台湾総統府の直属学術機関、中央研究院の前副研究員、林泉忠氏は、「中国の習近平指導部は2049年までの『台湾統一』実現に向け、すでにロードマップを描いている」と指摘しておられるのだそうです。
共産党が香港を試験台とし、将来の「台湾統一」への応用を狙って編み出した「一国二制度」が基本。
習近平国家主席は今年 1月 2日の北京での演説で、実際に「一国二制度による平和統一」を台湾に強く迫ったのだそうです。同時に武力行使もチラつかせ、威圧もしたのだと。
日本と向き合い闘っていた国民党から、国共内戦で政権を横取りし、国民党を台湾に追い詰めた毛沢東共産党の悲願の台湾統一。
メディアを利用し既成事実を積み重ねる「世論戦」、相手の士気を低下させる「心理戦」、法律を駆使して国際的支持を得る「法律戦」からなる「三戦戦略」を構築。武力行使ではない併呑を推進してきていることは、諸兄がご承知の通りです。
林氏の考察では、中国は 4年に 1度の台湾総統選に照準を当て、どんなに遅くとも2040年までに「一国二制度」による統一を受け入れる親中派の政権を誕生させ、この政権に統一協定を44年に結ばせ、48年までに双方が合意し、中国の全国人民代表大会(全人代)の場で「台湾基本法」を成立させるというロードマップ。
香港の場合は、英国との交渉で「一国二制度」を実現、返還させることが出来ましたが、台湾の場合は既に独自に民主政治を実現していて、直接交渉となり、香港の様には進められない。
台湾をどう屈服させるか。49年まで残り30年の今年、習指導部は統一工作を本格化させねば間に合わない、と踏んでいるのだそうです。
民進党の蔡英文総統は就任から 3年を迎えた今月20日、記者会見で「私たちの国家は民主、自由、人権を有する中華民国台湾だけだ」と、「一国二制度」に対し警戒感を示したのだそうです。
しかし、台湾では次期総統選(来年 1月)の候補者擁立をめぐり、与野党とも混乱が続いているのが現状。
政界工作を急ぎたい中国にとっては思うツボの展開になっているのだと、産経論説委員の河崎真澄氏。
米国では、中国の覇権拡大に対し、与野党が一致して対抗しようとしていますが、台湾では与野党が対立して中国共産党の侵略に隙を与えてしまっています。
それは、日本にも言えることで、尖閣近海への海警(軍艦)の侵略に遭いながら、媚中の県知事が翁長、玉城と二代続けて選出されたり、自民党の幹事長が習近平詣でをしたりしていますし、野党は国内の政局争いに没頭し、蛸壺のなかで政府の足を引っ張ることばかりで、政策論議はありません。
米中が貿易戦争に端を発し、覇権争いの「新冷戦時代」に突入し、しのぎを削っている今。
激しい世界の変動に、日本はどう対処すべきかの論戦を与野党に求めます。
台湾の次は、尖閣。その次は沖縄、そして日本へと侵略をかくだいする習近平の中国。
米国におんぶにだっこで安全保障を異存する(憲法前文=諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持)のではなく、自分の安全保障は、先ず自分達で実行する普通の国になる必要に迫られています。
ペルーの来航で、明治維新の日本は一致団結して自国を護ることに目覚めました。
「新冷戦時代」に突入している今。トランプ大統領の出現は、自分の国は自分で護る体制と、足らざるところは同盟国や、民主主義の共通認識を持つ国々との連携で安全保障を共有する絆造りが求められていますね。
# 冒頭の画像は、トランプ大統領と握手する金美麗さん
門田隆将氏が明かす「トランプ握手騒動」と「新聞という病」 - zakzak
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共産党が香港を試験台とし、将来の「台湾統一」への応用を狙って編み出した「一国二制度」が基本。
習近平国家主席は今年 1月 2日の北京での演説で、実際に「一国二制度による平和統一」を台湾に強く迫ったのだそうです。同時に武力行使もチラつかせ、威圧もしたのだと。
【一筆多論】中国「台湾統一」の行程表 河崎真澄 - 産経ニュース 2019.5.28
「中国の習近平指導部は2049年までの『台湾統一』実現に向け、すでにロードマップ(行程表)を描いている」。台湾総統府の直属学術機関、中央研究院の前副研究員、林泉忠氏はこう指摘した。共産党が1949年に北京で成立させた「中華人民共和国」の建国100周年が年限だ。
林氏はロードマップの基本に「香港返還のプロセスがある」と考えている。
82年に当時の英首相、サッチャーが訪中して始まった香港返還交渉で、最高実力者だったトウ小平が“切り札”にしたのが、「一国二制度」の提案だった。
共産党が支配する一つの中国の主権の下に、地域を限定して高度な自治を認め、社会主義とは異なる民主社会を返還後50年間、併存させるという歴史的にほとんど例のない政策だ。
「一国二制度」は、共産党が香港を試験台とし、将来の「台湾統一」への応用を狙って編み出した。言論の自由や資本主義の維持で譲歩する一方、主権掌握という難解な政治問題で勝利する。
実際、習近平国家主席は今年1月2日の北京での演説で、「一国二制度による平和統一」を台湾に強く迫った。同時に武力行使もチラつかせ、威圧した。
林氏は中国が香港で行った3つの工作を挙げる。(1)中国への経済依存を高めさせ、(2)報道機関への言論コントロールを強める。そして(3)政界で親中派を多数派にする。共産党政権に「ノー」と言えない状況を、時間をかけて浸透させた。
台湾ではすでに経済や報道機関への中国の影響力が強まっている。台湾独立を党綱領に掲げる民主進歩党が政権与党の現在、政界工作こそが残された課題だ。
中英交渉の結果、97年7月、正式に香港の主権が返還された。英国のような存在がない台湾とは、当局間交渉が必要だ。それでも「建国100周年の統一を念頭にいつまでに何を行うか、中国は香港返還の経験を生かして行程表を設定している」と林氏は考える。
中英は84年、香港の主権を97年に返還することで合意し、「共同宣言」に調印した。90年には、特別行政区として香港に高度な自治を認める「基本法(憲法に相当)」を成立させた。
林氏の考察では、中国は4年に1度の台湾総統選に照準を当て、どんなに遅くとも2040年までに「一国二制度」による統一を受け入れる親中派の政権を誕生させたい。この政権に統一協定を44年に結ばせ、48年までに双方が合意し、中国の全国人民代表大会(全人代=国会)の場で「台湾基本法」を成立させる。
だが、このロードマップはあくまで、49年の統一実現に向けたギリギリの政治日程だ。香港ですら15年かかった返還手続き。海峡を隔てて独自に民主政治を実現した台湾を、どう屈服させるか。49年まで残り30年の今年、習指導部は統一工作を本格化させねば間に合わない、と踏んでいる。
民進党の蔡英文総統は就任から3年を迎えた今月20日、記者会見で「強大な中国は『一国二制度』を声高に叫んでいる。だが私たちの国家は民主、自由、人権を有する中華民国台湾だけだ」と警戒感を示した。
ただ、台湾では次期総統選(来年1月)の候補者擁立をめぐり、与野党とも混乱が続いている。政界工作を急ぎたい中国にとっては思うツボの展開だろう。(論説委員)
「中国の習近平指導部は2049年までの『台湾統一』実現に向け、すでにロードマップ(行程表)を描いている」。台湾総統府の直属学術機関、中央研究院の前副研究員、林泉忠氏はこう指摘した。共産党が1949年に北京で成立させた「中華人民共和国」の建国100周年が年限だ。
林氏はロードマップの基本に「香港返還のプロセスがある」と考えている。
82年に当時の英首相、サッチャーが訪中して始まった香港返還交渉で、最高実力者だったトウ小平が“切り札”にしたのが、「一国二制度」の提案だった。
共産党が支配する一つの中国の主権の下に、地域を限定して高度な自治を認め、社会主義とは異なる民主社会を返還後50年間、併存させるという歴史的にほとんど例のない政策だ。
「一国二制度」は、共産党が香港を試験台とし、将来の「台湾統一」への応用を狙って編み出した。言論の自由や資本主義の維持で譲歩する一方、主権掌握という難解な政治問題で勝利する。
実際、習近平国家主席は今年1月2日の北京での演説で、「一国二制度による平和統一」を台湾に強く迫った。同時に武力行使もチラつかせ、威圧した。
林氏は中国が香港で行った3つの工作を挙げる。(1)中国への経済依存を高めさせ、(2)報道機関への言論コントロールを強める。そして(3)政界で親中派を多数派にする。共産党政権に「ノー」と言えない状況を、時間をかけて浸透させた。
台湾ではすでに経済や報道機関への中国の影響力が強まっている。台湾独立を党綱領に掲げる民主進歩党が政権与党の現在、政界工作こそが残された課題だ。
中英交渉の結果、97年7月、正式に香港の主権が返還された。英国のような存在がない台湾とは、当局間交渉が必要だ。それでも「建国100周年の統一を念頭にいつまでに何を行うか、中国は香港返還の経験を生かして行程表を設定している」と林氏は考える。
中英は84年、香港の主権を97年に返還することで合意し、「共同宣言」に調印した。90年には、特別行政区として香港に高度な自治を認める「基本法(憲法に相当)」を成立させた。
林氏の考察では、中国は4年に1度の台湾総統選に照準を当て、どんなに遅くとも2040年までに「一国二制度」による統一を受け入れる親中派の政権を誕生させたい。この政権に統一協定を44年に結ばせ、48年までに双方が合意し、中国の全国人民代表大会(全人代=国会)の場で「台湾基本法」を成立させる。
だが、このロードマップはあくまで、49年の統一実現に向けたギリギリの政治日程だ。香港ですら15年かかった返還手続き。海峡を隔てて独自に民主政治を実現した台湾を、どう屈服させるか。49年まで残り30年の今年、習指導部は統一工作を本格化させねば間に合わない、と踏んでいる。
民進党の蔡英文総統は就任から3年を迎えた今月20日、記者会見で「強大な中国は『一国二制度』を声高に叫んでいる。だが私たちの国家は民主、自由、人権を有する中華民国台湾だけだ」と警戒感を示した。
ただ、台湾では次期総統選(来年1月)の候補者擁立をめぐり、与野党とも混乱が続いている。政界工作を急ぎたい中国にとっては思うツボの展開だろう。(論説委員)
日本と向き合い闘っていた国民党から、国共内戦で政権を横取りし、国民党を台湾に追い詰めた毛沢東共産党の悲願の台湾統一。
メディアを利用し既成事実を積み重ねる「世論戦」、相手の士気を低下させる「心理戦」、法律を駆使して国際的支持を得る「法律戦」からなる「三戦戦略」を構築。武力行使ではない併呑を推進してきていることは、諸兄がご承知の通りです。
林氏の考察では、中国は 4年に 1度の台湾総統選に照準を当て、どんなに遅くとも2040年までに「一国二制度」による統一を受け入れる親中派の政権を誕生させ、この政権に統一協定を44年に結ばせ、48年までに双方が合意し、中国の全国人民代表大会(全人代)の場で「台湾基本法」を成立させるというロードマップ。
香港の場合は、英国との交渉で「一国二制度」を実現、返還させることが出来ましたが、台湾の場合は既に独自に民主政治を実現していて、直接交渉となり、香港の様には進められない。
台湾をどう屈服させるか。49年まで残り30年の今年、習指導部は統一工作を本格化させねば間に合わない、と踏んでいるのだそうです。
民進党の蔡英文総統は就任から 3年を迎えた今月20日、記者会見で「私たちの国家は民主、自由、人権を有する中華民国台湾だけだ」と、「一国二制度」に対し警戒感を示したのだそうです。
しかし、台湾では次期総統選(来年 1月)の候補者擁立をめぐり、与野党とも混乱が続いているのが現状。
政界工作を急ぎたい中国にとっては思うツボの展開になっているのだと、産経論説委員の河崎真澄氏。
米国では、中国の覇権拡大に対し、与野党が一致して対抗しようとしていますが、台湾では与野党が対立して中国共産党の侵略に隙を与えてしまっています。
それは、日本にも言えることで、尖閣近海への海警(軍艦)の侵略に遭いながら、媚中の県知事が翁長、玉城と二代続けて選出されたり、自民党の幹事長が習近平詣でをしたりしていますし、野党は国内の政局争いに没頭し、蛸壺のなかで政府の足を引っ張ることばかりで、政策論議はありません。
米中が貿易戦争に端を発し、覇権争いの「新冷戦時代」に突入し、しのぎを削っている今。
激しい世界の変動に、日本はどう対処すべきかの論戦を与野党に求めます。
台湾の次は、尖閣。その次は沖縄、そして日本へと侵略をかくだいする習近平の中国。
米国におんぶにだっこで安全保障を異存する(憲法前文=諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持)のではなく、自分の安全保障は、先ず自分達で実行する普通の国になる必要に迫られています。
ペルーの来航で、明治維新の日本は一致団結して自国を護ることに目覚めました。
「新冷戦時代」に突入している今。トランプ大統領の出現は、自分の国は自分で護る体制と、足らざるところは同盟国や、民主主義の共通認識を持つ国々との連携で安全保障を共有する絆造りが求められていますね。
# 冒頭の画像は、トランプ大統領と握手する金美麗さん
門田隆将氏が明かす「トランプ握手騒動」と「新聞という病」 - zakzak
ブロッコリーの花
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