遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

中国・全人代 2カ月半遅れで開幕

2020-05-23 01:31:07 | 中国 全般
 中国の全国人民代表大会(全人代=国会)が、2か月半遅れで22日、北京で開幕しました。
 李克強首相が所信表明にあたる政府活動報告を行いましたが、遊爺が注目したのは2点。
 ひとつは、経済成長率の年間目標を設定しないと明言したこと。もうひとつは、「香港国家安全法」策定方針が今回の全人代に提起されたこと。
 新型コロナウイルスの武漢肺炎の第二波が懸念されるなか、米国をはじめとした各国からの発生源としての批難に対抗、かつ「新冷戦時代」での米国との覇権争いに勝利すべく「マスク外交」を展開する中国。
 習近平と反習近平派との抗争の台頭もみられ、注目された全人代でしたがその2点が顕在。
 3月10日に習近平が武漢を訪問して、「収束宣言」しましたが、そのあたりの強いアピールと、米国をはじめとする諸外国からの批難への対抗といったことへの話は表面には出てきませんでしたね。
 
[社説]成長率目標見送った中国の危機意識 (写真=共同) :日本経済新聞 2020/5/22

2カ月半遅れで開幕した中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で李克強首相は今年、経済成長率の年間目標を設定しないと明言した。中国から世界に波及した新型コロナウイルス禍の経済・貿易への影響は、今後も予測困難という分析からである。

李首相は感染症との戦いでの大きな成果をうたう半面、緊急対応での脆弱性など反省点にも触れた。経済面でも目下の危機からの脱却を最優先する現実的な方針は理解できる。中国は過去の社会主義計画経済時代に実情を無視して無理な成長を追い求め、失敗した経験もあるのだ。

ただ、
今年の国内総生産(GDP)を10年前に比べ2倍にする政治公約達成のハードルはかなり上がった。今後は中国が世界経済をけん引するイメージも変わりうる。習近平指導部にとっては大きな試練になる。

中国経済は1~3月期にマイナス6.8%に落ち込んだ。感染のピークを超した4月以降は徐々に経済活動が再開したものの、防疫の常態化に伴う様々な規制が残っており、生産、消費回復の足かせになっている。

景気対策の柱は財政出動と減税機動的な金融政策、新産業育成だ。財政赤字率の上昇を容認し、地方政府のインフラ債券発行も増やす。財政赤字に算入しない「特別国債」も1兆元発行する。

雇用は極めて厳しい。今夏の大学新卒者は870万人以上だ。雇用確保のためにも対米経済・貿易関係の安定が急務である。李首相は演説で1月に署名した米中「第1段階合意」の履行を強調した。履行の行方は世界経済への影響も大きいだけに注視したい。

20年予算案の
国防費は1兆2680億元(中央政府分、約19兆円)となり、前年比の伸び率は6.6%だった。前の年の伸び率7.5%は下回ったが、困難な経済と関係なく過去最高額になった。各国が感染症対策に追われるなか、軍備増強に動く中国の姿勢には厳しい視線が向けられている。

昨年から
デモが続く香港情勢を巡っては、国家分裂などの行為を禁じる「香港国家安全法」策定方針が今回の全人代に提起された。あまりに突然である。香港の人々の不安を一段とあおるばかりではなく、自由を重んじる香港の経済にも打撃になりかねない。中央政府は22日の香港株暴落の意味を深刻に受け止めるべきだ

 一番驚いたのは、経済成長率の年間目標設定を見送ったこと。
 それだけ打撃が大きく混乱しているということなのですね。
 中国に限らず、世界中のどこの国も同様ですが、共産主義国の中国でも重要指標設定見送りをするのかと驚きました。
 当然、今年の国内総生産(GDP)を10年前に比べ2倍にする政治公約達成のハードルも高くなった。
 
 1~3月期にマイナス6.8%に落ち込んだ中国経済。
 景気対策の柱は財政出動と減税、機動的な金融政策、新産業育成だと。
 ここでは詳しく触れませんが。民間企業の国有化もすすめるのだとか。

 雇用が厳しいのは、政権へのダメージは大きいでしょうね。
 貧富の差が激しい(共産主義は格差のない平等社会がうたい文句のはずですが)格差社会ですが、高度経済成長では、貧困層でもそれなりに成長の恩恵はあるので格差への不満は顕在化しないのですが、成長率が低迷すると、格差問題は顕在化しますね。

 国防費は、前年比の伸び率は6.6%で、前年の伸び率7.5%は下回ったが、困難な経済と関係なく過去最高額になったのだそうです。

 そして香港のデモ。武漢肺炎感染騒動で、すっかり報道が影を潜め、現状が解らなくなっていますが、国家分裂などの行為を禁じる「香港国家安全法」策定方針が今回の全人代に提起されたのだと。
 新型コロナ感染初動への世界各国からの批難と併せて、各国からの批難が高まることになりますし、コロナウイルス感染だけでなく、香港情勢の報道、尖閣諸島近海への頻度を増している「海監」の侵入等ももっと取り上げていただきたい。

 世界中での新型コロナウイルス感染拡大の中、その感染源の中国が、虎視眈々と覇権拡大を狙い、進めている。
 日本もしっかり注視し、国際社会にその非を訴える声を揚げねばなりませんね。

 アフターコロナの米中「新冷戦」の展望記事。
 中国側から観た富阪氏の見解。
 アフターコロナ「中国の野望」はトランプの自滅で動き出す

 米国側から観た石平氏の見解。
 「世界規模の大量殺人だ」トランプ大統領、中国を名指しで痛烈批判! 全人代開催見据え揺さぶり…習政権「経済失速・台湾問題・感染第2波」の“三重苦”に (1/3ページ) - zakzak:夕刊フジ公式サイト



 # 冒頭の画像は、全人代での習近平と李克強




  この花の名前は、十月桜


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