★★★★★ 1952年/フランス 監督/ルネ・クレマン
鑑賞後にえげつないくらい落ち込むが、2人の子役の演技が実にすばらしく、むしろあの感傷的なギターの調べが邪魔に感じられるほどである。特にポーレットを演じた少女の微細な目の動きが奇跡的で一体どのように演技指導したのだろうかと思う。
幼い子供なりに死を弔いたいという思いは芽生えるのだ。必死に十字架を捧げる姿の何と痛々しいことか。冒頭、パリ育ちのポーレットが祈りの言葉を唱えられないことを農家の人々は訝しむが、その時からポーレットの救済は実行されない事が決まっていたのだろうか。神は何と無慈悲なことをするのだろう。