【わんちゃんの独り言】

毎日の生活の中で見たこと、聞いたこと、感じたこと、思いついたこと等々書き留めています
(コメント大歓迎デス・・・・・)

映画鑑賞会~私のちいさなピアニスト(韓国映画)~

2007-09-27 | 映画・演劇・ミュージック・コンサート
[ストーリー]
20世紀を代表する天才ピアニスト、ウラディミール・ホロヴィッツこちらに憧れ、一流ピアニストを目指したジス(オム・ジョンファ)。
夢半ばで破れ、失意の中ひとりソウル郊外に小さなピアノ教室を開いた。
やがて近所に暮らす両親を亡くした孤独な少年、キョンミン(シン・ウイジェ)が“絶対音感”の持ち主であることを知り、彼をコンクールで優勝させることでピアノ教師としての名声を獲得しようと野心を燃やすが…。

キョンミンを演じているのは実際に9ヶ月ピアノを習っただけでコンクールに優勝してしまったという経歴の持ち主。
韓国内のピアノ教室から選ばれたそうです。
ピアノを弾くシーンは目を見張るものがありました。
彼の演技で特に好きだったのがピアノを教えてくれるジスのことを愛しいママを見つめるように目で追っていたキョンミンの顔でした。

生意気で礼儀しらずのジスがピアノを奏でる姿を見て一発で恋におちてしまったピザ屋の主人を演じていたのはパク・ヨンウ。
彼のちょっと的をはずれた笑いとジスを見守る優しさが良かったですね~。

ストーリーには意外性はないけれどそれぞれの心の動きが丁寧に描かれていたんじゃないでしょうか。
人は誰でも誰かより優位でありたいと思い、自分の越えられなかった壁を生活環境や何かのアクシデントのせいにして自分を庇護しようとする。
自分を認めてもらいたいと躍起になる。
ジスもまた名ピアニストになりたいという夢に破れ、友人たちとも疎遠になっていたときにキョンミンに出会い、自分の満足の為にキョンミンを育てて名声を得ようと考えていた。
そしてその願いが今まさにかなうというときにキョンミンの過去の心の傷が原因で叶えられることが出来なかった。
落胆しキョンミンに怒りをぶつけキョンミンを突き放すジス・・・。
この時のジスにいつもおちゃらけてるピザ屋のおやじ(パク・ヨンウ)が『キョンミンを自分の満足の為の道具にするな』・・・・みたいなことを言ってくれるんですよね。
すご~くありきたりなセリフだけどこの言葉でジスが変わっていく様が良かったです。

結構泣き所も多くて私かなり泣いてきました
映画の中で流れるピアノの曲もステキでした。
特に『トロイメライ』はキョンミンにとっても音楽に目覚める曲になっていました。

そして圧倒的だったのがラストの成長したキョンミンがコンサート会場で弾いたラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」。
そして、最後に彼は舞台上からこう挨拶する「もし彼女がいなければ、今の僕はなかったでしょう、ありがとう、そして愛してます」それは間違いなく客席に座るジスへのメッセージだった。
そうして、ジスとキョンミンのレッスンの思い出の曲、シューマンの「トロイメライ」”小さな夢“のメロディを奏でるのだった・・・

成長したキョンミンには本物の天才ピアニスト、ジュリアス・ジョンウォン・キムがキャスティングされて実際の演奏が流れました。
クラッシック好きな方には音楽だけでも楽しめるかもしれません。
もちろんあまり詳しくない人(私のように)でも聞き覚えのある曲ばかりだと思うので十分楽しめると思いますよ。

この映画に出会ったきっかけは、ブログ友の「わんちゃん、この映画が近くで上映されたらぜひ観て下さいね」のメッセージでした。
観てよかったです・・・・