遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

中国の外貨準備 2年半足らずで約25%減少

2016-12-26 23:58:58 | 中国 全般
 中国の外貨準備額が減少している様です。官製株価バブルが崩壊した昨年夏に、株価買い支えと為替レート維持で取り崩した時に大幅に減少したのですが、最近になっても減少が続き、2014年6月のピーク時に、4兆ドルに迫ったものが、この12月には、3兆ドルを割り込みかねない勢いで減少しているのだそうです。
 原因は、輸出の不振と、外国企業の対中直接投資の減速で、更に、米連邦準備制度理事会(FRB)の 1年ぶりの利上げに伴う、新興国等と同様の資本の米国への還流。
 止まらぬ資金流出は、低調な中国経済の先行きに、更に影を深めることになりそうです。

 中国株 3割安 政府は株価維持へ総力戦 - 遊爺雑記帳
 
中国、外貨準備3兆ドル割れへ 元安ドル売り+海外に資本逃避 - SankeiBiz(サンケイビズ)

■2年半で25%減
 世界一を誇る中国の「外貨準備高」が年内にも大台の3兆ドル(約350兆円)を割り込む見通しとなった。中国人民銀行(中央銀行)によると11月末の外貨準備高は前月比691億ドル減の3兆515億ドルで、2011年3月以来、5年8カ月ぶりの低い水準だった。人民元安が続く中、為替相場の安定を求めて
人民銀行が元買いドル売りの介入を繰り返す一方、中国経済減速への懸念から企業家らの間で海外への“資本逃避”も急増
。外貨準備の取り崩し傾向は歯止めがかからないのが実情だ。

■負のスパイラル強く
 
12月末の外貨準備高は人民銀行が年明け早々に公表するが、3兆ドル台を割る事態となれば、中国経済の先行き不透明感
を強く印象づけそうだ。

 中国の外貨準備高は、06年にそれまで世界一だった日本を抜き、11年には3兆ドルを突破。だが
14年6月にピークの3兆9932億ドルを記録した後、4兆ドル直前で失速。2年半足らずで25%近くも減った。

 前年割れが続く
輸出の不振や、外国企業の対中直接投資の減速で外貨獲得力が弱まったことも背景にある。

 さらに
12月の米連邦準備制度理事会(FRB)の1年ぶりの利上げを受け、中国からの資本逃避
が加速している。元安圧力はさらに拡大し、人民銀行の介入を招く“負のスパイラル”が日に日に強まっている。
 人民銀行や国有商業銀行は外貨流出を食い止めようと、国外への資金持ち出しに関する制限をこぞって強化している。中国で爆発的に普及している「銀聯カード」に海外での使用額に上限を厳しく定めたり、海外在住の家族への送金も大幅に規制したりしている。

■外資企業を締め付け
 日本企業を含む
外資企業に対しては、「中国で得た元建ての利益をドルや円に替えて海外に送金する作業がほぼストップさせられて配当もままならない」
(大手商社の幹部)という。元資金は中国内で再投資に回すか、従業員の元建て給与など経費に充てるしかないが、「それだけでは企業の株主や投資家にとって中国市場への進出は何の意味もなくなる」(証券アナリスト)と頭を抱えている。(上海 河崎真澄)

 外資流出の締め付け強化で、10月には、米国で制裁を受けたドイツ銀行が、その罰金を支払う資金にあてるために持ち出そうとしたものが、規制の為持ち出せない事態が発生していました。
 
中国 外貨貯蓄が底つき ドイツ銀行が資金出せず - エキサイトニュース

 そして、更にトランプ旋風が追い打ちを懸けそうなのだとか。
 

中国「外貨準備高」減少にトランプ旋風追い打ち 「為替操作国」認定なら悪夢 - 産経ニュース

 中国の外貨準備高の減少に、今後、米次期大統領の「トランプ旋風」が追い打ちをかけそうだ。

 トランプ氏が当選した11月以降、米国経済への期待感から
人民元は他の新興国通貨と同様に対ドルで急落した。中国が外貨準備で保有する米国債などドル建ての債券の価値も、大幅に目減りしている。元安でも輸出は増えておらず、中国にとってはダブルパンチ
となった。

 米財務省が発表した国際資本収支統計で、10月末時点の米国債の保有高は日本が中国を抜いて2015年2月以来、1年8カ月ぶりに首位になった。中国が米国債の保有高を減らしたことが明らかになっている。

 加えて
トランプ氏は、大統領就任直後に中国を「為替操作国」に認定し、元安に対抗する方針を表明している。トランプ政権の圧力に屈して、中国が大幅な元高誘導を強いられると、人民銀行は元買いドル売り介入を増やす必要があり、外貨準備高はますます減るという悪夢が待っている


 こうした外貨準備高の減少ペースが加速すれば、19年にも中国の外貨準備高は2兆ドルを割り込みピーク時から半減、21年には再び日本を下回る可能性すらある。 (上海 河崎真澄)


 中国からの資本流出は、外資にとどまらず、国内の富裕層による海外への資金移動もおおきいのですね。
 中国は富裕層の外貨持ち出しを急激に警戒し、多様な規制をかけてきたが、海外企業買収の上限枠設定、外貨持ち出しの両替制限から、ATMの利用制限、ついには銀聯カードの新規発行停止を決定した。それでも巧妙な手口でせっせと外貨は海外へ持ち出されている。外貨準備は急激に落ち込んでいると指摘するのは、宮崎正弘氏。
 
宮崎正弘の国際ニュース・早読み <中国のジニ係数は0・73、国家統計局の公式発表でも0・462 (2016年12月26日発行) | 宮崎正弘の国際ニュース・早読み - メルマ!

 来年のチャイナセブンの改選では、王岐山の居残りも画しているという習近平。李克強首相から取り上げた経済主導の権限ですが、現状の経済よりも軍事力強化、独裁体制強化の国内政局優先の政策で、党大会を乗り切れるのでしょうか。
 
宮崎正弘の国際ニュース・早読み <王岐山、第19回党大会以後も「居残り」が鮮明に (2016年12月25日発行) | 宮崎正弘の国際ニュース・早読み - メルマ!


 # 冒頭の画像は、中国の外貨準備推移
  中国「外貨準備高」減少にトランプ旋風追い打ち 「為替操作国」認定なら悪夢 - 産経ニュースより




  なつみかん


↓よろしかったら、お願いします。



写真素材のピクスタ


Fotolia







コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 12月25日(日)のつぶやき | トップ | 12月26日(月)のつぶやき »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

中国 全般」カテゴリの最新記事