Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

愛と希望の街

2013-09-22 | 日本映画(あ行)
★★★☆ 1959年/日本 監督/大島渚
(DVDにて鑑賞)

「貧困と裕福の溝。今も変わらぬテーマ」

大島監督デビュー作。
大島渚の作品を最初から見直してみるというのを少し前からやっている。
病気がちな母親のいる貧しい家庭に育つ少年は鳩の帰巣本能を利用して、
同じ鳩を何度も売って生活費に充てていた。
ある日、取りすがりの大企業の娘が鳩を買い、彼と親しくなる。
彼女は身分を超えて親愛の情を抱き、彼の就職探しに奮闘するのだが…。

金持ちと貧乏人は永遠にわかり合えないという話です。
鳩が一つのモチーフになっていて、ラスト、
金持ち息子が鳩を撃とういうカットなども、絵としてカッコイイです。
古い映画って、テーマは汗臭いんですけど、おっと思わせるカッコイイカットがあります。

今よりも身分差別や貧困があからさまな社会テーマとなっていた時代。
あれから、解決しているかというと、全くそういうこともなく。
ブラック企業だの、派遣切りだの、ニートだの、貧しさは今の日本にも巣くっている。
原発問題も含め。
こうした、硬派な映画をもっと作っていくべきだよね。