遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

お隣の国々雑感(2.中国、ロシア)

2007-01-04 23:01:15 | EEZ 全般
 よく言えば個性が強いと言う表現になるのではしょうか、我が国のお隣の国々は、今年もいろいろ変動が予測されます。
 私的には最も目が離せないのは、大国復活に自信を持ち昨年から急激に衣の下の鎧を見せ始めたロシアです。次が、大国の地位を得たのですが、内包する矛盾が拡大し始めて変化をしようとし始めている中国ですね。
この2大国は、東アジアに留まらず、世界中に覇権拡大の影響を及ぼしています。


お隣の国々雑感(1.韓国、台湾)の続きです

◆中国
 昨年11月、中国中央テレビ(CCTV)が12回続きのドキュメンタリー番組「大国の台頭」を放映、大反響を呼んだのだそうです。
 日本はその 7回目に「維新百年」のタイトルで登場し、1853年のペリー来航から明治維新へ至る過程で、国を挙げて富国強兵を目指し、西洋に学んで改革を断行したことが短期間に大国になった理由と紹介されたのだそうです。
 

隣人たちの日本を見つめる目 90度回転させて眺めた東アジア(1/3 産経朝刊)
【中国】薄れゆくコンプレックス

 「大国の台頭」の約1カ月前、CCTVは、長崎など各地で取材したルポ番組「日本における孫文」で、孫文が宮崎滔天ら日本各界人士と親交を結び、辛亥革命の支援を受けた事実も伝えた。こうした歴史は、中国国民の多くは知らない。とりわけ江沢民前政権が抗日戦争を愛国主義教育の主題材にした結果、日本や日本人は残忍、傲慢(ごうまん)、狡猾(こうかつ)といったイメージがつくられ、軍国主義復活さえたくらんでいると宣伝された。
<中略>

 日本の経済協力を必要とした改革・開放初期には、良好だった対日感情は、経済発展とともに悪化していく。江沢民前政権が対日圧力に乱用した歴史カードによって、日本を敵視する民族主義を高揚した結果だ。中国はいま、大国としての自信を回復、対日コンプレックスは消えつつある。日本の政権交代を機に、対日政策にも変化が見えだした背景だ。
 「大国の台頭」では、日中戦争は簡単に触れただけで、戦後の復興と繁栄を重点的に紹介。その要因に教育の普及などと併せ、平和憲法、つまり平和主義を挙げ、軍国主義復活などという非現実的な対日認識から脱する試みが注目された。
 それが胡錦濤政権の「新思考」の表れかどうか、日中共同歴史研究などで判明するだろう。 


 世界の工場として外資の導入を機に、大きな経済成長を始めた中国は、成長により国内に冨が落とされ始め人口の多さもあって、工場や外国企業で働く人々をはじめ多くの購買力が育成され、いまでは中国の市場を目当てに外資が殺到する、米国に次ぐ経済大国となりつつあります。
 国や、恩恵を授かる国民には大きな冨が蓄積され、中華思想の再来と自信を深めています。
 「金持ち喧嘩せず」といいますが、少なくとも胡政権は「調和」を基とする政策に切り替えてきています。
 また、上記記事の「日本における孫文」の取材・放映や、読売の記事では、少なからぬ研究者や専門家が、北朝鮮批判などオンレコで自分の意見を言うようになってきているのだそうですが、これまでにない変化が見られます。
 こうした変化が、党や政権が大国の自覚から真にそう思って進めていることなのか、貧富の格差による世情不安解消にむけ、停滞傾向の日本からの企業進出を増やすためなのか、目覚めた大衆のうねりに逆らえずそうしているのかは、未明です。
 外資への進出の税制優遇措置をなくしたり、輸出の優遇措置を止めたりと言うところをみると、後者の大衆の懐柔策のように思えますが...?
 過去の話は日本も何度か謝っていますし、中国も賠償は求めないことにしました。
 ですから、
これからどうするかを前向きに話し合える土壌を造ろうというのは、大歓迎です。助けて欲しいときにはすり寄って、自国内の都合で敵が必用となると過剰なでっち上げを盛り込んで、国民を洗脳してしまうことは、もう止めるというのなら、政温経温で相互発展を安定した継続的なものにしていくことは出来るはずです。

 中国共産党の第17回党大会では、5年後のポスト胡錦濤時代をにらんだ50代の若手が登用されるとのことです。彼らとは、日本の政治家(誰なんだろう?)や台湾・国民党の人たちと接触が始まっているのだそうです。


 日米に敵対する国防白書が、現実ではありますが...。
 今年も、中国関連の書き込みが続きそうです。


◆ロシア
  
昨年急速に新聞紙上で眼に付くようになったのが、ロシアです。
  中国への武器や軍艦、航空母艦、航空機の輸出や、合同軍事演習で、富裕国中国の尻馬に乗って、対米勢力の結集を図り始めたと注意していたら、資源ナショナリズム(これも中国の大量浪費が原因)の台頭で、俄然その地位が高まり、収益も増大し、
『帝国シンドローム』状況に陥り、大国復活に湧いています。
 

隣人たちの日本を見つめる目 90度回転させて眺めた東アジア(1/3 産経朝刊)
石油景気で「必要ない国」

 極東・ウラジオストクなどで、山梨学院大学が行った「日本のイメージ」に関する世論調査では、「経済発展のダイナミズム」「デジタル技術」「勤勉」「配慮の行き届いた国」…が上位を占めた。経済・文化的には、「日本」の存在感はどうして侮りがたい。
 ところが、地政学的、政治的には「ちっぽけな国」の先入観が根強い。特にスターリンが終戦直後、北方四島と樺太(サハリン)南部を不法占拠して以来、日本列島はロシア人の目にはこの61年余、「ちっぽけ」なまま全く変わっていない。

 冷戦時代以来の「米国の子分」。加えて今のクレムリンは「日本を必要としなくなった」(ロシア外交筋)。未曾有の石油景気で対外債務を一遍に返せるほどの金余り国となり、日本は「領土で譲歩して金の無心をする対象ではなくなった」(同)のだ。だからプーチン大統領は「北方四島の主権はすべてロシア側にある」と強硬だ。
 クレムリンに土俵際まで追い詰められながら、「刺激しない外交」でかしこまり通しの外務省もロシアを調子づかせている。
 イラク戦争に足を取られた米国が、日本の対露戦略に十分な関与ができていない事情もロシアを強気にさせていよう。



 お金持ちになったロシア・プーチン政権にとっては、日本は頼ったり親交を交わす必用がない国になっているのだそうです。
 大帝国に復活したから日露戦争の敗北の復活戦をと言うわけでは無いのでしょうが、不法に設定した漁業区域に侵入する漁船には発砲・殺人しますし、ガス田発掘が成功と見るや、当初の契約を破棄させ、強奪してしまいます。
 これを、日本だけではなく、近隣の旧ソ連諸国や欧州各国に対しても、資源をかたに覇権拡大外交の展開を始めています。
 中国以上に理不尽な、非常識きわまりない、世界に反発を産みつつある政権です。

 今年最も世界中で話題を生み出す、要注意国家となりそうです。

 米国民がこの時期に政権を殺し、停止させてしまいましたので、北朝鮮も含め、こういうならず者国家がはびこる年となります。
 我が国は、パートナーとして信頼できる国々(豪、印、ASEAN、他)と連携を強化し、近隣の、よく言えば個性豊かな国々へ対応して行かねばなりません。
 安倍内閣各位殿、いつまでも八方美人の新内閣ムードではなく、フル稼働で、深く切り込んだ決断と実行をお願いします。支持率なんか、やることをやればついてきます。





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4 コメント

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Unknown (ムニ枕)
2007-01-07 21:22:44
あけましておめでとうございます。
本年も宜しくお願い致します。
私は経済一辺倒で軍事(特に地政学)が疎いので、
大変参考にさせて頂いております。

仰る通り、中国は経済大国になりつつありますね。
大衆の懐柔策という表現は正にピッタリです。
政治と市場のダブルスタンダードが進んで国民感情が爆発する事態を恐れている様に感じられます。

ただ、中国政府は市場参入への条件に『自国企業への技術移転』をする事が多いです。
今は中国市場の価値が非常に高いので、海外からの技術移転が急速に進みます。
しかし、近い将来はインドや他の市場が活性化して、今の様な状況は続かないでしょう。
直ぐに中国市場の価値が下りません。
中国政府は、それすらも見越して自国単独での技術発展と内需確立を目論んでいると考えています。
闇雲に中国に参入する事は「敵に塩を送る」という行為にもなる危険性を内包しています。

>ロシア
ガス停止の標的にベラルーシがなりました。
ロシアは、脅しても弱味以上の対価を得られない事に気付かないのでしょうか?
日本も、ロシアに頼ったガス供給を行ったら二の舞になりますね。
返信する
Re: あけましておめでとうございます (遊爺)
2007-01-08 12:06:10
ムニ枕様、こちらこそ、よろしくお願い致します。

>大変参考にさせて頂いております。

 私も素人で、拙い表現で恥じ入ります。

>しかし、近い将来はインドや他の市場が活性化して、今の様な状況は続かないでしょう。

  BLICsの、Bと、Iにアフリカの台頭ですね。
  ひとりっこ政策で人口減の現象があり、他にも男女比率の弊害も生まれていて、ひとりっこ政策を見直す議論が始まっている様ですね。
 変化の兆しが見られる(変化せざるを得なくなってきた?)中国は、日本は勿論、世界の経済や安全保障に大きな影響を及ぼしますので、今年も目が離せませんね。

>ガス停止の標的にベラルーシがなりました。
>ロシアは、脅しても弱味以上の対価を得られない事に気付かないのでしょうか?

  ベラルーシは旧ソ連邦国の中で、親露派だったのですが、欧州向けのパイプライン通過分を抜き取ると言い出すなど強行でしたね。
 一旦合意したかに見えていましたが、「通過税」をとると反撃をはじめましたね。安く購入した石油を精製してEUに販売して利益を得ていたベラルーシの存亡にかかわることで、露との「連邦国家」離反も唱えているそうですね。
  資源で潤ったプーチン政権は、国際常識では考えられない事をやり始めました。日本も影響を受け始めてきています。今年、最も注目していきたい国だと思っています。

返信する
中・露の本性が見えてきたわ・・ (容子)
2007-01-16 23:24:44
遊爺さま

この記事に興味をもってますもので・・・書きます。

私は以前から日本が中国に多くの企業が進出している事に不安を持ってました。

幸い安倍政権はインド、ベトナムなどと交流を強めようとしているようで、出来るだけ、バランスを取って企業も進出先を考えてもらいたいものです。

ロシアは今中国と友好関係を深めているようですが、極東部に多くの中国人が経済活動をしておりますが、私はよくロシア政府が許していると不思議です。
なんか同床異夢のようで・・お好きにどうぞ・・といいたいです。

返信する
RE: 中・露の本性が見えてきたわ・・ (遊爺)
2007-01-21 18:37:00
容子さん、コメントをありがとうございます。

>私は以前から日本が中国に多くの企業が進出している事に不安を持ってました。

 最後には国営化で没収されるのではと、10年くらい前には、多くの企業が考えていたと思います。今でも数十年単位で土地や建物を借りていますので、100%払拭しているとは言えないですね。
 ロシアの方が大国のプライドを持っているかと思いきや、短略思考で強引ですね。

 中ロは国境紛争がありましたが、今では連携を強めていますね。中国は、ソ連と争っていたときは、親日外交をしていましたね。
  資源、軍備を買いたい、売りたいの利害が一致していることと、反米の共闘が両国を接近させていると言えます。
 欧州での中露の評価の様子を、貴blogで教えて頂けるのを期待しています。
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