Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

先生を流産させる会

2013-08-26 | 日本映画(さ行)
★★★★ 2011年/日本 監督/内藤瑛亮
(WOWOWにて鑑賞)

「私の体は誰のものか」

これはとても気に入りました。
映画としての絵づくりがきちんとできています。
60分程度の作品で、こんなに暗い話はこれくらいが限界だろうという感想もあるようですが、
私はむしろ120分かけて、5人組のそれぞれの立ち位置や
カリスマの女の子がだんだんと孤立する様をじっくり見たかったです。
首謀者を思春期の女子生徒にすることで妊娠への嫌悪という構図は、
ある意味わかりやすくなります。
女はみんな気持ち悪い生き物。
その共感と嫌悪がうまく表現されていました。
このじめじめした女子ならではの複雑な関係を男性監督が撮っているというのが面白いです。

妊娠した女性教師を気味が悪いと思う、女性中学生。
これはやはり、女性特有の身体性の物語なんですね。
園監督の「恋の罪」と同じモチーフではないでしょうか。
妊娠によって、赤ん坊に体を乗っ取られる女。
初潮によって、違う体に変わる中学生。
自らの意思とは関係なく、変貌する体へのとまどい。
私のこの体は、私のものなのか。その不安が恐ろしい

さて、実際の事件は首謀者は男子中学生です。
これ、男子だとまたずいぶん物語の核は変わってきます。
男子生徒だとどういう映画になるのだろうと不謹慎ながら考えてしまいました。