Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

シックス・センス

2011-04-25 | 外国映画(さ行)
★★★★ 1999年/アメリカ 監督/ナイト・シャラマン

「孤独な魂を持つ者同士」

3回目の観賞だけど、やっぱり面白い。初見の時は、このどんでん返しにスッカリ騙されて仰天している間に終了。二度目の観賞は、ああなるほど見返してみると、いろいろ辻褄が合うなあと。で、3度目以降では、シャラマンの緻密な演出とストーリーテラーとしての巧さのおかげで少年と医師の出会いと別れの物語が浮かび上がる。

幽霊が見えてしまう少年コールと、少年を助けたい医師マルコム。ふたりともに、周囲に理解者がおらず、孤独だ。その寂しさがこちらに伝わり、恐ろしい話なのに、とても切ない。「シックス・センス」というタイトルは、そのインパクトの大きさからも実に巧いタイトルだと思う。心霊とか、ホラーと言った誰でも食い付きやすいキャッチーな魅力を持っている。でも、こうして何度も見るとこのタイトルは本作の本質を表しているのか、という疑問も湧いてしまう。それほどに、傷ついた心を持つふたりの物語が観客を惹きつける。もちろん、この部分が秀逸だからこそ、本作はただのどんでん返しがウリではない秀作になっているんだろう。

幽霊が登場するシーンも恐怖からの驚きもあるわけだけど、幽霊が出てくること=コール少年の苦悩という図式にすっかり観客もはまっているだけに、幽霊が現れる度に見ているこちらもつらくなってしまう。その苦悩をひしひしと観客に伝えるハーレイ・オスメントの抑えた演技力がすばらしいんでしょう。子供なのに抑えた演技ってのがね。また、個人的にはドンパチやってるよりもこういう静かな演技のブルース・ウィルスが好きだな。