遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

クルーズ船と「旗国主義」 問われる国際ルール

2020-02-19 01:33:33 | つぶやき
 クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の新型コロナウイルス(COVID19)による船内集団感染。
 クルーズ中に新型コロナウイルスの集団感染が発生し、出発港で終着港でもある日本の港での検疫で足止めし、乗客乗員が船内に長期間閉じ込められることとなりました。
 海外メディアからは、船内にとどめる対処に批判の声が高まっています。
 米国が自国民の希望者をチャーター機で帰国させ、19日からは検査で陰性の乗客の下船が順次開始され、各国が米国に倣い帰国便を手配する動きも出始めています。
 船籍が英国で船長も英国人、船の運航会社の本社は米国、入港したのが日本というクルーズ船。
 航海する船内は、基本的には船長が指揮権を保有し、「旗国主義」という国際ルールがあるのですが、集団感染が発生するなどした場合の管理・監督の盲点が明らかになりました。
 人道的見地で横浜港に接岸させて対応した日本。発着港が日本であることや、日本人客が多いこともあり、医療体制の薄弱な乗客・乗員への支援と、国内への感染の水際対策にあたったのは当然の処置でした。
 この後の、感染者が居る可能性のある、日本以外の国から来るクルーズ船の寄港は拒否しました。
 
 船内医療体制が薄弱な大型クルーズ船で生じる集団感染。危機管理の指揮機能は発揮しずらい「旗国主義」の盲点が露呈しました。
 増える大型クルーズ船への、新たなルールと体制造りが求められます。
 
【新型肺炎】クルーズ船対応にルールなし 船籍国・英政府の動き見えず - 産経ニュース 2020.2.18

 肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの集団感染で、横浜港に停泊中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客で陰性と判明した人が19日から順次、下船する。感染が拡大する外国船籍の大型客船が寄港した例は過去になく、政府は難しい対応を迫られたが、海外メディアからは批判も起きた。今後、同様の事態が起きない保証はなく、船籍国と寄港国の義務や負担に関する新たなルールづくりが課題となっている。

 茂木敏充外相は18日の記者会見で、クルーズ船の外国籍の乗客の退避をめぐり、カナダ、イタリア、韓国などが航空機を派遣する意向であることを紹介し、「他の国、地域からも今後、同様の要望が寄せられる可能性はある」と述べた。既にチャーター機で乗客の米国人とその家族計328人を帰還させた米国に追随する形だ。

 停泊は2週間を超え、一部の
海外メディアは乗客を船内にとどめる対応を批判する。だが、米政府は日本政府に当初、「14日間の検疫期間を船上で過ごすことがウイルス感染の拡大を防ぐ最良の方法であるとの米衛生当局の判断に基づき、早期に下船・出国させる考えはない」と説明(河野太郎防衛相のツイッター)。チャーター機派遣時には「日本政府の対応に感謝している」と伝えた

 菅義偉(すが・よしひで)官房長官は18日の記者会見で、船内待機の対応について「適切だと思っている」と強調した。

 ダイヤモンド・プリンセスは1月20日に横浜を出港し、香港、ベトナム、台湾などを回って2月3日に再び横浜港に入った。
香港で1月25日に下船した男性が陽性と判明したのは2月1日だった。

 政府は
3日から船内で検疫を開始し、その後、医師の派遣や医療品の配布などの支援を続けてきた。

 こうした対応は国際法上の義務によるものではない。ただ、
入港を拒否すれば、人道上の批判を招くのは確実で、1000人を超える日本人乗客がいる以上、受け入れないという選択肢はなかった

 一方で、
ダイヤモンド・プリンセスは英国船籍だが、これまでのところ英政府の動きは全くといっていいほど見えない

 国際法には、公海上の船舶の保護は、その船舶の旗国(船籍国)の責任で行うべきだとする
「旗国主義」の考え方がある。しかし、今回のようなケースでは、関係国の中で、どの国が一義的な対応や負担の義務を負うかについて取り決めがないのが実情だ。

 政府高官が「来る前からかなり蔓延(まんえん)しているはずだ。船内でパーティーを開いていたから」と語るように、日本の領海に入る前から船内では感染が広がっていた可能性は強い。今後の教訓を得るためには、日本の対応の適否だけでなく、英国政府や船長、運営会社などの責任も見極める必要がありそうだ。

 外務省幹部は「一段落したら、
国際社会で新しいルールづくりを進めるのが日本の仕事だ」と話している。(原川貴郎)

 病源のウイルスが新型であり、対処薬がないこと。潜伏期間で感染症状がみえなくても感染拡大したり、感染していても症状がでなかったりと、感染者の識別・隔離が難しいことが、今回の新型コロナウイルスの特徴が、船内感染だけでなく、地上でも感染の拡大阻止を難しくしていることは衆知となったことです。

 1月20日に横浜を出港し、香港で1月25日に下船した男性が陽性と判明したのは2月1日。その間、鹿児島に寄港し、乗客は上陸し観光もしていました。
 感染者が居て、下船したことが判明した後も、船内では特段の隔離などなく、ダンスなど乗客同士の接触は続きました。
 入国の最初の検疫が行われたのは、2月1日の那覇寄港時。日本政府が、船内でのウイルスの検疫を開始したのは、3日からで、その後、医師の派遣や医療品の配布などの支援を続けてきました。
 船内では各部屋にとどまり、乗客同士の接触をなくす為の行動規制もされ、乗客にとっては厳しい生活を強いられることとなり、ネット発信もあり海外メディアからの批判の声があがり始めたことは、諸兄がご承知の通りです。

 感染症対策としては、初期に感染者を識別し隔離することが基本なのだそうですが、乗客・乗員全員のPCR検査実施について、厚労省が重い腰をあげようとした時に、菅官房長官が、実施は困難と発言、閣内不一致露呈。
 日々行われる検査は発症者優先なので予防隔離は遅れた自室待機だけしかされていないので、検査人数に対する陽性者の比率は高率。
 19日(自室隔離開始から潜伏期間経過)からの下船に向けた全員の検体収集は終え、陰性判明の方から逐次下船が開始されるのだとか。
 陽性者は病院へ搬送されるのでしょうが、その場合でも、陰性者の下船は継続実施されるのでしょうか。
 先行してチャーター機で米国に帰国した方々は、全員が帰国後更に2週間隔離が続くのだそうですが、そのなかから、感染者が発見されたとの報道がありましたね。

 阪神淡路大震災という、近年にはなかった大災害時、村山首相は自らの個人の能力の限界を悟り、自民党の小里貞利氏を直ちに震災担当大臣に任命し、人事と予算を含めたほぼ全権を任せて収集にあたらせました。
 阪神淡路大震災当時、筆者が見た村山富市首相の姿 | 田中秀征 政権ウォッチ | ダイヤモンド・オンライン

 今回、自体発覚当初に米国は自国民の引き上げを打診、日本政府と協議、日本政府の対応に任せることとしましたが、止まらない感染拡大実績を見て、チャーター便での帰国を実施しました。
 何故横田基地でなく、羽田となったのは不明ですが、日本政府の対応には謝意を表明しています。これぞ外交辞令?

 「旗国主義」の考え方の国際法の元で、船籍は英国で船内の強力な権限を持つ船長も英国人。運用会社の本社は米国。運航の出発と終着は日本(横浜)といったグローバル化した大型クルーズ船。
 日本政府の対応に、問題点もありましたが、情報を集約管理し臨機応変で迅速な支持が出来る為の、日本国内および、国際法の見直しや構築が必要でしょう。
 19日の下船に向けては、全員が陰性の結果となり、無事下船されることを祈ります。



 
  この花の名前は、ニホンスイセン




竹島に関する動画 / 政府広報 - YouTube

杉原由美子氏による絵本「メチのいた島」読み聞かせ - YouTube


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竹島は日韓どちらのものか



 

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