★★★★ 2017年/ドイツ 監督/ファティ・アキン
「二度」の意味を探りつつ迎える衝撃のラスト。胸をえぐられるようなエンディングで実に余韻が残る作品だ。夫と息子を奪われた一個人が法でも裁けぬテロ犯にどう立ち向かえるというのか。悲しみと絶望の果てに行き着く彼女の決断を誰が非難できよう。絶望シネマの秀作。
テロにより家族を失い、その後精神不安定で接種したドラッグのため警察からも信用されなくなり、あげくの果てには裁判も…という負の連鎖でどん底まっしぐらな展開だが、ダイアン・クルーガーの演技は必見。四面楚歌の状況で己を奮い立たせ、挫折し、また立ち上がる。その姿がとても感動的だった。