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判決主文で原告敗訴としながら、傍論で本来最高裁で行われるべき憲法判断を示すという「蛇足判決」は、原告の「運が良ければ下級審のどこかで出るかも知れない"違憲判決"を確定させるという戦略にはまった判決で、勝訴のかたちとなった国側は上告が出来ないという封じ手も実現されています。
自衛隊のイラク派遣を違憲判断した17日の名古屋高裁判決は、主文で国側を勝訴としながらも、判決理由の中で原告側の主張をくみ取るという“ねじれ”の論理構成をしている。国側は判決内容に反論があっても、主文で勝訴しているために上告ができない。
判例としての拘束力を持たない「傍論」部分で、違憲判断を下す「ねじれ判決」は過去にも例があり、そのたびに司法関係者から疑問の声が上がってきた。
最近では、平成13年の小泉首相(当時)の靖国参拝をめぐり、福岡地裁が平成16年4月に「参拝は憲法違反」としながら、主文で国側を勝訴としたケースがある。過去には岩手靖国訴訟の仙台高裁(平成3年)などが知られている。
福岡地裁判決では、横浜地裁の井上薫判事(当時)が週刊誌に「主文に影響しない憲法問題を理由にあえて書くのは『蛇足』というほかない」とする批判を寄稿し、議論を呼んだ。今回の判決について井上氏は「1審で訴えが退けられた上、控訴が棄却されているのだから、違憲かどうかを判断する必要はなく、裁判所の越権行為だ」と話す。
福岡地裁判決の問題点を指摘してきた弁護士の稲田朋美衆院議員も「最終的な憲法判断は最高裁にあるというのは憲法81条からも明らか。非常に高度な政治的判断について、上告を封じ、最高裁判断を封じることは憲法に違反している。まさに『蛇足』の判決だ」と批判する。
控訴審で国は「控訴人(原告)の法的利益を侵害していない」などと主張しただけで、憲法判断には言及もしていない。一方、原告側の証人申請だけが積極的に認められ、法廷は違憲主張の独壇場となった。
白鴎大法科大学院の土本武司院長も「裁判所は訴えたことについてのみ判断する義務がある。争点になっている訴え以外のことについて判断を下すことは、やってはいけないことだ」と批判している。
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「違憲」裁判長 最後の判決
自衛隊のイラク派遣は憲法違反と判断した名古屋高裁の青山邦男裁判長(64)は名城大法科大学院(名古屋市)の教授に就任するため。定年まで 2ヶ月を残して 3月31日付けで依願退職しており、これが最後の判決だった。
昭和45年任官。金沢地裁所長から平成15年 1月に名古屋高裁に着任した。高裁で国などを相手取った訴訟を多く担当。17年 3月、岐阜県可児市議選の電子投票にトラブルがあったとして市民らが選挙無効を求めた訴訟で、電子投票をめぐり初めて選挙無効の判決を言い渡した。
19年 5月、元朝鮮女子勤労挺身隊の韓国人女性らが太平洋戦争中の強制労働について国などに損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決では、請求棄却の 1審判決を支持したが、国の不法行為責任を認め、1審より踏み込んだ認定をした。
長良川河口堰の建設負担金をめぐり住民らが三重県に支出差し止めなどを求めた訴訟の差し戻し控訴審判決(17年 4月)などでは、住民側の請求を退けた。
各紙が一斉に社説で取り上げています。
□空自派遣違憲判決 平和協力を否定するのか イラクでの航空自衛隊の平和構築や復興支援活動を貶(おとし)めるきわめて問題のある高裁判断だ。 (産経)
□イラク空自判決 兵輸送は武力行使ではない イラクでの自衛隊の活動などに対する事実誤認や、法解釈の誤りがある。極めて問題の多い判決文である。 (読売)
□私たちは国連平和維持活動(PKO)や多国籍軍の平和構築活動に対し自衛隊が協力をするに当たり、戦闘活動には参加すべきでないが、後方支援には幅広く参加すべきであると考えてきた。 このためには集団的自衛権をめぐる憲法解釈の変更が必要となると指摘してきた。 (日経)
朝日、毎日は違憲判決を全面支持論調です。
インド洋の海自の活動でも世界各国の信頼を失う結果を招いた日本ですが、国連安保理による多国籍軍の駐留決議も踏まえている空自の活動を、最高裁での判決の道を封じ確定判決として実績を残す形で違憲との蛇足判決を、5紙中 2紙は、想定通りとは言え支持しています。
判決主文で堂々と違憲としているのならまだしも、"ねじれ蛇足判決"といわれるこそくな判決を支持・歓迎しているのです。
国会がねじれて国を混乱・低迷させていますが、裁判官まで無責任なねじれ蛇足判決(しかも自身の転職を優先し途中退職し判決は代読)をし、撹乱ています。
日経が、集団的自衛権の解釈変更をめぐる議論に目をつぶったままで恒久法を制定すれば、いま起きている混乱は続くと、ちぐはぐな動きの福田政権を批判していますが、読売が言うとおり、遠い外国地で日本の代表として世界貢献に尽くしている空自隊員には、今回の判決に動じることなく、その重要な任務を着実に果たしていただけるよう願っています。
イラク派遣延長の航空自衛隊 - 遊爺雑記帳
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↓ よろしかったら、お願いします。
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Takeshima belong to Korea or Japan? の投票頁があります。是非投票をお願いします。
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TBのやりとりは何度かやっている記憶があったので、
まさか初めましてとは思いませんでした(笑)。
これからもよろしくお願いいたします。
裁判官が傍論を供述…要は個人思想を司法に持ち込む…していいなら、
司法制度なんて「ないのと同じ」ですし、
「傍論(もはや暴論?)」を「違憲判決が出た」と伝えるマスゴミも狂ってますよね。
…日経が意外とまともな社説なんですね。
「朝日の経済部別局」くらいに思ってなかったですから…。
> 「傍論(もはや暴論?)」を「違憲判決が出た」と伝えるマスゴミも狂ってますよね。
もはや暴論に一票です。
法廷を違憲主張の場に変えてしまい、最高裁への道を閉ざし、暴(傍)論といえども私見を確定判決として残して、しかも自分は次の就職のため早期退職して不在。こんな裁判官がいるなんて、知ったときには絶句してしまいました。堂々と主文で暴論を述べられないのなら蛇足を付けるべきではないです。
仰るとおりで、それを全面支持する2紙は判っていることとはいえおかしいのですが、ネットを検索すると多くのblogでもこの判決に歓喜しているようで、驚いています。
日経を朝日と比べるのは可哀想かなとおもいます。読売より鷹のときもありますね。
いなちゃんさんのサイトを、RSSリーダー(goo)に登録しようとしたのですが、エラー(混雑?)で今日は登録できませんでした。日を変えてトライしてみます。
こちらこそ、これからもよろしくお願いします。
この名古屋高裁の青山邦男裁判長の判決には怒りを感じます。しかも、「傍論の中とはいえ
日本の司法関係者の中に兎角このような考えの方が結構多い事を悲しく思います。
そのような方たちは、お隣の中国の人権問題には目をつぶり、一方で弱者救済、人権蹂躙とか偏った判断を、しかも名古屋高裁の裁判長と言う立場で述べられた事に、不快感が襲います・・
裁判長の判決の正否を問うには、上告しかないのですが、その道を閉ざした判決(当然確信犯)を出す裁判官が居ることに、驚くとともにやり放題ができる怖さを覚えます。
裁判官がそのようなこそくな手段を講じることは前提とされていない司法制度ですが、その盲点をつく裁判官が出てきた時代になったのですね。
本分でも書きましたが、ネットでblogを検索しても、判決を熱烈歓迎したり、ねじれのこそくな手法を褒めたりするサイトが多く、不合理を指摘するサイトが少数なのにも驚いています。
この国はどうなるのでしょう。
主文と異なる蛇足を傍論に書く。そのねじれ判決は確定する様設定されている。そんなこそくな考えを持つ裁判官が、高裁にいたのですね。
logic starさんも貴blogで仰っている様に、堂々と本文で違憲との判断をすべきです。
時間が経過した今でも、マスコミやネット上で、傍論を判決と理解すべきと取り上げる意見が多いのには、驚きます。
日経、読売、サンケイは、少数派???