遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

お隣の国々雑感(1.韓国、台湾)

2007-01-04 16:56:05 | EEZ 全般
 よく言えば個性が強いと言う表現になるのではしょうか、我が国のお隣の国々は、今年もいろいろ変動が予測されます。
 私的には最も目が離せないのは、大国復活に自信を持ち昨年から急激に衣の下の鎧を見せ始めたロシアです。次が、大国の地位を得たのですが、内包する矛盾が拡大し始めて変化をしようとし始めている中国ですね。そして、政権交代に揺れる韓国、台湾。
 北朝鮮は、政権のレームダック化を選択し、激動の世界情勢の中で全ての決断や進展を止めてしまった米国のおかげで、核保有国の地位を既成事実化することが出来、当面政治的には安定してしまいました。経済制裁解除でだだをこねて、お恵みをとの乞食戦術でしょう。

 読売(1/3 朝刊)では、「2007東アジア政治の季節」として、韓国大統領選、親展の望めない北の核、ASEANの漂流、中国の変化の兆しを取り上げています。
 また、産経(1/3 朝刊)でも「隣人たちの日本を見つめる目 90度回転させて眺めた東アジア」との見出しで、中国の日本に対するコンプレックスの消滅、韓国・北朝鮮の高齢化社会の手本とすべき日本、「1972年の断交以来、最も良い状態にある」日台関係、「ちっぽけ」でつきあう価値が無いと日本を評価するロシアを取り上げています。

 順番に、触れてみましょう。
◆韓国
  
失政続きで、新聞や軍隊、勿論国民からも(?)愛想を尽かされながら後 1年居座る大統領を抱え、与党の主力が新党を結成する動きがあるなど、政治的には死に体政権どころか、混乱の極みの状況です。この状況で 1年続けて行かなくてはいけないとは、亡国の危機と同情します。
  サムスン、LEなど日本企業が束になってかかっても叶わない巨大企業で、国の経済が発展しているから良かったのですが、ウォン高や、電子機器関連の一服状況から、景気の停滞の可能性があり、混乱に拍車がかかる可能性があります。
 
 韓国のナショナリズムは近年、全方位だ。南(日本)に向かっては竹島・独島問題で日本非難に忙しく、北(中国)に向かっては古代・高句麗の地をよこせといわんばかりに、領土意欲をむき出しにしている。

 政府の全面的なバックアップで「東アジア歴史財団」なるものも昨年、発足しているが、これは日本と中国を相手に二正面作戦の“歴史戦争”を想定したものだ。韓国にとっては自分たちと異なる歴史観、歴史認識はみんな“歴史歪曲(わいきょく)”であり“妄言”という。

 東アジアにおいて韓国は、北の中国、南の日本の間で、今や自らがこの地域の中心であるかのような雰囲気である。ソウルに長くいるとそんな錯覚を覚える。韓国中心主義の無理?

 ただ韓国における近年の反米・反日は、必ずしも親中ではない。歴史的経緯や中国経済の膨張ぶりから中国への警戒心は当然ある。だから、むしろ民族的将来像としては“中立国”なのだ。そのためには経済と軍事で独自の力が必要となる。反米自主など韓国の近年の“無理”はそこからきている。


 北東アジアのバランサーをめざして「均衡論」を唱える盧武鉉大統領の政策から、なるべくしてなっていると言えます。
 中国への警戒心や、“中立国”指向は、自分たち(特に盧武鉉大統領)の思いこみで、こちらからは、中華思想に染まった、反日反米国家としか見えません。年末の国防白書での「米国の核の傘に入るべき」との記述で、冷静な判断が出来る良識のある人々がいることを、ようやく知ることができました。
 北に対する政権の、世界の大勢に逆行する言動は、徳川幕府に奥方を人質にとられていた大名か、身近に刺客を張り付かされ操り人形化してしまっているとしか考えられません。
 ハンナラ党になれば融和政策も見直される可能性があるとのことです。同一民族との気持ちは分かりますが、北の方は自分が核で朝鮮半島をまもる(制覇する)と言っているのですから、金正日独裁テロ政治の国民になりたくなければ、見直しすべきでしょう。
 金正日独裁政権とは違う、民族統一の道が在るはずです。

◆台湾
  
議会で多数を占める馬英九国民党主席が圧倒的優勢で、陳水扁総統の夫人や義理の息子など一族の汚職容疑もあり、中国の傀儡政権が誕生するのではと心配していましたが、「馬旋風」はストップしたのだそうです。
 
2007 東アジア 政治の季節 台湾総統選「馬旋風」ストップ (1/3 読売朝刊)

 世論調査で「総統候補」トップを走っているのが馬英九・国民党主席(56)だ。
<中略>

 だが、人口の8割を超える多数派の本省人(台湾出身者)には、外省人(中国大陸出身者)である馬氏の「対中融和策」に不安を覚える人が少なくない。
<中略>

 与党支持は低迷しているが、若者を中心に台湾人意識は高まっている。イメージが先行した馬氏は実績不足も響き「馬総統で決まり」といわれた一昨年来の"馬旋風"はやんだ。
 中国は、国民党の政権奪回を期待し、懐柔の動きを強めるだろう。中台関係が最大の争点になる総統選は接戦になりそうだ。


 国民党・馬主席が支持率が高いのは、中国に進出したり交易を行っている企業にとって、中国政府の政策への迎合が不可欠だからです。
 台湾人意識と、一党独裁の政治体制への隷属と、経済発展との狭間に揺れてしまいます。



 台湾の経済誌「遠見」が昨年行った(1)最も尊敬する国(2)最も行ってみたい国(3)最も移住したい国-の世論調査では、日本が従来の米国を抜き、いずれも1位になったのだそうです。
 一方、一昨年、台湾が米ギャラップ社に委託して日米英仏独5カ国で行った台湾に対する意識調査では、「台湾に好感を抱いている」とする日本人が76%にのぼり、5カ国中トップだったとか。
 つまり、相思相愛。
 

 日台関係の良さに勇気付けられてか陳総統は昨年9月、フジテレビのインタビューに答え「日台の準軍事同盟の締結を」とまで提唱した。

 ただ、ここまでくるとブレーキも。ある台湾の専門家は「台湾はアヒルの水かきに徹すべし」と語る。中国の介入を招かないために、大事な政策は見えぬところで進めよ-というわけだ。「水かきもせず、鳴くだけのアヒルは最悪だ」とも。

 台湾にある日系企業の社長は「台湾人の親日はわれわれの最大の資産」と語る。逆も真なりだ。お互いにこの資産を大事にし、目減りしないようにしたいものである。意識などは変わりやすいものだから。
 (1/3 産経朝刊 隣人たちの日本を見つめる目 90度回転させて眺めた東アジア)


 相思相愛が、中国との三角関係で密度が変化するのではなく、アジアや世界の平和を安定させるためのものになり、大国(米中)の覇権争いの具にならないよう、両国で育んでいかねばなりません。

(2)へ続く




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