストを取り締まるという名目で、ウイグル族に対する締めつけを強化していると批判しました。
これについて、中国外務省の陸慷報道官は26日、コメントを発表し、「ゴーティエ記者はテロリズムの片棒を担いだにもかかわらず、中国の国民に謝罪していない」などと非難し、これ以上、中国国内での取材活動を認めず、事実上の国外退去処分としたことを明らかにしました。
一方、ゴーティエ記者は26日、NHKの取材に対して、25日、外務省に呼ばれ、ことしのうちに出国するよう申し渡されたとしたうえで、「ここ2、3年、ジャーナリストに対する締めつけは、ますます厳しくなっていて、息苦しさを感じている。中国政府は外国のメディアに対してもプロパガンダを強要しているが、私は受け入れられない」と述べ、今月31日にフランスに帰国することを明らかにしました。
中国に駐在する外国メディアを巡っては、過去にも中国に批判的な記事を書いた記者に取材ビザが認められない事態が起きています。
外国人記者への嫌がらせ あと絶たず中国では警察や当局関係者などから取材に対する嫌がらせが、あとを絶ちません。
中国に駐在する外国人記者は毎年、年末に記者証と取材ビザの更新を義務づけられていますが、北京駐在の外国人記者で作る「外国人記者クラブ」はビザの更新手続きについて調べた結果を、ことし5月に公表しています。
それによりますと、調査に応じた126人のうち、10人が記事の内容を理由にビザを取り消すとか更新を拒否すると警告されたと回答し、このうち、複数の記者は警察から直接、報道姿勢を変えなければビザを発給しないと言われたということです。
また、「外国人記者クラブ」が外国人記者の取材環境について調べた、ことしの年次報告書によりますと取材活動中に警察などの妨害を受けた外国人記者は、回答した117人の72%以上に上ったということです。
さらに外国メディアの取材に応じた人や、外国メディアで働く中国人に対する脅迫や嫌がらせも報告されていて、「取材環境が国際的な基準に達していない」という回答は96%に上ったということです。
相次ぐ外国人記者の国外退去
中国駐在の外国人記者が取材ビザの更新を拒否されるケースは、ここ数年、相次いでいて、中国の社会問題や共産党指導者への批判的な報道が、その原因とみられています。
このうち、2012年には北京に駐在する中東の衛星テレビ局、アルジャジーラに勤めるアメリカ人の女性記者がビザの更新を拒否され、国外退去を余儀なくされました。
この記者は強制的な住宅の立ち退きや、官僚の腐敗など地方政府の不正を訴える人々を不当に拘束する収容施設の実態をはじめ、中国の社会問題の取材を数多く手がけていました。
また、同じ年にはアメリカの新聞「ニューヨーク・タイムズ」の北京駐在の男性記者のビザが更新されず、当時の温家宝首相の親族が巨額の資産を保有していると伝えたことへの報復措置とみられています。
また、外国メディアで働く中国人の助手に対する締めつけや嫌がらせも強まっています。去年10月には、香港で民主的な選挙を求める学生たちの抗議デモを取材したドイツの週刊紙の中国人助手が北京に戻ってから公安当局に長期間身柄を拘束されたうえ、ドイツ人の記者も公安当局の執ような取り調べに身の危険を感じたとして、帰国しました。
G7の分断を謀る習近平政権の札束外交に屈して、中国の甘言に屈している欧州諸国。中国共産党政治の横暴の実態を知る良い機会になっているのではないでしょうか。
それでも、自由よりお金が優先で、見えないふりをして、媚中外交をつづけるのでしょうか。
現実に、記者が弾圧されては見えないふりは通用しなくなってきましたが、まだ媚中を続けるのか。
欧州諸国の、自由と民主主義の姿勢も問われる、中国の言論弾圧の強化でもあります。
# 冒頭の画像は、仏ニュース誌「ロブス」の北京駐在記者、ウルスラ・ゴーティエ氏
この花の名前は、ダリア
↓よろしかったら、お願いします。