米国ではバイデン大統領の実現を果たした民主党と主要メディアが、なおトランプ前大統領陣営への攻撃を続けていますね。トランプ氏弾劾などへの支持層からの抗議を検証もなく、「ウソ」と決めつける。新大統領が訴えた「団結」の言葉とは対照的に、すでに退任した前大統領をさらに解任しようという異様な弾劾訴追が進められています。
新型コロナ感染拡大が生じる以前は、好調な経済と、対中「新冷戦時代」を優位に展開していたトランプ氏が、左派・社会主義者の台頭で候補が乱立する民主党に圧勝と目されていましたが、コロナウイルスの感染拡大で世情不安が拡大し、偽札犯の黒人が警察官に絞殺される事件を発端に、元々米国社会に存在する人種差別問題が炎上。
そうした社会不安と分断で生じた反トランプ票を獲得する為に、民主党左派・社会主義者勢の有力候補のサンダース氏が降りて、人畜無害のバイデン氏を神輿に担ぎ反トランプ票の獲得戦術を採り、それが見事に的中。バイデン政権が誕生しました。
その、左派・社会主義勢が主導する民主党のバイデン政権がスタートしましたが、米国の国内、日米関係、世界情勢、なによりも世界を、自由主義陣営と独裁主義の覇権拡大国家が支配する陣営との、米中が代表する「新冷戦時代」の行方が注目されます。
国を分断させたのは、トランプ氏を「悪魔化」させた「リベラル」だと説くのは、大和大学政治経済学部准教授の岩田温氏。
【日本の選択】バイデン大統領就任演説の白々しさ 国を分断させたのは「リベラル」、トランプ氏を「悪魔化」して「結束」はあり得ない (1/2ページ) - zakzak:夕刊フジ公式サイト
トランプ叩きの中でも、否定されにくいのはトランプ前政権のわが日本への政策である。民主党や主要メディアのトランプ政策の否定の中で、対日政策や対日関係だけは触れ難い聖域のようだと、トランプ氏との日米関係強い絆を回顧するのは、産経ワシントン駐在客員特派員の古森氏。
【緯度経度】実績残したトランプ氏の対日政策 古森義久 - 産経ニュース
産経の編集委員兼論説委員の河村直哉氏が、今後の日米関係について解説しておられます。
バイデン米大統領の就任に関し菅首相は「日米同盟をさらに強固にしていきたい」と語ったが、文頭に「独立国として」という言葉があってしかるべきであると河村氏。
菅首相を批判するのではない。日米同盟は日本の戦後体制の大前提となってきた方針。
独立国ならば主権を持ち国民と領域を自主的に統治しなければならない。しかし日本はアメリカが作った憲法によって十全にそれができない。だから安全保障のかなりの部分をアメリカに頼らざるを得ない。同盟関係をさらに強固にするには、「独立国として」の日本と米国の関係への発展が必要ということなのですね。
独立国ならば主権を持ち国民と領域を自主的に統治しなければならない。しかし日本はアメリカが作った憲法によって十全にそれができない。だから安全保障のかなりの部分をアメリカに頼らざるを得ないのが現状だと。
戦後日本とは実質的には、主権を制限された半独立国であると言わざるを得ないと。
こうした批判は主として左派からなされてきた。しかし、注意すべきは、こうした批判が往々にして、日米という自由主義国の離間策となって現れてきたことだと。
そのような離間策に乗って日米関係を傷つけてはいけないと河村氏。
日米同盟は日本だけでなく、世界の安定に尽くす国際公共財である。
日本は自由主義国の一員として、「強固な日米同盟」を維持していくのが現実的だと。
ただしそれは、日本が実質的には半独立国であるという自覚を欠いたものであってはならない。それを自覚しなければ、日本は国家としての弱さを克服できない。日本は毅然とした独立国であるべきなのだと河村氏。
バイデン新政権が具体的にどのようなアジア政策を打ち出してくるかは、現段階ではわからない。
就任演説では世界に向けて、同盟の修復を語ったが、それは主に、トランプ政権時代に崩れた欧州諸国との関係を念頭に置いたものと言われていますね。
昨年12月の米ニューヨーク・タイムズ(NYT)紙のインタビューでも、中国に対して同盟国を重視する姿勢を示した。だが対中強硬ではない。政権メンバーの発言などを見ても、中国に対する一定の距離は保たれそうだが、楽観はできないと河村氏。
就任演説でバイデン氏は「結束」を強調するなど、分断を修復しようとする融和的な姿勢が目立った。
中国外務省報道官は「結束」について触れ、それこそ「現在の中米関係が必要としているもの」とした。中国は氏の融和的な姿勢に付け込む機会をうかがうだろう。そうした戦術を中国が得意とすることは、古典兵法に見る通りであると。
バイデン氏は、日本と中国・韓国の対立が激しくなっていた2013年12月、副大統領として来日。安倍首相(当時)に、靖国神社に参拝しないよう提案した。しかし、安倍氏は同年末、靖国に参拝し、米政府は「失望」を表明するといったことがありました。
靖国参拝は、国家のリーダーとして当然のことである。国際的な融和について、バイデン氏の認識は甘いと言わざるを得ないと河村氏。
また、2016年には、「核保有国になり得ないとする日本国憲法を、私たちが書いたことを彼(トランプ氏)は知らないのか」との発言も。
その通りなのだが、副大統領の地位にある人間が日本への影響を考えずにあっけらかんと口にすること自体、当人の日本認識の浅さを示しているとも。
「強固な日米同盟」という言葉には、(含まれる意味は多様で、)日本人として悲しい歴史を直視したうえで、相互に独立した国としての同盟でなければならないと河村氏。
同感です。
ホワイトハウスの米国家安全保障会議(NSC)に新設された「インド太平洋調整官」にカート・キャンベル大統領副補佐官(国家安全保障担当・64)が就任しました。
ジャーナリストの歳川氏が、解説していただいています。
「知日派」の同氏が、バイデン外交の焦点である米中技術覇権をめぐり、従来の対中強硬姿勢を堅持しているとして、日本では外交当局を含めメディアは一様に歓迎している。
本当にキャンベル氏は「反中・親日」なのかと、歳川氏。
バイデン政権内で外交・安保政策の分担が在る中で、アジア痛のウェンディ・シャーマン国務副長官との“棲み分け”がハッキリしないのだそうです。
また、キャンベル氏夫人のラエル・ブレイナード元財務次官(国際担当)が民主党内左派の反対で外れたことから、その代償として、新設のインド太平洋調整官に据えたとの見方もあるのだと。
総じて対中融和路線の印象が拭えず、オバマ政権の「戦略的忍耐」のDNAを継承しているのではないか。不安だと歳川氏。
バイデン氏の「日本認識の浅さ」が反映されているのでしょうか。
# 冒頭の画像は、カート・キャンベル大統領副補佐官
この花の名前は、バイカオウレン
2月 7日は、北方領土の日
政府広報(北方領土問題) - YouTube
↓よろしかったら、お願いします。
新型コロナ感染拡大が生じる以前は、好調な経済と、対中「新冷戦時代」を優位に展開していたトランプ氏が、左派・社会主義者の台頭で候補が乱立する民主党に圧勝と目されていましたが、コロナウイルスの感染拡大で世情不安が拡大し、偽札犯の黒人が警察官に絞殺される事件を発端に、元々米国社会に存在する人種差別問題が炎上。
そうした社会不安と分断で生じた反トランプ票を獲得する為に、民主党左派・社会主義者勢の有力候補のサンダース氏が降りて、人畜無害のバイデン氏を神輿に担ぎ反トランプ票の獲得戦術を採り、それが見事に的中。バイデン政権が誕生しました。
その、左派・社会主義勢が主導する民主党のバイデン政権がスタートしましたが、米国の国内、日米関係、世界情勢、なによりも世界を、自由主義陣営と独裁主義の覇権拡大国家が支配する陣営との、米中が代表する「新冷戦時代」の行方が注目されます。
国を分断させたのは、トランプ氏を「悪魔化」させた「リベラル」だと説くのは、大和大学政治経済学部准教授の岩田温氏。
【日本の選択】バイデン大統領就任演説の白々しさ 国を分断させたのは「リベラル」、トランプ氏を「悪魔化」して「結束」はあり得ない (1/2ページ) - zakzak:夕刊フジ公式サイト
トランプ叩きの中でも、否定されにくいのはトランプ前政権のわが日本への政策である。民主党や主要メディアのトランプ政策の否定の中で、対日政策や対日関係だけは触れ難い聖域のようだと、トランプ氏との日米関係強い絆を回顧するのは、産経ワシントン駐在客員特派員の古森氏。
【緯度経度】実績残したトランプ氏の対日政策 古森義久 - 産経ニュース
産経の編集委員兼論説委員の河村直哉氏が、今後の日米関係について解説しておられます。
【河村直哉の時事論】「強固な日米同盟」だけでは不十分 日本はその先を考えよ - 産経ニュース 2021.1.26
おそらく筆者の意見は少数派であろうことを踏まえたうえで、しかし正論と思うところを書く。バイデン米大統領の就任に関し菅義偉(すが・よしひで)首相は「日米同盟をさらに強固にしていきたい」と語った。それはよい。だが十分ではない。文頭に「独立国として」という言葉があってしかるべきである。
半独立国
菅首相を批判するのではない。明言されるにせよされないにせよ、また旧民主党政権のような迷走もあったにせよ、日米同盟は日本の戦後体制の大前提となってきた方針である。
戦後体制は、サンフランシスコ講和条約で敗戦国日本が「独立」を回復した昭和27年に始まっている。講和条約発効と同じ日に旧日米安保条約も発効した。
独立国ならば主権を持ち国民と領域を自主的に統治しなければならない。しかし日本はアメリカが作った憲法によって十全にそれができない。だから安全保障のかなりの部分をアメリカに頼らざるを得ない。
これらは、常識ある日本人なら知識としてだけでなく、肌感覚としてわきまえておくべきことがらである。なぜ日本に広大な外国軍の施設が存在するのか。その移設をめぐり、なぜ日本人同士が激しく対立しなければならないのか。かの国の軍人らはなぜ、地位協定によって治外法権的な地位を許されるのか。
横田空域の問題も、身近なものである。首都圏を含む広大な空域は東京・横田基地の米軍の管制下にある。だから羽田空港発着の民間旅客機は迂回(うかい)ルートを取らなければならない。
日本はさまざまな形で現在も不断に主権を制限されている。戦後日本とは実質的には、主権を制限された半独立国であると言わざるを得ないのである。
従属国家論
戦後日本では、こうした批判は主として左派からなされてきた。たとえば旧社会党の昭和30年の綱領は日本の現状を「アメリカに従わざるを得ない事態」とした。共産党の同36年の綱領も「アメリカ帝国主義になかば占領された事実上の従属国」とした。
注意すべきは、こうした批判が戦後往々にして、日米という自由主義国の離間策となって現れてきたことである。1960年安保闘争などはその最たるものだろう。そのような離間策に乗って日米関係を傷つけてはいけない。
日米同盟は日本だけでなく、世界の安定に尽くす国際公共財である。また、日本がアメリカを助ける義務を負わないといういわゆる片務性論についても、集団的自衛権の限定行使容認によって、より双務性を持たせられてきた。日本は自由主義国の一員として、「強固な日米同盟」を維持していくのが現実的である。
ただしそれは、日本が実質的には半独立国であるという自覚を欠いたものであってはならない。この自覚は悲しいものである。しかしそれを自覚しなければ、日本は国家としての弱さを克服できない。この国が古(いにしえ)からそうだったように、日本は毅然(きぜん)とした独立国であるべきなのだ。
歴史を直視して
バイデン新政権が具体的にどのようなアジア政策を打ち出してくるかは、現段階ではわからない。就任演説では世界に向けて、同盟の修復を語った。昨年12月の米ニューヨーク・タイムズ(NYT)紙のインタビューでも、中国に対して同盟国を重視する姿勢を示した。だが対中強硬ではない。政権メンバーの発言などを見ても、中国に対する一定の距離は保たれそうだが、楽観はできない。
就任演説でバイデン氏は「結束」を強調するなど、分断を修復しようとする融和的な姿勢が目立った。中国外務省報道官は「結束」について触れ、それこそ「現在の中米関係が必要としているもの」とした。中国は氏の融和的な姿勢に付け込む機会をうかがうだろう。そうした戦術を中国が得意とすることは、古典兵法に見る通りである。
加えていえば、日本と中国・韓国の対立が激しくなっていた平成25(2013)年12月、バイデン氏は副大統領として来日した。当時のNYT紙によると氏は安倍晋三前首相に、靖国神社に参拝しないよう提案した。安倍氏は同年末、靖国に参拝し、米政府は「失望」を表明した。
靖国参拝は、国家のリーダーとして当然のことである。国際的な融和について、バイデン氏の認識は甘いと言わざるを得ない。
氏は2016年、こうも述べた。「核保有国になり得ないとする日本国憲法を、私たちが書いたことを彼(トランプ氏)は知らないのか」。その通りなのだが、副大統領の地位にある人間が日本への影響を考えずにあっけらかんと口にすること自体、当人の日本認識の浅さを示している。
日本人として悲しい歴史を直視したうえでの、「強固な日米同盟」でなければならない。相互に独立した国としての同盟でなければならない。
(編集委員兼論説委員)
おそらく筆者の意見は少数派であろうことを踏まえたうえで、しかし正論と思うところを書く。バイデン米大統領の就任に関し菅義偉(すが・よしひで)首相は「日米同盟をさらに強固にしていきたい」と語った。それはよい。だが十分ではない。文頭に「独立国として」という言葉があってしかるべきである。
半独立国
菅首相を批判するのではない。明言されるにせよされないにせよ、また旧民主党政権のような迷走もあったにせよ、日米同盟は日本の戦後体制の大前提となってきた方針である。
戦後体制は、サンフランシスコ講和条約で敗戦国日本が「独立」を回復した昭和27年に始まっている。講和条約発効と同じ日に旧日米安保条約も発効した。
独立国ならば主権を持ち国民と領域を自主的に統治しなければならない。しかし日本はアメリカが作った憲法によって十全にそれができない。だから安全保障のかなりの部分をアメリカに頼らざるを得ない。
これらは、常識ある日本人なら知識としてだけでなく、肌感覚としてわきまえておくべきことがらである。なぜ日本に広大な外国軍の施設が存在するのか。その移設をめぐり、なぜ日本人同士が激しく対立しなければならないのか。かの国の軍人らはなぜ、地位協定によって治外法権的な地位を許されるのか。
横田空域の問題も、身近なものである。首都圏を含む広大な空域は東京・横田基地の米軍の管制下にある。だから羽田空港発着の民間旅客機は迂回(うかい)ルートを取らなければならない。
日本はさまざまな形で現在も不断に主権を制限されている。戦後日本とは実質的には、主権を制限された半独立国であると言わざるを得ないのである。
従属国家論
戦後日本では、こうした批判は主として左派からなされてきた。たとえば旧社会党の昭和30年の綱領は日本の現状を「アメリカに従わざるを得ない事態」とした。共産党の同36年の綱領も「アメリカ帝国主義になかば占領された事実上の従属国」とした。
注意すべきは、こうした批判が戦後往々にして、日米という自由主義国の離間策となって現れてきたことである。1960年安保闘争などはその最たるものだろう。そのような離間策に乗って日米関係を傷つけてはいけない。
日米同盟は日本だけでなく、世界の安定に尽くす国際公共財である。また、日本がアメリカを助ける義務を負わないといういわゆる片務性論についても、集団的自衛権の限定行使容認によって、より双務性を持たせられてきた。日本は自由主義国の一員として、「強固な日米同盟」を維持していくのが現実的である。
ただしそれは、日本が実質的には半独立国であるという自覚を欠いたものであってはならない。この自覚は悲しいものである。しかしそれを自覚しなければ、日本は国家としての弱さを克服できない。この国が古(いにしえ)からそうだったように、日本は毅然(きぜん)とした独立国であるべきなのだ。
歴史を直視して
バイデン新政権が具体的にどのようなアジア政策を打ち出してくるかは、現段階ではわからない。就任演説では世界に向けて、同盟の修復を語った。昨年12月の米ニューヨーク・タイムズ(NYT)紙のインタビューでも、中国に対して同盟国を重視する姿勢を示した。だが対中強硬ではない。政権メンバーの発言などを見ても、中国に対する一定の距離は保たれそうだが、楽観はできない。
就任演説でバイデン氏は「結束」を強調するなど、分断を修復しようとする融和的な姿勢が目立った。中国外務省報道官は「結束」について触れ、それこそ「現在の中米関係が必要としているもの」とした。中国は氏の融和的な姿勢に付け込む機会をうかがうだろう。そうした戦術を中国が得意とすることは、古典兵法に見る通りである。
加えていえば、日本と中国・韓国の対立が激しくなっていた平成25(2013)年12月、バイデン氏は副大統領として来日した。当時のNYT紙によると氏は安倍晋三前首相に、靖国神社に参拝しないよう提案した。安倍氏は同年末、靖国に参拝し、米政府は「失望」を表明した。
靖国参拝は、国家のリーダーとして当然のことである。国際的な融和について、バイデン氏の認識は甘いと言わざるを得ない。
氏は2016年、こうも述べた。「核保有国になり得ないとする日本国憲法を、私たちが書いたことを彼(トランプ氏)は知らないのか」。その通りなのだが、副大統領の地位にある人間が日本への影響を考えずにあっけらかんと口にすること自体、当人の日本認識の浅さを示している。
日本人として悲しい歴史を直視したうえでの、「強固な日米同盟」でなければならない。相互に独立した国としての同盟でなければならない。
(編集委員兼論説委員)
バイデン米大統領の就任に関し菅首相は「日米同盟をさらに強固にしていきたい」と語ったが、文頭に「独立国として」という言葉があってしかるべきであると河村氏。
菅首相を批判するのではない。日米同盟は日本の戦後体制の大前提となってきた方針。
独立国ならば主権を持ち国民と領域を自主的に統治しなければならない。しかし日本はアメリカが作った憲法によって十全にそれができない。だから安全保障のかなりの部分をアメリカに頼らざるを得ない。同盟関係をさらに強固にするには、「独立国として」の日本と米国の関係への発展が必要ということなのですね。
独立国ならば主権を持ち国民と領域を自主的に統治しなければならない。しかし日本はアメリカが作った憲法によって十全にそれができない。だから安全保障のかなりの部分をアメリカに頼らざるを得ないのが現状だと。
戦後日本とは実質的には、主権を制限された半独立国であると言わざるを得ないと。
こうした批判は主として左派からなされてきた。しかし、注意すべきは、こうした批判が往々にして、日米という自由主義国の離間策となって現れてきたことだと。
そのような離間策に乗って日米関係を傷つけてはいけないと河村氏。
日米同盟は日本だけでなく、世界の安定に尽くす国際公共財である。
日本は自由主義国の一員として、「強固な日米同盟」を維持していくのが現実的だと。
ただしそれは、日本が実質的には半独立国であるという自覚を欠いたものであってはならない。それを自覚しなければ、日本は国家としての弱さを克服できない。日本は毅然とした独立国であるべきなのだと河村氏。
バイデン新政権が具体的にどのようなアジア政策を打ち出してくるかは、現段階ではわからない。
就任演説では世界に向けて、同盟の修復を語ったが、それは主に、トランプ政権時代に崩れた欧州諸国との関係を念頭に置いたものと言われていますね。
昨年12月の米ニューヨーク・タイムズ(NYT)紙のインタビューでも、中国に対して同盟国を重視する姿勢を示した。だが対中強硬ではない。政権メンバーの発言などを見ても、中国に対する一定の距離は保たれそうだが、楽観はできないと河村氏。
就任演説でバイデン氏は「結束」を強調するなど、分断を修復しようとする融和的な姿勢が目立った。
中国外務省報道官は「結束」について触れ、それこそ「現在の中米関係が必要としているもの」とした。中国は氏の融和的な姿勢に付け込む機会をうかがうだろう。そうした戦術を中国が得意とすることは、古典兵法に見る通りであると。
バイデン氏は、日本と中国・韓国の対立が激しくなっていた2013年12月、副大統領として来日。安倍首相(当時)に、靖国神社に参拝しないよう提案した。しかし、安倍氏は同年末、靖国に参拝し、米政府は「失望」を表明するといったことがありました。
靖国参拝は、国家のリーダーとして当然のことである。国際的な融和について、バイデン氏の認識は甘いと言わざるを得ないと河村氏。
また、2016年には、「核保有国になり得ないとする日本国憲法を、私たちが書いたことを彼(トランプ氏)は知らないのか」との発言も。
その通りなのだが、副大統領の地位にある人間が日本への影響を考えずにあっけらかんと口にすること自体、当人の日本認識の浅さを示しているとも。
「強固な日米同盟」という言葉には、(含まれる意味は多様で、)日本人として悲しい歴史を直視したうえで、相互に独立した国としての同盟でなければならないと河村氏。
同感です。
ホワイトハウスの米国家安全保障会議(NSC)に新設された「インド太平洋調整官」にカート・キャンベル大統領副補佐官(国家安全保障担当・64)が就任しました。
ジャーナリストの歳川氏が、解説していただいています。
【歳川隆雄 永田町・霞が関インサイド】バイデン政権の対中姿勢に不安 「インド太平洋調整官」就いたキャンベル氏は本当に「反中・親日」か (1/2ページ) - zakzak:夕刊フジ公式サイト 2921.1.26
厳戒態勢下の首都ワシントンで20日、第46代米国大統領にジョー・バイデン氏(78)が就任した。昨秋の米大統領選後、3カ月にわたって上演された「トランプ寸劇」は、米憲政史上前代未聞の「米議会占拠事件」を引き起こしたことで、あっけない幕切れで終わった。
そもそも、シナリオ不在で緞帳(どんちょう)が上がったうえに、主役のドナルド・トランプ前大統領がセリフすらおぼつかない状態で舞台に立ったことで、端からカーテンコールなど期待できるものではなかった。
この「寸劇」上演の強行が「米国の分断」をさらに加速させたことは確かだ。それはともかく、バイデン政権がスタートした。
本稿では先週に続き、ホワイトハウスの米国家安全保障会議(NSC)に新設された「インド太平洋調整官」に就いたカート・キャンベル大統領副補佐官(国家安全保障担当・64)について言及する。
「知日派」の同氏が、バイデン外交の焦点である米中技術覇権をめぐり、従来の対中強硬姿勢を堅持しているとして、日本では外交当局を含めメディアは一様に歓迎している。
本当にキャンベル氏は「反中・親日」なのか。
まず、バイデン政権内で外交・安保政策の分担がどうなっているのか。
アントニー・ブリンケン国務長官(58)の当面の関心は、トランプ時代に悪化した欧州連合(EU)との関係修復である。キャンベル氏の直属の上司となるジェイク・サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当・44)は、イラン核合意復帰など新たな中東政策に専念する。
ウェンディ・シャーマン国務副長官(71)はクリントン政権時代に北朝鮮特使として当時の金正日(キム・ジョンイル)総書記と会談するなどアジア通であるが、オバマ政権の国務次官(政治担当)時代の直属の部下だったキャンベル氏との“棲み分け”がハッキリしない。
加えて、財務長官が有力視されたキャンベル氏夫人のラエル・ブレイナード元財務次官(国際担当)が民主党内左派の反対で外れたことから、その代償として、新設のインド太平洋調整官に据えたとの見方もある。
さて、肝心のキャンベル氏である。外交専門誌「フォーリン・アフェアーズ」(1月12日配信)に寄稿した論文で、アジアの新秩序確立のため、(1)再均衡への修復(2)正統性の回復(3)連携の促進-を挙げた。
だが、総じて対中融和路線の印象が拭えず、オバマ政権の「戦略的忍耐」のDNAを継承しているのではないか。不安だ。(ジャーナリスト・歳川隆雄)
厳戒態勢下の首都ワシントンで20日、第46代米国大統領にジョー・バイデン氏(78)が就任した。昨秋の米大統領選後、3カ月にわたって上演された「トランプ寸劇」は、米憲政史上前代未聞の「米議会占拠事件」を引き起こしたことで、あっけない幕切れで終わった。
そもそも、シナリオ不在で緞帳(どんちょう)が上がったうえに、主役のドナルド・トランプ前大統領がセリフすらおぼつかない状態で舞台に立ったことで、端からカーテンコールなど期待できるものではなかった。
この「寸劇」上演の強行が「米国の分断」をさらに加速させたことは確かだ。それはともかく、バイデン政権がスタートした。
本稿では先週に続き、ホワイトハウスの米国家安全保障会議(NSC)に新設された「インド太平洋調整官」に就いたカート・キャンベル大統領副補佐官(国家安全保障担当・64)について言及する。
「知日派」の同氏が、バイデン外交の焦点である米中技術覇権をめぐり、従来の対中強硬姿勢を堅持しているとして、日本では外交当局を含めメディアは一様に歓迎している。
本当にキャンベル氏は「反中・親日」なのか。
まず、バイデン政権内で外交・安保政策の分担がどうなっているのか。
アントニー・ブリンケン国務長官(58)の当面の関心は、トランプ時代に悪化した欧州連合(EU)との関係修復である。キャンベル氏の直属の上司となるジェイク・サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当・44)は、イラン核合意復帰など新たな中東政策に専念する。
ウェンディ・シャーマン国務副長官(71)はクリントン政権時代に北朝鮮特使として当時の金正日(キム・ジョンイル)総書記と会談するなどアジア通であるが、オバマ政権の国務次官(政治担当)時代の直属の部下だったキャンベル氏との“棲み分け”がハッキリしない。
加えて、財務長官が有力視されたキャンベル氏夫人のラエル・ブレイナード元財務次官(国際担当)が民主党内左派の反対で外れたことから、その代償として、新設のインド太平洋調整官に据えたとの見方もある。
さて、肝心のキャンベル氏である。外交専門誌「フォーリン・アフェアーズ」(1月12日配信)に寄稿した論文で、アジアの新秩序確立のため、(1)再均衡への修復(2)正統性の回復(3)連携の促進-を挙げた。
だが、総じて対中融和路線の印象が拭えず、オバマ政権の「戦略的忍耐」のDNAを継承しているのではないか。不安だ。(ジャーナリスト・歳川隆雄)
「知日派」の同氏が、バイデン外交の焦点である米中技術覇権をめぐり、従来の対中強硬姿勢を堅持しているとして、日本では外交当局を含めメディアは一様に歓迎している。
本当にキャンベル氏は「反中・親日」なのかと、歳川氏。
バイデン政権内で外交・安保政策の分担が在る中で、アジア痛のウェンディ・シャーマン国務副長官との“棲み分け”がハッキリしないのだそうです。
また、キャンベル氏夫人のラエル・ブレイナード元財務次官(国際担当)が民主党内左派の反対で外れたことから、その代償として、新設のインド太平洋調整官に据えたとの見方もあるのだと。
総じて対中融和路線の印象が拭えず、オバマ政権の「戦略的忍耐」のDNAを継承しているのではないか。不安だと歳川氏。
バイデン氏の「日本認識の浅さ」が反映されているのでしょうか。
# 冒頭の画像は、カート・キャンベル大統領副補佐官
この花の名前は、バイカオウレン
2月 7日は、北方領土の日
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