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しかも、防衛相が事前交渉でこの言葉を引き出すことを目標にかかげ、説得に努力した結果だと!
えっと驚いたのは遊爺だけでしょうか?
あの親中のケリー国務長官でさえ類似の発言をしましたし、クリントン長官はあの日本の民主党政権に対してでさえ、再三発言を繰り返して中国への牽制をしていただきました。国防長官と国務長官が今回変わりましたが、オバマ政権であることに変わりはないのに、尖閣が日米安保の適用範囲とのこれまで同様の米国の見解を新国防長官が発言するのに、何故交渉に力を注がねばならないのでしょう。国防長官が発言した事より、むしろそのための外交努力に大きな労力を要したということに驚きました。
第2次安倍政権発足後、初となる日米防衛相会談で、へーゲル米国防長官は沖縄県の尖閣諸島が日米安全保障条約の適用範囲であることを明言したが、これは事前の日本側による強い働きかけに応じたものだ。尖閣を巡る問題で圧力を強める中国に自制を促すことで、日米が足並みをそろえた形だ。 (政治部 海谷道隆、ワシントン支局 中島健太郎)
へーゲル氏は会談後の共同記者会見冒頭、紙を読まずに正面を向いたまま、尖閣諸島に対する米国の立場を滑らかに語った。
「米国は一方的で抑圧的な行動、日本の施政権を軽視する目的でとられる行動に反対の立場をとる」
へーゲル氏は会談で、尖閣諸島が米国の対日防衛義務を定めた日米安保条約の適用範囲にあることも明言。尖閣周辺の日本領海侵入を繰り返し、挑発行為を続ける中国を名指しは避けながらも強くけん制した。
昨年9月の防衛相会談でバネッタ前国防長官が、「米国は主権に関する紛争で肩を持たない」と中立的な立場を示したのと比べ、へーゲル氏の発言は日本にとって「大きな前進であり、収穫」(防衛省幹部)となった。
防衛省は事前の米側との折衝で「へーゲル氏から尖閣に関与する明確な言質を取る」と狙いを定めた。前任のクリントン氏に続き、ケリー米国務長官が「尖閣は日米安保条約の適用範囲」と明言する中、米国の軍事トップが同様の発言をすれば、日米同盟の強固さを中国にアピールできるためだ。
小野寺防衛相は約50分の会談中、計3回も「尖閣諸島への米国の関与」について問いただした。へーゲル氏からより明快な回答を引き出すためだった。
日米交渉筋によると、米側は当初、「中国を過度に刺激するのは得策ではない」と慎重な姿勢も見せたが、日本側が「日米の強い意思表示が中国を自制的にさせる」と説き、米側も軟化したという。
米政府関係者は「米国が尖閣問題で『中立』だと、中国側が誤解している」という疑念が、今回のへーゲル氏の発言につながったとの見方を示す。
日本の米側への熱心な働きかけには事情があった。
日本は最近、東アジアの近隣諸国とぎくしゃくした関係が続いている。
4月23日には尖閣諸島沖の領海に中国の海洋監視船8隻が相次いで侵入し、約12時間も航行を続けた。韓国は閣僚の靖国神社参拝に反発して外相の訪日を中止した。
こうした中、安倍首相は29日、ロシアのプーチン大統領と首脳会談を行い、米国、豪州に続いて3か国目となる外務・防衛閣僚会議「2プラス2」創設で合意。日露の安全保障協力強化の枠組みを作り、中国をけん制した。さらに今回、日米防衛相会談を通じて尖閣への日米安保条約適用を再確認したことで、「外交面で態勢を整えることができた」(外務省幹部)。
だが、米政府は日本への注文も忘れていない。へーゲル氏は小野寺氏に対し、「東シナ海で継続する緊張関係は安全保障上の重要課題だが、平和的に当事者同士が解決するべきだ」と述べ、中国との話し合いで問題の解決を図るよう促した。中国が4月26日、尖閣国有化後初となる日中防衛局長級協議を北京で開催したのも、事前に米国から日中両国への強い働きかけがあったからだという。
交渉努力が必要だったのには理由があり、オバマ政権内に「中国を過度に刺激するのは得策ではない」という慎重な姿勢があり、その説得が必要だったと言うのです。「日米の強い意思表示が中国を自制的にさせる」と説き、米側が軟化したのだと。
中東から重点をアジアに転換し、ASEANのベトナムなどの要請に応えるかたちで中国包囲網を構築し始めたのは、オバマ政権でした。中国は虚をつかれ、反撃開始までには暫く時間がかかりました。
中国の反撃は、札束外交の二国間交渉で、ASEAN諸国の分断を図り、米国に対しては、日本の管理が及ぶ尖閣は安保の対象だが、領土争いには中立という米国の公式見解に、矛盾だと何度もしつこく追及をしはじめました。
前国務長官、国防長官時代は、その反撃に怯むことなく、堂々と見解発言を繰り返していましたが、再選後のオバマ政権の中には、中国を刺激することを恐れる勢力が産まれているのですね。
その典型がケリー国務長官であることは、多くの諸兄がご承知のことですね。
「米国が尖閣問題で『中立』だと、中国側が誤解している」という疑念があるとの言及がありますが、米国の立場については、衆知のヌランド国務省報道官に普段見かけない中国の記者がしつこく質問を繰り返した時にヌランド報道官が資料を確認して読み上げた2点ですね。つまり、日本の施政権下にある尖閣は日米同盟の対象であることと、領土問題は日中の二国間の問題であるという2点。
クリントン元長官は、それに加えて、「(尖閣諸島は)日本の施政下にあり、それを侵害するいかなる一方的な行動にも反対する」 と発言すると同時に、日中双方に対話を求めていました。
今回のヘーゲル長官も、当事者同士が平和的に解決するよう注文をつけたとのことで、クリントン元長官の時代と変わりない発言です。
繰り返しますが、そのクリントン元長官時代と同じ発言を得るのに、国務省と国防省の違いはあれ、外交交渉に大きな努力を要したことに、驚きを感じました。
これまでにも、ケリー長官の言動から感じられる危惧に触れてきましたが、オバマ政権の中での変節には、注意深くアンテナを張る必要がありそうです。
民主党政権が壊した日米同盟の亀裂の修復がまだまだ時間がかかることに加え、国内問題(景気と雇用の回復と財政再建)に注力せねばならないオバマ政権には、TPPでのアジア市場に加えて、中国市場にも頼らざるを得ないということなのでしょう。
米国製造業の国内回帰が取りざたされた時がありましたが、まだ進んでいない様子ですね。
米製造業復活の兆し、まだ見られず―国内回帰も例外的現象 - WSJ.com
# 冒頭の画像は、ヘーゲル国防長官と小野寺防衛大臣
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