★★★☆ 2017年/フィンランド 監督/アキ・カウリスマキ
絵画のような構図で交わされる飄々としたセリフのやりとりに思わずくすっと笑ってしまうが、お話はとってもビターである。アラブ人であるというだけで差別するネオナチも、黙って移民のカリードをかくまう善意あるレストランの人たちも同じフィンランド人だ。なぜ、その差が生まれてしまうのか…。それにしても、メシのまずいレストランの面々がどいつもこいつもいいキャラクター。寿司を出すと商売繁盛するらしいぞってことで、いきなり日本食レストランになるが、まあ寿司のまずそうなことといったら!レストランまわりのエピソードはほとんどコントである。だからこそ、移民問題の闇がコントラストとして浮き上がってくる。カウリスマキらしい悲喜劇を楽しみました。