Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

40歳の童貞男

2008-04-25 | 外国映画(や・ら・わ行)
★★★★ 2005年/アメリカ 監督/ジャド・アパトー
「尻上がりに面白くなる」


いい年した童貞男をみんなでいじって、下ネタで笑わせておいて、後は「童貞喪失バンザイ!」というちゃらけた映画かと思っていたら、さにあらず。だんだん尻上がりに面白くなる。後半はピュアなラブストーリーで、初恋を叶えるために仲間がこぞって奮闘するような青春映画のよう。コメディあまり観ない方なので偉そうなことは言えませんが、「もしも昨日が選べたら」よりは断然良かったです。

確かに卑猥な言葉も出てくるけど、演出としては、無理矢理エロなシーンにするベタさがなくって、むしろ爽やかなシーンの方が印象に残ってたりするの。颯爽と自転車通勤してるシーンとか、子供に手品を見せたりするシーンとか。アンディ自身にまつわる描写はすごく好感が持てる。別にこの人、変わることなんかないじゃない。今のままでもいいじゃない、なんて思ったりして。そういう気持ちで観ているから、後半はごく普通の初恋物語に見えてきて微笑ましいの。あと、相手役をキャサリン・キーナーにしたのが良かったね。彼女が出ているおかげで、おバカ映画には全然見えない。

それから、音楽の使い方がとってもツボを抑えてる。冒頭、電気店で「毎日マイケル・マクドナルドばっかり流すな!」って怒ってる店員がいて、爆笑。(私は「ヤ・モ・ビー・ゼア」好きなんだけどなあ)で、アンディが意を決してポルノビデオ見るシーンは、なぜかライオネル・リッチーのメロウなバラード「ハロー」。この組み合わせ方、うまいなあ。で、ラストの「アクエリアス」で歌って踊っての大団円でしょ。80年代のなつかしポップチューンがしっかり笑いを引き出していて、なかなかやるじゃん、と思ってしまいました。