Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

タワーリング・インフェルノ

2013-08-25 | 外国映画(た行)
★★★★★ 1974年/アメリカ 監督/ジョン・ギラーミン 、 アーウィン・アレン
(映画館にて鑑賞)

「マチズモ映画なれど星5つ」

午前十時の映画祭にて観賞。
1974年、CGのない時代にこれだけのスケールで災害の恐怖をまざまざと見せつけたことにただただ感動。
今年映画館で見た映画の中でダントツに面白かった。
それだけ新作映画に魅力がないということなのかと思うとそれもまた寂しいのだが。

小さなボヤがやがて130階建てのビルを炎で包む。
ガラスは砕け散り、人々は恐怖に逃げ惑う。
いや、本当に本当に火事って怖い。

早く逃げなきゃいけないのに、火事が起きたことを言わないオーナーだとか、
秘密の情事にふけっているサラリーマンと秘書だとか、
かなりベタな展開もありますが、そこはまるで気にならない。
なんででしょうね。本来ならツッコミどころ満載で醒めてしまうような展開でも、前のめりが止まらない。
火事の原因を作った設備の責任者(オーナーの娘婿)が責任転嫁しまくり、
あげくの果てには自分さえ助かればいいととんでもない行動に出始めるというこれまたお約束の展開。
それでも、それでも、面白い!

二大スター、ポール・ニューマンとスティーブ・マックイーン。
セリフの数やエンドロールの順番など、かなりもめたようだけど、
観客としては、この渋い二枚目俳優が並んでスクリーンに映るだけで胸躍る。
やはり消防隊のリーダーとして次々と難局に立ち向かうスティーブ・マックイーンがカッコ良すぎる!

でもさあ、最上階で取り残された女どもの描き方が気にくわないよね。
この時代はどれもこれもマチズモ映画だからしょうがないんだろうけど。
パーティの装いであるドレス姿で右往左往、そしてキャーキャーわめく。
とにかくドレスのひらひら具合が見てて腹立つ。
そんなもん着てる場合じゃなかろう。という苛立ち感。
そして、カナリア女どもを頑張って救出する男たちという構図。
この後、「ワールド・ウォーZ」を見たらブラピを援護するのが片腕切り落とされても頑張る女性兵士。
やっぱりフェミニズムの流れがあって、今のアメリカ映画はここに辿り着いたわけだよねと感じ入るものがあるのでした。
(アメリカが本当の意味で男女平等かというのは全く別の話)

まあ、そんなフェミ目線の介入もありつつ、
パニック時の人間模様と壮大なスケール感に圧倒され、大満足なのでありました。