★★★★☆ 2019年/アメリカ 監督/トッド・フィリップス
(映画館)
偶発的な殺人事件を一つの契機として大した思想もないアーサーを反逆のアイコンとし、暴動に突き進む。その社会の有り様の方がジョーカーの成り立ちよりも興味深かった。地下鉄の演出がキレキレなの痺れた。トンネルで光が明滅するところ。あとホアキンの肩甲骨の出っ張りがすごかった。
それとあの太極拳みたいな舞踏。気味悪くていいよね。土方巽かな。
ヴィランの誕生潭としてはとっても見応えがあったけど、アーサーの周囲に些細な日常に幸福を見いだせるような良き人も配置してほしかった。そういう人たち殺すのか、無視するのか、取り込むのか。彼らとどう対峙するのか見たかったな。だって、殺される人、みんなアーサーにとってちょっと嫌なヤツばっかでどうしてもアーサーに同情しちゃう展開なのね。ちょっとそこが歯がゆかったな。