遊爺雑記帳

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武漢肺炎収束後 習金平と反習近平勢力とで責任追及の政局になる

2020-05-22 01:23:56 | 武漢肺炎
 世界に深刻な感染拡大を及ぼしている新型コロナウイルスの武漢肺炎。
 中国国内では収束宣言をした習近平ですが、米国他の諸国から、発生当初の隠蔽が世界への感染拡大を招いたと責任追及の火の手が上がっています。
 当然、中国国内でも責任追及の政局が始まっていて、8月に河北省の避暑地で開かれる北戴河会議がその清算の場となると注目されているのだそうです。
 そこで注目されるは、いままで習氏と行動を共にしてきた王岐山氏。反習勢力の李克強の共青団派側につき共闘するとの見方が出てきているのだそうです。
 
習近平は失脚も? 中国でコロナ後に待つ共産党「大粛清」のゆくえ(矢板 明夫) | 現代ビジネス | 講談社 2020.04.09

■コロナで進む「習近平の孤立」
世界中で猛威を振るっている
中国・武漢発の新型コロナウイルスは、中国国内の政局にも大きな影響を与えている

中国共産党の官製メディアは「うまく対応できている」と発表しているが、社会が混乱し、経済低迷も深刻化しているのが実態だ。これまで権力集中を進めてきた、
習近平国家主席とその周辺の危機管理能力の不足が露呈した形だ。

同時に、失敗の責任をすべて下に押し付けようとする習氏のやり方に対し、党内の不満が高まっている。習指導部と距離を置く李克強首相が率いる共産主義青年団系の幹部だけではなく、習氏の盟友だった王岐山国家副主席も、習氏との関係が悪化している。

■消息不明だった王岐山の復活
中国の習近平国家主席は4月3日、共産党指導部メンバーらを引き連れて、北京郊外で行われた植樹のイベントに参加した。中国の国営中央テレビは同日午後7時のニュース番組で、トップニュースとしてその映像を流した。

注目されたのは、1ヵ月以上も消息不明だった国家副主席の王岐山氏が登場し、ほかの指導者と一緒にスコップで土を掘り、元気な姿を見せたことだ。

王氏は2月27日、訪中したセルビア副首相と会談して以降、公的な場に姿を見せなくなった。中国の主要指導者が参加する一連の重要会議を欠席しただけではなく、訪中した外国の指導者との会見や、国内のイベントにも出席しなくなった。「王氏は新型コロナウイルス肺炎にかかったのではないか」との噂も一時流れた。

その後、
複数の共産党筋によれば、王氏は習氏との対立が深刻化したため、不満表明のために重要行事をボイコットしていたという3月末に、習氏が大幅譲歩する形でようやく双方が手打ちし、王氏は党内抗争に勝利した

■「湖北省トップ更迭」の裏側

習氏と王氏の対立を裏付ける状況証拠はいくつもあった

まずは
王氏の側近で、湖北省の蒋超良・同省党委員会書記が2月中旬に更迭されたことだ。金融問題の専門家だった蒋氏は1990年代末のアジア金融危機の際、当時の広東省副省長の王氏の右腕として活躍したことをきっかけに政界入りし、国家開発銀行の頭取、吉林省長などを経て、2016年秋から湖北省のトップとなった。

昨年12月から湖北省でコロナウイルスの感染が拡大したことについて、蒋氏はすぐに党中央に報告したが、「公表するな」と指示されたため、黙殺した。その後、情報隠蔽の張本人と批判された。

習近平指導部は2月13日に蒋氏の更迭を発表した。その後、蒋氏は北京に呼び戻されて実質的に軟禁され、厳しい処罰も検討されたという。

こうした
現場の幹部に責任を押し付ける習氏のやり方に対し、蒋氏の後ろ盾である王氏は、大きな不満を持っていた

共産党内部に詳しい北京の関係者によれば、
蒋氏の扱いをめぐって王氏が習氏に何度も交渉を持ちかけたことが習氏の逆鱗に触れてしまい、二人の関係悪化は決定的になった。

■反・習近平の「檄文」が流れた
共産党の長老、姚依林元政治局常務委員の娘婿である王氏は、習氏と同じく元高級幹部子弟で構成される「太子党」とよばれるグループに所属し、習氏との関係は極めて良好だった。

一期目の習政権(2012~2017)では、王氏は党の規律部門を束ねて反腐敗キャンペーンを主導し、習氏の政敵を次々と失脚に追い込んだ。

2017年秋の党大会で、定年を超えた王氏は党の役職から退いたが、習氏に請われる形で外交と国際金融を担当する国家副主席に就任した。

しかし、その後に起きた
米中貿易戦争で、強硬姿勢を貫く習氏に対し王氏が不満を持ち、習氏も担当外のことに口出しする王氏を敬遠するようになり、二人の距離は少しずつ開いていった

今年の2月下旬王氏と関係の深い民営企業の海南航空が突然、国の管理下に置かれ、国有化される方針が固まった。海南航空は昨年から経営危機に陥っており、経営陣は立て直しに力を入れていたところだった。そこへ政府からいきなり専門家チームが送り込まれ、経営陣を奪った形となった。今後、旧経営陣の責任が追及され、捜査の手が王氏に及ぶ可能性もある。習氏による王氏への嫌がらせの一環ともいわれている。

一方で
ほぼ同じ時期に、海外の中国語サイトに、王氏に近い著名な企業家・任志強氏による「習近平批判」とも受け取れる文章が出回り、大きな話題となった。

■「皇帝の座にしがみつくピエロ」

文章は中国政府の新型コロナウイルス対策を厳しく批判し、感染が拡大した理由を「言論の自由がないためだ」と指摘した。習氏については名指しを避けながらも、「化けの皮がはがれても皇帝の座にしがみ付こうとしているピエロ」と揶揄し、「遠くない将来、共産党はこの悪夢から目が覚め、もう一度『四人組』を打倒し、この民族と国家を救うかもしれない」と予測した。

「四人組の打倒」とは、1976年10月、中国建国の父・毛沢東が死去した後、極左路線を推進する毛夫人の江青女史らが失脚させられた事件を指す。その後、政治の主導権を握った鄧小平グループは改革開放の道を歩み始め、高度経済成長を実現させた。

任氏がこの文章で念頭においている新しい「四人組」とは習氏とその側近の栗戦書・全国人民代表大会常務委員長北京市の蔡奇書記重慶市の陳爾書記の四人を指しているのではないかといわれている。任氏の文章は、読み方によっては、政変を呼び掛ける「檄文」とも受け止められる

任氏と王氏は中学時代からの付き合いで、近年もよく深夜に長電話をする仲として知られる。任氏はこれまでも政府に苦言を呈し話題を集めたことがあったが、今回の文章の内容はあまりにも過激なため、「背後にいる王氏の意図があるのではないか」ともいわれた。

任氏は3月12日ごろから、治安当局者に連行され一時連絡が取れなくなったが、3月末になってから北京郊外の施設にいることが判明し、家族とも連絡がとれるようになったという。

■コロナ「責任追及」の政局へ
共産党関係者によれば、
任氏が連行されたことは、党内外で大きな波紋を広げた任氏は企業家として国内で高い知名度があるだけではなく、多くの党長老とも親交があった

任氏と近い
企業家たちはすぐに連名で党中央に手紙を書き、任氏の解放を求めた。それから、党長老も習指導部に対し「多様な意見を容認すべきだ」との書簡を送ったという。

北京の共産党関係者によれば、習氏周辺は当初、任志強氏を起訴する予定だったが、党内の反発が想像よりはるかに大きかったため、断念した。今後、任氏は党内の処分にとどまる可能性が大きいといわれる。

習氏が王氏に妥協した背景には、近年の一連の失政に伴い、党内で習グループの孤立化が進んでいることと、これ以上敵を増やしたくないという思惑があるとみられる。

一方、今回の
党内の攻防に勝利した王氏にとっては収穫が大きい。今後、党内における王氏の影響力はさらに高まるだろう。

共産党関係者によれば、いまは感染症対策で中央も地方も手一杯だが、収束したあとは責任追及の政局になる可能性が高い。

■夏の「北戴河会議」が清算の場に
権力闘争が絶えない中国共産党の歴史を見ても、大躍進、文化大革命、天安門事件など、大きな問題が収束したあとには、必ず大粛清が始まる。場合によっては責任を取らされて党トップが降ろされることもある。

新型コロナウイルスの問題に関しては、
8月に河北省の避暑地で開かれる北戴河会議がその清算の場になるとみられる。国務院(政府)を率いる李首相や、地方指導者に責任を押し付けようとする習氏とその周辺に対し、「党のトップにこそ責任がある」と李首相や一部の党長老が反発し、激しい攻防になる可能性がある。

いままで
習氏と行動を共にしてきた王氏だが、今後は反習勢力と手を組む可能性もある。中国の政局がコロナ禍のあと、一気に流動化することは避けられない。

 武漢発の新型コロナウイルス感染。中国国内でも社会の混乱、経済低迷は深刻化しています。
 習近平国家主席とその周辺の危機管理能力の不足が露呈した形となり、失敗の責任をすべて下に押し付けようとする習氏のやり方に対し、党内の不満が高まっていると産経新聞台北支局長の矢板明夫氏。
 
 対抗勢力の共青団派の李克強首相に陣頭指揮をとらせる形で責任回避を狙った習近平でしたが、李克強の精力的な武漢視察などの動きに対し、鈍い動きで不評を買っていますね。
 共青団派との政局争いは当然なのですが、今回注目すべきは、王岐山の動向。
 
 王氏は2月27日、訪中したセルビア副首相と会談して以降、公的な場に姿を見せなくなっていたのですね。
 複数の共産党筋によれば、王氏は習氏との対立が深刻化したため、不満表明のために重要行事をボイコットしていた。3月末に、習氏が大幅譲歩する形でようやく双方が手打ちし、王氏は党内抗争に勝利したと矢板支局長。
 
 習氏と王氏の対立とは何か。
 まずは王氏の側近で、湖北省の蒋超良・同省党委員会書記が2月中旬に更迭されたことだと。
 金融問題の専門家だった蒋氏は1990年代末のアジア金融危機の際、当時の広東省副省長の王氏の右腕として活躍したことをきっかけに政界入りし、2016年秋から湖北省のトップとなっていた。
 昨年12月から湖北省でコロナウイルスの感染が拡大したことについて、蒋氏はすぐに党中央に報告したが、「公表するな」と指示されたため、黙殺した。ところがその後、情報隠蔽の張本人と批判されたのだそうです。
 習近平指導部は2月13日に蒋氏の更迭を発表し、蒋氏は北京に呼び戻されて実質的に軟禁。
 現場の幹部に責任を押し付ける習氏のやり方に対し、蒋氏の後ろ盾である王氏は、大きな不満を持った。蒋氏の扱いをめぐって王氏が習氏に何度も交渉を持ちかけたことが習氏の逆鱗に触れてしまい、二人の関係悪化は決定的になったのだそうです。
 王氏の汚職追放の御旗の下での政敵駆逐で独裁の地位を得た習近平は、自分も含めた定年制を廃止し、王氏を国家副主席に起用しました。
 ここまでは、二人の関係は蜜月。
 しかし、その後に起きた米中貿易戦争で、強硬姿勢を貫く習氏に対し王氏が不満を持ち、習氏も担当外のことに口出しする王氏を敬遠するようになり、二人の距離は少しずつ開いていったと矢板支局長。

 2月下旬、海外の中国語サイトに、王氏に近い著名な企業家・任志強氏による「習近平批判」とも受け取れる文章が出回り、大きな話題となったのだそうです。
 文章は中国政府の新型コロナウイルス対策を厳しく批判し、感染が拡大した理由を「言論の自由がないためだ」と指摘した。習氏については名指しを避けながらも、「化けの皮がはがれても皇帝の座にしがみ付こうとしているピエロ」と揶揄。
 「遠くない将来、共産党はこの悪夢から目が覚め、もう一度『四人組』を打倒し、この民族と国家を救うかもしれない」と予測したのだと。
 任氏の文章は、読み方によっては、政変を呼び掛ける「檄文」とも受け止められると矢板支局長。
 文章の内容はあまりにも過激なため、「背後にいる王氏の意図があるのではないか」ともいわれたのだそうですが、任氏は3月12日ごろから、治安当局者に連行され一時連絡が取れなくなったのだそうです。
 
 任氏が連行されたことは、党内外で大きな波紋を広げた。任氏は企業家として国内で高い知名度があるだけではなく、多くの党長老とも親交があった。
 任氏と近い企業家たちはすぐに連名で党中央に手紙を書き、任氏の解放を求めた。それから、党長老も習指導部に対し「多様な意見を容認すべきだ」との書簡を送ったのだと。
 習氏周辺は当初、任志強氏を起訴する予定だったが、党内の反発が想像よりはるかに大きかったため、断念したと。

 習氏が王氏に妥協した背景には、近年の一連の失政に伴い、党内で習グループの孤立化が進んでいることと、これ以上敵を増やしたくないという思惑があるとみられると矢板支局長。
 権力闘争が絶えない中国共産党の歴史を見ても、大きな問題が収束したあとには、必ず大粛清が始まる。新型コロナウイルスの問題に関しては、8月に河北省の避暑地で開かれる北戴河会議がその清算の場になるとみられると。
 
 李首相や、地方指導者に責任を押し付けようとする習氏とその周辺に対し、「党のトップにこそ責任がある」と李首相や一部の党長老が反発し、激しい攻防になる可能性があると矢板支局長。
 いままで習氏と行動を共にしてきた王氏だが、今後は反習勢力と手を組む可能性もあると。

 鄧小平を説得して、胡錦濤を江沢民総書記の後継者に推薦。胡錦涛の後継者に西北部で縁があった習仲勲の息子である習近平が指名される際も後ろ盾になってキングメーカーの役割を担ったとされ、中国共産党の最長老の一人で元老筆頭となってる宋平(ソン・ピン)も、反習近平の姿勢を示しているとの声も聞かれます。

 失政で孤立化してきた習近平。今後の中国の政局が注目されますね。



 # 冒頭の画像は、習近平とテドロスWHO事務局長
  党内からの反対派圧力に苦しむ中国の習近平主席 - Indo-Pacific Defense Forum




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