Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

ザ・ブルード 怒りのメタファー

2018-03-02 | 外国映画(さ行)
★★★★☆ 1979年/カナダ 監督/デビッド・クローネンバーグ

(U-NEXT)

キモい!グロイ!話がそもそも変過ぎw!
初期クローネンバーグのまごうことなきカルト作品。
精神科医ラグランが編み出したサイコプラズミスクス療法によって、怒りがある物を生み出す。
まあ、その生まれたものの気持ち悪いこと!
精神の有り様を可視化するというのはクローネンバーグのモチーフではあるが、
これが自身の離婚調停経験に基づくものだというのだから、闇が深い。
つまり、怒り狂いおかしなものを体から生み出す女が自分の妻をイメージしているということ。とほほだよ。
身近な女性への憎悪って、作品作りへの原動力なのかもねー。ヒッチコックしかり。

標的となる主人公の娘は常に無表情でラストにはおぞましいモンスターたちから一斉攻撃。
マジでこの子役のメンタルは大丈夫なのか。
震える舌に匹敵する子役トラウマ作品とも言える。
しかし、怒りを栄養素に体外子宮から赤ん坊が生まれるとか、
今さらながらクローネンバーグの発想力は凄まじいね。