遊爺雑記帳

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アメリカは中国と戦わない 日本が急ぐべき「自主的」尖閣対策とは

2023-04-07 01:33:56 | 東シナ海尖閣諸島
 アメリカ統合参謀本部議長マーク・A・ミリー陸軍大将はアメリカ連邦議会において「中国とロシアはアメリカの安全保障を脅かす能力を手にしているものの、中国やロシアとの直接的軍事衝突は回避不可能なわけでもないし、差し迫っているわけでもない」と証言。
 「現在のアメリカにとって、中国とロシアと同時に軍事衝突することは至難の業である」とも付け加えたのだそうです。
 ミリー大将の証言は、米軍インド太平洋軍司令官や太平洋艦隊司令官などが過去数年間にわたって繰り返し警告してきた「米中軍事衝突の危険性」についての見解を一蹴するものであり、バイデン政権の本音がとんだところから露見したと、北村氏。
 バイデン政権の対中強硬姿勢は見せかけに過ぎないと批判していた米海軍などの対中強硬派の人々は、バイデン政権にすり寄っていると、怒りを顕にしていると、北村氏。
 
アメリカは中国と戦わない 日本が急ぐべき「自主的」尖閣対策とは 尖閣諸島の主権を維持するための2つの策 | JBpress (ジェイビープレス) 2023.4.6(木) 北村 淳:軍事社会学者

 アメリカ統合参謀本部議長マーク・A・ミリー陸軍大将はアメリカ連邦議会において「中国とロシアはアメリカの安全保障を脅かす能力を手にしているものの、中国やロシアとの直接的軍事衝突は回避不可能なわけでもないし、差し迫っているわけでもない」と証言した。そして「現在のアメリカにとって、中国とロシアと同時に軍事衝突することは至難の業である」とも付け加えた

 かねてより
バイデン政権の対中強硬姿勢は見せかけに過ぎないと批判していた米海軍などの対中強硬派の人々は、バイデン政権にすり寄っている(と対中強硬派が非難している)ミリー大将が上記のような証言をしたことに対して、怒りを顕にしている

 
なぜならミリー大将の証言は、中国の軍事的脅威に対して最前線に位置している米軍インド太平洋軍司令官や太平洋艦隊司令官などが過去数年間にわたって繰り返し警告してきた「米中軍事衝突の危険性」についての見解を一蹴するものであり、バイデン政権の本音がとんだところから露見したからだ。

 もっとも
中国は、南沙諸島や台湾に対する軍事的威圧を着実に強化していることは確実であるが、アメリカが主導する有志連合による軍事介入を招くようなレベルの軍事的威圧は差し控えている。同時に、ロシアウクライナ侵攻のようにアメリカならびにアメリカ陣営による挑発に突き動かされる愚を犯さないように心がけている

 このような中国の自制については、長年にわたって中国軍の動向の分析を手掛けてきている米海軍情報局などの専門家たちは、常々「中国はロシアよりはるかに賢い」と述べている。

 要するに、
中国による台湾やフィリピンそれに日本などに対する軍事的威圧は、広義のグレーゾーンに属する軍事力行使であって、アメリカとの直接的軍事衝突はもちろんのこと、ウクライナ戦争のような代理戦争をも極力避けて「戦わずして勝つ」(戦闘を経ずして戦争目的を手にする)という伝統的な戦略を推進しているのである。

「日常の風景」になった尖閣周辺の中国公船
 
尖閣諸島に関しても、まさにこの戦略のもとグレーゾーン分野での軍事的威圧を、すなわち露骨に軍艦や軍用機を投入するのではなく海警局巡視船をはじめとする公船や海軍補助艦船(海洋調査船など)それに海上民兵を含んだ漁船群などを執拗に送り込んでいるのである。

 実際に、海上保安庁の一條正浩第11管区海上保安本部長は退任にあたって、中国海警局巡視船などの尖閣諸島周辺領海内や接続水域内への侵入・滞在は繰り返されているものの「現場の肌感覚的には」エスカレートしていると感じる現象はないという趣旨の発言をしている。

 
尖閣周辺では、中国側が武力行使を露骨に示すような行動は差し控えつつ、執拗に継続して海警局巡視船などを尖閣諸島周辺海域に展開させることにより、中国公船が尖閣周辺海域に姿を見せているという状態がまさに「日常の風景」になっている日本側に対しても、「日常の風景」としてそれ以上の軍事的動き、たとえば海警局巡視船に加えて海軍艦艇も頻繁に接続水域や領海内を航行するような動きを見せない限り、「中国側の行動はエスカレートしていない」と感ずるように仕向けているのである。

 中国海警局をはじめとする
中国公船の尖閣諸島周辺海域での存在が「日常の風景」として定着しているということは、同海域を海上保安庁のパトロールが継続しているからといっても、国際社会では日中どちらの領域かますます不鮮明にならざるを得なくなる。「日常化」こそグレーゾーン戦略の眼目なのだ

 また、
アメリカとしても、中国公船が尖閣諸島周辺海域に日常的に姿を見せている状態に対して日本政府が日本の主権をアピールするための強硬かつ効果的な行動を取らない限り、「民主主義国のリーダーとしての体面に傷がつく」といった体面維持のために無理をする必要性が薄らぐのは理の当然である

アメリカが中国との軍事衝突を避けることは確実
 
したがって日本政府が真から尖閣諸島を日本の領土であるとの立場を維持して尖閣諸島ならびに周辺海域における我が国の主権を維持しようとの意思があるのならばアメリカに頼り切るだけの方針を即刻捨て去り、日本独自の主権維持行動を発動しなければならない

 
その結果、以下のどのような結果が生ずるのかは定かではない

(1)
中国が軍事力を露骨に発動して尖閣諸島を占領しようとするものの、アメリカによる日本防衛戦が開始されて日米連合軍によって中国軍が撃退される。

(2)
中国が尖閣占領軍事作戦を発動するものの、アメリカはなんらかの正当化理由を申し立てて中国との衝突を避けてしまい、尖閣諸島が中国の手に落ちる

(3)
中国が日本側の断固たる措置に対してグレーゾーン的軍事的威嚇を格段に強化しつつ、再び尖閣に対する主権国があやふやな状態を長年にわたって続ける戦略を維持する。

 いずれにしろ、
現在の米中海洋戦力バランスから推測すると、アメリカが中国との軍事衝突を避けることはほぼ確実である。また、中国にとっての尖閣諸島、台湾、南沙諸島、西沙諸島に対する国家主権と国益維持のプライオリティを考えると、尖閣諸島で露骨に軍事力を発動してしまうと台湾や南シナ海に悪影響を与えるため、おそらくは上記3の長期戦策に落ち着くものと思われる

尖閣諸島の主権を維持するための2つの策
 本コラムでは繰り返し繰り返し提示してきたが
、尖閣諸島の主権を維持するために日本政府が意思さえあれば技術的に実施可能であり効果的なのは以下の2つの策である。

(1)尖閣諸島の魚釣島に
コンテナハウスを利用した気象測候施設と海難救助施設ならびにレーダー設備を伴う超小型高性能灯台を設置する(訓練が行き届いた特殊作戦部隊ならば半日で設置が可能。本コラム2020年5月14日、2020年12月10日、2022年11月24日など)。

 2)
大型貨物船を改造してヘリパッドや小型警備救難艇収納設備を備えた海上保安庁巡視基地船を3隻建造し、交代で常に1隻は尖閣周辺領海内に常駐させる(2022年1月6日、2022年11月24日など)。

 理想的にはこれらの2つの策を実施すれば、
日本もいよいよアメリカの属国から真の独立国に転換しようという意気込みを国際社会に知らしめるとともに、アメリカの真意、中国の覚悟の度合いが目に見える形で提示されるであろう。


 中国は、南沙諸島や台湾に対する軍事的威圧を着実に強化していることは確実であるが、アメリカが主導する有志連合による軍事介入を招くようなレベルの軍事的威圧は差し控えている。同時に、ロシアウクライナ侵攻のようにアメリカならびにアメリカ陣営による挑発に突き動かされる愚を犯さないようにも心がけていると、北村氏。
 アメリカとの直接的軍事衝突はもちろんのこと、ウクライナ戦争のような代理戦争をも極力避けて「戦わずして勝つ」(戦闘を経ずして戦争目的を手にする)という伝統的な戦略を推進しているとも。

 尖閣周辺では、中国公船が尖閣周辺海域に姿を見せているという状態がまさに「日常の風景」になっている。
 中国海警局をはじめとする中国公船の尖閣諸島周辺海域での存在が「日常の風景」として定着しているということは、国際社会では日中どちらの領域かますます不鮮明にならざるを得なくなる。「日常化」こそグレーゾーン戦略の眼目なのだと、北村氏。

 アメリカとしても、中国公船が尖閣諸島周辺海域に日常的に姿を見せている状態に対して日本政府が日本の主権をアピールするための強硬かつ効果的な行動を取らない限り、「民主主義国のリーダーとしての体面に傷がつく」といった体面維持のために無理をする必要性が薄らぐのは理の当然であると、北村氏。

 したがって日本政府が真から尖閣諸島を日本の領土であるとの立場を維持、我が国の主権を維持しようとの意思があるのならば、アメリカに頼り切るだけの方針を即刻捨て去り、日本独自の主権維持行動を発動しなければならないと!

 その時生じる事態の可能性は以下。
 (1)中国が軍事力を露骨に発動して尖閣諸島を占領しようとするものの、アメリカによる日本防衛戦が開始されて日米連合軍によって中国軍が撃退される。
 (2)中国が尖閣占領軍事作戦を発動するものの、アメリカはなんらかの正当化理由を申し立てて中国との衝突を避けてしまい、尖閣諸島が中国の手に落ちる。
 (3)中国が日本側の断固たる措置に対してグレーゾーン的軍事的威嚇を格段に強化しつつ、再び尖閣に対する主権国があやふやな状態を長年にわたって続ける戦略を維持する。

 いずれにしろ、現在の米中海洋戦力バランスから推測すると、アメリカが中国との軍事衝突を避けることはほぼ確実。
 中国にとっての尖閣諸島、台湾、南沙諸島、西沙諸島に対する国家主権と国益維持のプライオリティを考えると、尖閣諸島で露骨に軍事力を発動してしまうと台湾や南シナ海に悪影響を与えるため、おそらくは上記3の長期戦策に落ち着くものと思われると、北村氏。

 尖閣諸島の主権を維持するために日本政府が意思さえあれば技術的に実施可能であり効果的なのは以下の2つの策だと。
 (1)尖閣諸島の魚釣島にコンテナハウスを利用した気象測候施設と海難救助施設ならびにレーダー設備を伴う超小型高性能灯台を設置する。
 (2)大型貨物船を改造してヘリパッドや小型警備救難艇収納設備を備えた海上保安庁巡視基地船を3隻建造し、交代で常に1隻は尖閣周辺領海内に常駐させる。

 理想的にはこれらの2つの策を実施すれば、日本もいよいよアメリカの属国から真の独立国に転換しようという意気込みを国際社会に知らしめるとともに、アメリカの真意、中国の覚悟の度合いが目に見える形で提示されるであろうと、北村氏。

 一昨年の秋の、中国が勝手に設定ている尖閣周辺の海域での漁期解禁時に、民兵を載せた大漁船団が押し寄せると話題になり、諸対策が、自民党内や巷の専門家間で姦しく論じられましたが、襲来はなく(日本海に向かった?)、今日ではすっかり議論(日本の実効支配策)も、音沙汰なし。日本メディアや識者の熱しやすく冷めやすい風潮?

 習近平の独裁政治体制が確立された今日。習近平がレジェンド造りで、台湾侵攻を本格化させることは、世界中の眼が注目し、そう遠くない時期に着手される見方が主流ですね。

 日本の尖閣諸島実効支配策議論が冷めた今日、残された時間は減る一方。是非、機論を深め、対策の実施が求められますね。
 北村氏の 2つの案に賛成です。



 # 冒頭の画像は、米国海軍の遠征基地艦



  この花の名前は、イカリソウ


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