遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

しかるべき時が来ればフィリピンは必ず日本の側に立っています

2016-10-27 23:58:58 | EEZ 全般
 フィリピンのドゥテルテ大統領が来日、注目に応えるような言動も残し、帰国されました。天皇陛下との面談が、三笠宮さまのご逝去で喪に服されたことで中止になったのは残念でした。
 一連のドゥテルテ大統領の発言の中で、遊爺が最も注目するのは、「日本とフィリピンは領有権問題で同じような状況にある。どうぞご安心ください。しかるべき時が来ればフィリピンは必ず日本の側に立っています。」と言う発言です。南シナ海で日中が(米も含みますが)、仲裁裁判所の裁定(フィリピンが原告)遵守=国際法の遵守を巡って対立していることへの説明です。
 訪日で注目されていることは何かに、いち早く、ストレートに答えたのですね。中国訪問時、そして帰国時と変遷した発言。そして訪日。その目的が、経済支援の獲得であることも、正直に表明しておられます。

 外交デビューし、言動に注目を集めるドゥテルテ政権。米中を天秤にかけ、日本も絡ませて、自国の利益を最大限獲得しようとする方向が明らかになってきましたね。しかしそれは、度々指摘させていただいている様に、韓国の北東アジアのバランサーをめざして「均衡論」を唱えた盧武鉉大統領(当時)や、経済と安全保障を分離し、米中間でコウモリ外交を展開してきた朴槿恵大統領の結果が示すように、何時までも続けられるものではなく、とても難しい外交です。
 

比、経済実利を追求 首脳会談 日中を「両てんびん」 対米・安保と切り離し (10/28 読売朝刊)

 フィリピンのドゥテルテ大統領は26日、安倍首相との首脳会談で、日本との経済関係を最重要視する考えを鮮明にした。自らの政権基盤を固めるため、南シナ海問題を巡って対立する日本と中国を競わせて経済協力を引き出す狙いがあるようだ
。(台北支局 向井ゆう子、中国総局 蒔田一彦)

本音
 「
時が来たら、常に日本の側に立つつもりだ

 ドゥテルテ氏は安倍首相の前で、南シナ海を巡って景気のいい「リップサービス」を繰り広げた。だが、
本音がのぞいたのは、このひと言。「各国に私が出かけているのは、貿易と商業のためだ
」だった。
 両首脳はこの日、大型巡視船2隻の供与やドゥテルテ氏の地元であるミンダナオ島の経済活動活性化を図るための計
約214億円の円借款で合意した。ドゥテルテ氏は首脳会談で、「何をもらって何をあげるかという問題ではない。あくまでも貿易と友情だ」
とも言及し、日本からの経済協力が、フィリピンの対米関係や安全保障上の立場を拘束するとは限らないとの姿勢も示唆してみせた。
 フィリピンは友好関係にある日本とは、すでに密接な経済関係を築いている。だが、ドゥテルテ氏は就任以来、
最も緊密な関係だった米国と距離を置くことで、中国の信頼を勝ち取り、日中双方から最大限の実利を得ようとしている

 日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、2006~15年の対フィリピン直接投資は、日本が約100億ドル(約1兆440億円)、米国が69億ドルなのに対し、中国は13億ドル。経済協力開発機構(OECD)によると、日本は経済協力で最大の支援国で、米国も例年、2、3位につけている。外交関係の悪化で中国からは支援が滞っていた。

政経分離
 中国は習近平国家主席とドゥテルテ氏との会談を受け、貿易、インフラ(社会基盤)整備など総額240億ドルに上る規模の経済協力で合意した。フィリピン経済はこの数年、年平均6%成長と好調を維持しているが、日本からの支援強化に加えて「チャイナ・マネー」が流入し、経済がさらに飛躍すれば、庶民からの支持に支えられている国内の政権基盤がさらに強化されるとの見方も出ている。
 「両てんびん」の片方となった形の中国をおもんぱかってか、ドゥテルテ氏は26日、
都内で開かれた2件の経済イベントで、「中国の友人でありたい」とのメッセージを送り、「米国の助けがなくても生きていける」と言い放った

 ドゥテルテ氏の立ち回り方からは「政経分離」の狙いが透けて見えてくる。だが、
外交経験が一切ないドゥテルテ氏の手法は「危険なゲーム」
でもある。中国側にも「安全保障を米国に依存するフィリピンの国策は簡単に変わらない」(中国紙)との冷徹な見方もあり、中国政府が今後のドゥテルテ氏の動向を慎重に見極め、経済支援の度合いを変化させる可能性もある。

米軍撤退「2年以内に」大統領強調
 フィリピンのドゥテルテ大統領は26日、都内で開かれた
「フィリピン経済フォーラム」で講演し「2年以内に外国軍に出て行ってもらうため合意を見直したい」と述べ、具体的な時期を明示して米軍の撤退を求める方針を強調
した。
 一方、フィリピンの
ヤサイ外相は26日、都内の日本記者クラブで記者会見し、中国との南シナ海の領有権問題に関連し、「南シナ海で我が国の公船が攻撃を受けているわけではなく、相互防衛条約は適用されない」と述べ同盟国である米国に支援を求める必要はないとの立場を示した。さらに米国は「南シナ海における中国と我が国の紛争に直接関係ない」と指摘
した。
 ドゥテルテ大統領が米比合同軍事演習を来年以降は行わないと表明したことについて、ヤサイ氏は「中国との信頼醸成に努力する。(
米国との)合同軍事演習は中国の疑念を高めてしまい、(南シナ海を巡る)2国間の交渉がやりにくくなる」と語った。

 ドゥテルテ大統領は、自宅のある、南部ミンダナオ島ダバオ市と、首都マニラとを週の間に行き来する生活をされているのだそうですが、自家用機で移動しているのだそうです。元々セレブ出身とは言え、背後に出資支援者がいて、選挙資金も含めて支援を仰いでいると言われていますね。
 今回の訪日で注目されることの中のひとつに、安倍首相との一連の会談の中で行われた、少人数会談があります。日本のメンバーは安倍首相と河井克行首相補佐官、今井尚哉首相秘書官。フィリピン側はドゥテルテ大統領と幼なじみのサミュエル・ウイさんと大統領秘書官が同席。このなかで注目すべきは、サミュエル・ウイ氏だと指摘するのは、独協大学の竹田教授。
 
[ひるおび! 【ドゥテルテ大統領旋風▽小池流改革…都庁の夜一斉消灯】 ]の番組概要ページ - gooテレビ番組(関西版)
 中国に接近する「ドゥテルテ比大統領」外交感覚の背景�|�新潮社フォーサイト

 ここからは、素人の遊爺が聞きかじった未確認風評からの想定話になります。
 ドゥテルテ大統領が米国嫌いになった理由は、彼女を追って米国に行った時に入国拒否されたなどを理由に上げる声を聴きます。中国に接近するのは、自身も奥さまにも、中国人の血が流れているからとの声も。
 フィリピンの政権は、親米政権が続きました。当然支持層の財界も親米派ですね。しかし、中国系の実業家も居ます。(直接関係ありませんが、沖縄の財界は中国系が仕切っている。)ドゥテルテ大統領の選挙資金などを支援したうちのひとりが、少人数会談に同席した、サミュエル・ウイ氏なのです。
 サミュエル・ウイ氏が、中国政府と繋がっているのかどうかは不明です。竹田教授が、番組の中で、米国に繋がる河井克行首相補佐官と、サミュエル・ウイ氏が同席したことは、米中にも情報が共有される狙いがあるのではと指摘されていました。(宮家氏は、情報不足で考えすぎと一蹴)
 反米を一貫して唱えるドゥテルテ大統領。米国系財界の支持を得ていた前政権を、中国系財界人の支持を得て破り誕生した政権なのです。親米政策で、仲裁裁判所への提訴まで行って、バナナの禁輸の報復をされるなど、対中経済交流が断たれ、苦しくなった経済を、ドゥテルテ大統領を担ぎ出すことで、中国系財界人が主導権を握った。今回の訪中で、中国から多大の経済支援を獲得したが、過去の実績では日本の支援がトップで、ダバオにも支援はとどいていた。なので、日本は今後も外せない。。
 宮家さんではないですが、考えすぎでしょうか。(汗)

 中国でさんざんリップサービスをしたドゥテルテ大統領。欲しかった、領海の漁業権の回復が合意に達せず、帰国後は発言の訂正をしていました。(それを聞いてか、中国側が軟化の発言もしていますね。)
 日本からの帰国後、どんな発言をされるのか、注目されます。竹田教授は、ドゥテルテ氏の親日発言は、本音であるとは言っておられますが...。





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1 コメント

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帰国したドゥテルテ大統領 (遊爺)
2016-10-29 11:40:15
自己レスで恐縮です。

> 日本からの帰国後、どんな発言をされるのか、注目されます。

 以下の発言があったのですね。(+。+)
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> 訪日を終えたドゥテルテ氏が27日深夜、地元ダバオ市での記者会見で、「もう、ののしらない」と宣言した。

> 日本から帰国する機内で空を見ていたところ、「ののしることをやめないと、飛行機を落とす」という声が聞こえた。「誰ですか」と聞いたら、「神だ」と答えたという。

> 中国、日本訪問で巨額の経済協力にこぎ着けており、今のところ米国批判の必要がなくなったとの見方も出ている。
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 中国からの帰国時とは逆で。訪日を肯定するコメントですね。

 一方、スプラトリ諸島での中国漁船や「海監」の姿が消えて、フィリピン漁船の操業が可能になったのだそうですね。
 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161029/k10010748811000.html

 日比接近の効果もあったとは、考えすぎ?

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