Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

大奥~永遠~

2013-09-03 | 日本映画(あ行)
★★★ 2012年/日本 監督/金子文紀
(DVDにて鑑賞)

「今見るとなれそめ映画」

漫画ファンからしますと、前作が失敗だった失望感をすでに味わっているので
まあ、こんなもんかと受け止められる範疇でした。
主演2人が結婚したので後から見ると完全に「なれそめ映画」の感覚。

漫画では綱吉編のくだりは、吉宗からいったん時代がさかのぼっているので、
結構人間関係がややこしかったりして、何度も読み直したりしました。
そのあたりのパワーバランスの見せ方は比較的わかりやすく描かれていたなあと思います。
この人はどっちの権力側?という基本的な部分はおそらく漫画を読んでいない人も混乱しなかったのではないかと。

それにしても、色に走った中年女、綱吉の業を表現するには菅野美穂では役不足ですね。
原作でも非常に複雑な心理状態が描かれているので、もともと難しい役どころです。
まともに描いたらビッグバジェットの映画にふさわしい作りには到底ならない。
やはりこの原作は映画向きではないということを痛感します。
設定がセンセーショナルなだけに映像化に走りたい気持ちはわかるけど、
男女逆転から生み出される男の心情、女の心情は実に複雑で、
裏の裏を読み解くような、「間」を必要とする作品で、
こういう体裁の映画ではとても無理だと思います。