中国共産党第20回大会が終幕し、党の最高規則である「党規約」の内容が公表された。
この中で、「『台湾独立』に断固として反対し、抑え込む」という表現が新たに盛り込まれ、「祖国統一の大業を完成する」という目標が示されたのですね。
2035年までに社会主義の現代化をおおむね実現させ、今世紀半ばまでに「社会主義現代化強国」を築く戦略も明記されたと、譚 璐美さん。
共産党大会の前に開かれる長老との北戴河会議で、三期目続投承認の条件として、経済回復が背負わされたことは、諸兄がご承知の通りです。
しかしそれは難題。
国内で難題を抱え、達成が困難な時は、人民の眼を海外に逸らすのは、常套手段。
国共内戦で、日本と戦う国民党軍を、ソ連の支援を得て後ろから攻撃し、台湾に追いやった中国共産党。
その台湾を併合し、国共内戦の勝利を確定させるのは、毛沢東の悲願を達成し、肩を並べたい習近平の悲願でもあるのですね。
毛沢東の専制政治の弊害を改革し、集団指導体制とその定年制度を導入し、改革開放経済で、日本を追い越し、いまや米国をも凌駕しかねない勢いの中国に導いたのは、鄧小平。
しかし、習近平は、毛沢東の専制政治時代への回帰を目指して、憲法や、党規の変更を進め、今回の党大会で、定年のない地位を確立し、集団指導体制も、政敵の、鄧小平の流れを継ぐ「共青団派」を一掃し、独裁体制を確立したことは、諸兄がご承知の通りです。
その習近平の新体制について、譚璐美氏が解説いただいています。
党大会で変更された「党規約」では、「『台湾独立』に断固として反対し、抑え込む」という表現が新たに盛り込まれ、「祖国統一の大業を完成する」という目標が示された。また、2035年までに社会主義の現代化をおおむね実現させ、今世紀半ばまでに「社会主義現代化強国」を築く戦略も明記されたと、譚 璐美氏。
これに対し、米国のアントニー・ブリンケン国務長官が26日、米通信社ブルームバーグ・ニュースのイベントに参加し、中国は台湾に対する長年の「現状維持」路線を放棄し、台湾統一計画を加速させていると述べたと、AFP(10月27日付)が報道。
今回のブリンケン氏のコメントは、約40年にわたる現状維持路線が「台湾の危機回避に役立ってきた」とした上で、「それを変えたのは中国政府だ。中国は、現状維持はもはや容認できないと判断し、統一に向けたプロセスを早めることを望んでいる」と述べたのであると、譚 璐美氏。
だが、これは中国に対して単に「長年の約束を破った」と怒っているのではない。今後一世紀にわたる世界の方向性を決める重大な局面にあり、強い危機感を抱いているのである。これは全体主義と自由主義の戦いであり、台湾問題こそが「天下分け目の戦い」だからなのだと!
「香港返還」以後、それまで維持されてきた「一国二制度」が、2021年の「国家安全維持法」によってあっけなく反故にされ、中国の全体主義に呑み込まれていく香港の姿を目にしてからは、「明日は我が身か」という切実な危機感から、台湾の人々は是が非でも「自由」を死守したいとの思いを強くした。もはや中国と台湾は絶対的と言ってよいほど融合できない関係なのだと、譚 璐美氏。
中国は、「2028年までにアメリカ追い抜き、世界最大の経済大国になる」と豪語している。それが予測可能なことは、これまでの経済成長の勢いをみれば、誰もが認めざるを得なかっただろう。
しかし、ここへきて先行き不安が生じている。中国国内では不動産バブルが弾け、コロナへの過度な規制で経済的ダメージを受けている。人口減少と急速な高齢化、失業率の増加と立ち遅れた社会福祉も、経済成長の足を引っ張る大きな要因だ。富裕層を法規制して資産を国有化し、共産党一極に経済的な権力を集中させる政治中心主義は、西側国にとっては「国家リスク」と映り、対中投資に二の足を踏む原因になっている。
習近平国家主席は三期目の続投が決まったものの、もし経済成長という成果を誇示できなければ、外へ目を向け、武力を行使してでも「台湾統一」を実現し、「歴史的偉業」を成し遂げたことをもって三期目の成果とするほかにない。さもなければ、中国の「歴史に名を残す」という願望も潰えてしまうと、譚 璐美氏。
仮に中国が「台湾統一」を実現したとすれば、それは米国ばかりか世界中の国々が、中国の行為を容認したことになり、次の一世紀に中国の覇権が世界の隅々にまで及ぶことは間違いないだろう。今はその瀬戸際にあると。
毛沢東の専制政治の改革をした鄧小平の戒め。
「世界の覇権を握り、至るところで他国をいじめ、侵略し、搾取するようになったなら、その時には、世界の人民は、中国のことを『社会帝国主義だ』と非難し、中国の悪事をあばき、中国に反対し、そして中国人民と協力して中国を打倒すべきです」
憲法や党規を変え、鄧小平の戒めを破った三期目の習近平。
日本を含めた世界の国々は、未来の「自由」を守るために、「社会帝国主義」をばく進する中国に対して、今こそ総力を結集させて立ち向かう時ではないかと、譚 璐美氏。
親中団体や議連の長の岸田氏や林氏の日本。
日本の戦後の復興を、松下氏に学び今日の中国の発展を成し遂げた鄧小平氏の戒めを、聞く耳自慢の岸田氏には聞き入れていただき、米国他の国々と共に、行動に移していただきたい。
# 冒頭の画像は、党大会最終日 退場させられる共青団派の胡錦涛
ドウタンツツジの紅葉
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この中で、「『台湾独立』に断固として反対し、抑え込む」という表現が新たに盛り込まれ、「祖国統一の大業を完成する」という目標が示されたのですね。
2035年までに社会主義の現代化をおおむね実現させ、今世紀半ばまでに「社会主義現代化強国」を築く戦略も明記されたと、譚 璐美さん。
共産党大会の前に開かれる長老との北戴河会議で、三期目続投承認の条件として、経済回復が背負わされたことは、諸兄がご承知の通りです。
しかしそれは難題。
国内で難題を抱え、達成が困難な時は、人民の眼を海外に逸らすのは、常套手段。
国共内戦で、日本と戦う国民党軍を、ソ連の支援を得て後ろから攻撃し、台湾に追いやった中国共産党。
その台湾を併合し、国共内戦の勝利を確定させるのは、毛沢東の悲願を達成し、肩を並べたい習近平の悲願でもあるのですね。
毛沢東の専制政治の弊害を改革し、集団指導体制とその定年制度を導入し、改革開放経済で、日本を追い越し、いまや米国をも凌駕しかねない勢いの中国に導いたのは、鄧小平。
しかし、習近平は、毛沢東の専制政治時代への回帰を目指して、憲法や、党規の変更を進め、今回の党大会で、定年のない地位を確立し、集団指導体制も、政敵の、鄧小平の流れを継ぐ「共青団派」を一掃し、独裁体制を確立したことは、諸兄がご承知の通りです。
その習近平の新体制について、譚璐美氏が解説いただいています。
今こそ中国の「社会帝国主義」に立ち向かうタイミング、機会逃せば手遅れに 中国が加速させる台湾統一、「台湾有事」は「日本有事」と心得よ | JBpress (ジェイビープレス) 2022.11.10(木) 譚 璐美:作家
10月26日、中国共産党第20回大会が終幕し、党の最高規則である「党規約」の内容が公表された。この中で、「『台湾独立』に断固として反対し、抑え込む」という表現が新たに盛り込まれ、「祖国統一の大業を完成する」という目標が示された。また、2035年までに社会主義の現代化をおおむね実現させ、今世紀半ばまでに「社会主義現代化強国」を築く戦略も明記された。
これを受けて、AFP(10月27日付)は、米国のアントニー・ブリンケン国務長官が26日、米通信社ブルームバーグ・ニュースのイベントに参加した際のコメントを報道。ブリンケン氏は、中国は台湾に対する長年の「現状維持」路線を放棄し、台湾統一計画を加速させていると述べた。
■台湾問題は自由主義vs全体主義の「天下分け目の戦い」
長年の「現状維持」路線とは、1972年2月にニクソン米大統領(当時)が中国を訪問し、米中共同声明(上海コミュニケ)を発表して、両国が国交正常化に向けて努力する一方、台湾は中国領の一部であるとする「一つの中国」原則を認知したことに続いて、1979年1月、米中両国が正式な外交関係を結び、直前に発表した第二次上海コミュニケでも「台湾は中国の一部である」と再確認したこと。さらに1982年8月、第三次米中コミュニケによって、米国が台湾への武器供与を削減する一方、中国は台湾を平和裏に維持していく方針を明示したことなどを指している。
その間、1980年に開始されたハイレベルな交流によって、米中対話は深化し、世界戦略や政治経済、軍事関係が親密になり、国連を中心とした多国間の武器の管理や麻薬取引の撲滅などで効果を上げてきた。まあ、この時代は「米中蜜月時代」だったといえるだろう。
今回のブリンケン氏のコメントは、こうした約40年にわたる現状維持路線が「台湾の危機回避に役立ってきた」とした上で、「それを変えたのは中国政府だ。中国は、現状維持はもはや容認できないと判断し、統一に向けたプロセスを早めることを望んでいる」と述べたのである。
だが、これは中国に対して単に「長年の約束を破った」と怒っているのではない。今後一世紀にわたる世界の方向性を決める重大な局面にあり、強い危機感を抱いているのである。これは全体主義と自由主義の戦いであり、台湾問題こそが「天下分け目の戦い」だからだ。
■香港の運命を見て「中国とは絶対に融合できない」と身に染みた台湾の人々
振り返れば、台湾問題は根が深い。蒋介石総統率いる国民党と毛沢東率いる中国共産党が内戦に突入したのは1945年。「三大戦役」によって国民党が大敗を喫し、蒋介石は中華民国の政権中枢をそのまま率いて台湾へ避難した。そして今にいたるまで台湾を拠点として存続している。対する中国共産党は、1949年、国民党がいなくなった中国本土で中華人民共和国の樹立を宣言した。
以来73年間、中国と台湾はずっと対立しつづけてきた。要するに、中国共産党は政権を取ったものの、今にいたるまで完全に中国を制覇したと言えないのである。
台湾では、中国に融和的な馬英九政権の時代に中国本土との交流が進捗し、観光や合弁企業などが急増した。しかし、中国の国内事情を深く知るにつれ、未整備な法律、無法状態の社会、倫理観の欠如した国民性に嫌気がさし、全体主義に呑み込まれることの恐怖感から、独立を望む声が高まった。
「香港返還」以後、それまで維持されてきた「一国二制度」が、2021年の「国家安全維持法」によってあっけなく反故にされ、中国の全体主義に呑み込まれていく香港の姿を目にしてからは、「明日は我が身か」という切実な危機感から、台湾の人々は是が非でも「自由」を死守したいとの思いを強くした。もはや中国と台湾は絶対的と言ってよいほど融合できない関係なのだ。
■経済失速が見え始めた習近平体制、「歴史的偉業」のために台湾統一に固執する可能性大
中国は、「2028年までにアメリカ追い抜き、世界最大の経済大国になる」と豪語している。それが予測可能なことは、これまでの経済成長の勢いをみれば、誰もが認めざるを得なかっただろう。
しかし、ここへきて先行き不安が生じている。中国国内では不動産バブルが弾け、コロナへの過度な規制で経済的ダメージを受けている。人口減少と急速な高齢化、失業率の増加と立ち遅れた社会福祉も、経済成長の足を引っ張る大きな要因だ。富裕層を法規制して資産を国有化し、共産党一極に経済的な権力を集中させる政治中心主義は、西側国にとっては「国家リスク」と映り、対中投資に二の足を踏む原因になっている。
習近平国家主席は三期目の続投が決まったものの、もし経済成長という成果を誇示できなければ、外へ目を向け、武力を行使してでも「台湾統一」を実現し、「歴史的偉業」を成し遂げたことをもって三期目の成果とするほかにない。さもなければ、中国の「歴史に名を残す」という願望も潰えてしまうからだ。
だが、「台湾統一」は中国の国内問題では済まされないことは周知の事実だ。
もし焦燥感に駆られた中国が武力を行使して台湾を侵攻すれば、米国ばかりか日本を含めた周辺国も否応なく巻き込まれ、あるいは積極的に参戦し、世界の平和維持は極めて困難になる。中国は武力行使の勢いに乗って、尖閣諸島や沖縄もとりに来るだろう。「台湾有事」はそのまま「日本有事」に直結している。
おまけに南シナ海の強硬な領有権主張や、「一帯一路」政策が招いたのは「債務の罠」ばかりではない。
南米の漁場や鉱物資源を荒らしまくる中国漁船や中国企業。漢方薬の原料としてアフリカのライオンやロバの骨・皮を密輸入し、絶滅寸前に追いこんでいる無慈悲で卑劣な暴挙も目に余る。
仮に中国が「台湾統一」を実現したとすれば、それは米国ばかりか世界中の国々が、中国の行為を容認したことになり、次の一世紀に中国の覇権が世界の隅々にまで及ぶことは間違いないだろう。今はその瀬戸際にある。さて、世界はどうするか。
■鄧小平が残した戒め
1974年の国連総会第6回特別総会における鄧小平の演説の一節をご紹介しよう。
「もしも中国がいつの日か変節し、超大国となり、しかも世界の覇権を握り、至るところで他国をいじめ、侵略し、搾取するようになったなら、その時には、世界の人民は、中国のことを『社会帝国主義だ』と非難し、中国の悪事をあばき、中国に反対し、そして中国人民と協力して中国を打倒すべきです」
日本を含めた世界の国々は、未来の「自由」を守るために、「社会帝国主義」をばく進する中国に対して、今こそ総力を結集させて立ち向かう時ではないか。
10月26日、中国共産党第20回大会が終幕し、党の最高規則である「党規約」の内容が公表された。この中で、「『台湾独立』に断固として反対し、抑え込む」という表現が新たに盛り込まれ、「祖国統一の大業を完成する」という目標が示された。また、2035年までに社会主義の現代化をおおむね実現させ、今世紀半ばまでに「社会主義現代化強国」を築く戦略も明記された。
これを受けて、AFP(10月27日付)は、米国のアントニー・ブリンケン国務長官が26日、米通信社ブルームバーグ・ニュースのイベントに参加した際のコメントを報道。ブリンケン氏は、中国は台湾に対する長年の「現状維持」路線を放棄し、台湾統一計画を加速させていると述べた。
■台湾問題は自由主義vs全体主義の「天下分け目の戦い」
長年の「現状維持」路線とは、1972年2月にニクソン米大統領(当時)が中国を訪問し、米中共同声明(上海コミュニケ)を発表して、両国が国交正常化に向けて努力する一方、台湾は中国領の一部であるとする「一つの中国」原則を認知したことに続いて、1979年1月、米中両国が正式な外交関係を結び、直前に発表した第二次上海コミュニケでも「台湾は中国の一部である」と再確認したこと。さらに1982年8月、第三次米中コミュニケによって、米国が台湾への武器供与を削減する一方、中国は台湾を平和裏に維持していく方針を明示したことなどを指している。
その間、1980年に開始されたハイレベルな交流によって、米中対話は深化し、世界戦略や政治経済、軍事関係が親密になり、国連を中心とした多国間の武器の管理や麻薬取引の撲滅などで効果を上げてきた。まあ、この時代は「米中蜜月時代」だったといえるだろう。
今回のブリンケン氏のコメントは、こうした約40年にわたる現状維持路線が「台湾の危機回避に役立ってきた」とした上で、「それを変えたのは中国政府だ。中国は、現状維持はもはや容認できないと判断し、統一に向けたプロセスを早めることを望んでいる」と述べたのである。
だが、これは中国に対して単に「長年の約束を破った」と怒っているのではない。今後一世紀にわたる世界の方向性を決める重大な局面にあり、強い危機感を抱いているのである。これは全体主義と自由主義の戦いであり、台湾問題こそが「天下分け目の戦い」だからだ。
■香港の運命を見て「中国とは絶対に融合できない」と身に染みた台湾の人々
振り返れば、台湾問題は根が深い。蒋介石総統率いる国民党と毛沢東率いる中国共産党が内戦に突入したのは1945年。「三大戦役」によって国民党が大敗を喫し、蒋介石は中華民国の政権中枢をそのまま率いて台湾へ避難した。そして今にいたるまで台湾を拠点として存続している。対する中国共産党は、1949年、国民党がいなくなった中国本土で中華人民共和国の樹立を宣言した。
以来73年間、中国と台湾はずっと対立しつづけてきた。要するに、中国共産党は政権を取ったものの、今にいたるまで完全に中国を制覇したと言えないのである。
台湾では、中国に融和的な馬英九政権の時代に中国本土との交流が進捗し、観光や合弁企業などが急増した。しかし、中国の国内事情を深く知るにつれ、未整備な法律、無法状態の社会、倫理観の欠如した国民性に嫌気がさし、全体主義に呑み込まれることの恐怖感から、独立を望む声が高まった。
「香港返還」以後、それまで維持されてきた「一国二制度」が、2021年の「国家安全維持法」によってあっけなく反故にされ、中国の全体主義に呑み込まれていく香港の姿を目にしてからは、「明日は我が身か」という切実な危機感から、台湾の人々は是が非でも「自由」を死守したいとの思いを強くした。もはや中国と台湾は絶対的と言ってよいほど融合できない関係なのだ。
■経済失速が見え始めた習近平体制、「歴史的偉業」のために台湾統一に固執する可能性大
中国は、「2028年までにアメリカ追い抜き、世界最大の経済大国になる」と豪語している。それが予測可能なことは、これまでの経済成長の勢いをみれば、誰もが認めざるを得なかっただろう。
しかし、ここへきて先行き不安が生じている。中国国内では不動産バブルが弾け、コロナへの過度な規制で経済的ダメージを受けている。人口減少と急速な高齢化、失業率の増加と立ち遅れた社会福祉も、経済成長の足を引っ張る大きな要因だ。富裕層を法規制して資産を国有化し、共産党一極に経済的な権力を集中させる政治中心主義は、西側国にとっては「国家リスク」と映り、対中投資に二の足を踏む原因になっている。
習近平国家主席は三期目の続投が決まったものの、もし経済成長という成果を誇示できなければ、外へ目を向け、武力を行使してでも「台湾統一」を実現し、「歴史的偉業」を成し遂げたことをもって三期目の成果とするほかにない。さもなければ、中国の「歴史に名を残す」という願望も潰えてしまうからだ。
だが、「台湾統一」は中国の国内問題では済まされないことは周知の事実だ。
もし焦燥感に駆られた中国が武力を行使して台湾を侵攻すれば、米国ばかりか日本を含めた周辺国も否応なく巻き込まれ、あるいは積極的に参戦し、世界の平和維持は極めて困難になる。中国は武力行使の勢いに乗って、尖閣諸島や沖縄もとりに来るだろう。「台湾有事」はそのまま「日本有事」に直結している。
おまけに南シナ海の強硬な領有権主張や、「一帯一路」政策が招いたのは「債務の罠」ばかりではない。
南米の漁場や鉱物資源を荒らしまくる中国漁船や中国企業。漢方薬の原料としてアフリカのライオンやロバの骨・皮を密輸入し、絶滅寸前に追いこんでいる無慈悲で卑劣な暴挙も目に余る。
仮に中国が「台湾統一」を実現したとすれば、それは米国ばかりか世界中の国々が、中国の行為を容認したことになり、次の一世紀に中国の覇権が世界の隅々にまで及ぶことは間違いないだろう。今はその瀬戸際にある。さて、世界はどうするか。
■鄧小平が残した戒め
1974年の国連総会第6回特別総会における鄧小平の演説の一節をご紹介しよう。
「もしも中国がいつの日か変節し、超大国となり、しかも世界の覇権を握り、至るところで他国をいじめ、侵略し、搾取するようになったなら、その時には、世界の人民は、中国のことを『社会帝国主義だ』と非難し、中国の悪事をあばき、中国に反対し、そして中国人民と協力して中国を打倒すべきです」
日本を含めた世界の国々は、未来の「自由」を守るために、「社会帝国主義」をばく進する中国に対して、今こそ総力を結集させて立ち向かう時ではないか。
党大会で変更された「党規約」では、「『台湾独立』に断固として反対し、抑え込む」という表現が新たに盛り込まれ、「祖国統一の大業を完成する」という目標が示された。また、2035年までに社会主義の現代化をおおむね実現させ、今世紀半ばまでに「社会主義現代化強国」を築く戦略も明記されたと、譚 璐美氏。
これに対し、米国のアントニー・ブリンケン国務長官が26日、米通信社ブルームバーグ・ニュースのイベントに参加し、中国は台湾に対する長年の「現状維持」路線を放棄し、台湾統一計画を加速させていると述べたと、AFP(10月27日付)が報道。
今回のブリンケン氏のコメントは、約40年にわたる現状維持路線が「台湾の危機回避に役立ってきた」とした上で、「それを変えたのは中国政府だ。中国は、現状維持はもはや容認できないと判断し、統一に向けたプロセスを早めることを望んでいる」と述べたのであると、譚 璐美氏。
だが、これは中国に対して単に「長年の約束を破った」と怒っているのではない。今後一世紀にわたる世界の方向性を決める重大な局面にあり、強い危機感を抱いているのである。これは全体主義と自由主義の戦いであり、台湾問題こそが「天下分け目の戦い」だからなのだと!
「香港返還」以後、それまで維持されてきた「一国二制度」が、2021年の「国家安全維持法」によってあっけなく反故にされ、中国の全体主義に呑み込まれていく香港の姿を目にしてからは、「明日は我が身か」という切実な危機感から、台湾の人々は是が非でも「自由」を死守したいとの思いを強くした。もはや中国と台湾は絶対的と言ってよいほど融合できない関係なのだと、譚 璐美氏。
中国は、「2028年までにアメリカ追い抜き、世界最大の経済大国になる」と豪語している。それが予測可能なことは、これまでの経済成長の勢いをみれば、誰もが認めざるを得なかっただろう。
しかし、ここへきて先行き不安が生じている。中国国内では不動産バブルが弾け、コロナへの過度な規制で経済的ダメージを受けている。人口減少と急速な高齢化、失業率の増加と立ち遅れた社会福祉も、経済成長の足を引っ張る大きな要因だ。富裕層を法規制して資産を国有化し、共産党一極に経済的な権力を集中させる政治中心主義は、西側国にとっては「国家リスク」と映り、対中投資に二の足を踏む原因になっている。
習近平国家主席は三期目の続投が決まったものの、もし経済成長という成果を誇示できなければ、外へ目を向け、武力を行使してでも「台湾統一」を実現し、「歴史的偉業」を成し遂げたことをもって三期目の成果とするほかにない。さもなければ、中国の「歴史に名を残す」という願望も潰えてしまうと、譚 璐美氏。
仮に中国が「台湾統一」を実現したとすれば、それは米国ばかりか世界中の国々が、中国の行為を容認したことになり、次の一世紀に中国の覇権が世界の隅々にまで及ぶことは間違いないだろう。今はその瀬戸際にあると。
毛沢東の専制政治の改革をした鄧小平の戒め。
「世界の覇権を握り、至るところで他国をいじめ、侵略し、搾取するようになったなら、その時には、世界の人民は、中国のことを『社会帝国主義だ』と非難し、中国の悪事をあばき、中国に反対し、そして中国人民と協力して中国を打倒すべきです」
憲法や党規を変え、鄧小平の戒めを破った三期目の習近平。
日本を含めた世界の国々は、未来の「自由」を守るために、「社会帝国主義」をばく進する中国に対して、今こそ総力を結集させて立ち向かう時ではないかと、譚 璐美氏。
親中団体や議連の長の岸田氏や林氏の日本。
日本の戦後の復興を、松下氏に学び今日の中国の発展を成し遂げた鄧小平氏の戒めを、聞く耳自慢の岸田氏には聞き入れていただき、米国他の国々と共に、行動に移していただきたい。
# 冒頭の画像は、党大会最終日 退場させられる共青団派の胡錦涛
ドウタンツツジの紅葉
↓よろしかったら、お願いします。
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