Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

バグダッド・カフェ

2019-04-07 | 外国映画(は行)
★★★★☆ 1987年/西ドイツ 監督/パーシー・アドロン

公開当時見に行って、久しぶりの再見。すばらしい作品だった。映画って、観客の心に刺さるショットがひとつでもあるかどうかってのがいちばん大事だと思うわけで。そういう意味で本作は刺さるショットの宝庫だと言えると思う。この飄々としたテンポ感はいわゆるオフビートってやつなんだけど、オフビートという言葉以上の豊かさがこの映画にはあるよね。やはり、外せないのはドイツ人女性を演じるマリアンネ・ゼーゲブレヒトの存在感。アメリカの何もない砂漠地帯における彼女の異質感といったら!絵のモデルになってからは不思議な衣装で胸も露にするなど、ことごとく観客をギョッとさせてくれる。このギョッとする感じとハートウォーミングな展開のギャップ感が本作を唯一無二な作品にしているのだろう。見終わったあとに、自分が今いる場所で人生を楽しめればいいじゃないかと前向きにさせてくれる。