Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

時計じかけのオレンジ

2019-10-28 | 外国映画(た行)

午前十時の映画祭にて鑑賞

暴力と権力について描いた史上最強のウルトラブラックコメディ。おぞましくて、恐ろしくて、美しくて、圧倒的。DVDで何度も見た本作を映画館で見られてもう思い残すことはない。近年何度も映画館で鑑賞する機会に恵まれた2001年と比べると長い道のりだった。

スクリーンで見ると脇役陣のオーバーアクトな怪演が本作を支えているのがよくわかる。顔芸のオンパレードじゃんね。笑っちゃイカンのに笑っちゃうよ、これは。本作のイッちゃってる感を見ると、ジョーカーなんてもの凄く真面目な映画だなあと思わされる。建築やアートにおいても洗練されている事もありこんな非人道的な主人公の作品ながら何度も見たいと人々に思わせてしまう。これから何十年も何百年もキューブリックは本作を通じ観客に快楽と苦痛、内省を与え続けるのだと思うと映画の力と怖さを痛感する。そしてそれこそが、映画のすばらしさでもあるんだよね。