落穂日記

映画や本などの感想を主に書いてます。人権問題、ボランティア活動などについてもたまに。

ミゾケンまつり

2007年02月25日 | movie
『楊貴妃』
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どんな巨匠でも全作品がもれなく大傑作というわけではない、とゆー一般論はわかってたけど、これはもう明らかに大失敗。全然ダメ。最悪。
てゆーかなんで日本人は大陸の歴史映画を撮りたがるんやろー(もーすぐ公開のアレとかさあ)。誰がどー考えてもムリあるのに。なんぼミゾケンでもやっぱムリでしたー。みたいな。
衣装とか美術とか音楽とかすんごい頑張ってるし、カラーだし、お金はすごくかかってるのもわかるんだけど、脚本がもうグダグダ。京マチ子のぷりぷりボディ以外に盛り上がるところもなし(爆)。よっぽど寝てやろうかと思ったけど、¥1600が惜しくて寝れませんでした。貧乏性。

ミゾケンまつり

2007年02月25日 | movie
『お遊さま』
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谷崎潤一郎の『芦刈』の映画化作品。
谷崎ワールドでありつつしっかり溝口ワールド、お耽美なんだけど嫌味じゃない、それでいて谷崎独特のおバカキャラがっつり炸裂という、とっても楽しい映画でした。
谷崎作品の登場人物って基本的にアホじゃないですか。子どもっぽくって、ワガママで、自己中心的でガンコ。それを人は「ピュア」とかゆーのかもしらんけど、要はアホでしょ。読んでていっつも「コラァ〜!マジメにやれ〜」とか思いつつ共感しちゃう、人間性の極致をすっごくかわいく描いている。そのかわいさを、この映画ではめちゃめちゃ大真面目に忠実に再現している。上手いなあー。やるなあー。
もうねえ、どいつもコイツも見事なアホっぷり。ぜんぜん周りが見えてない。とくに乙羽信子(可憐!!)演じるお静なんか何考えてんのかサッパリわからない。観てていちいち「なんでやねん!!」とココロの中で叫びまくり。だって彼女いってることと態度が思いっきり真逆なんやもん。でもそんなとこがカワイイのよ。愛くるしいのよ。たとえばそんな感じ。

愛する人がいて、家族があって、お金もあって、若さもあって、それでも人生は思うようにはいかない。世間の噂やらしきたりやらプライドやら、そんななんでもないようなものに縛られて苦しみながら死んでいくのが人生というものなのか。
けど結局なんだかんだいって自分の思うように生きたお静は幸せな女だったような気がする。傍目には姉と夫の忍ぶ恋の犠牲になったかわいそうな妹のように見えるかもしれないけど、その立場を選んだのは彼女自身だし、彼女にそんな犠牲を強いたのも彼女自身だ。最後には夫に大切にされ子どもももうけた。したいことはやったのだから、彼女の死は不幸ではないと思う。
ぐりは谷崎も好きだし、この映画も好きです。おもしろかった。前半、暑さ負けでお遊(田中絹代)が倒れてるシーンに登場する馬が頭に麦わら帽子をかぶってたのがカワイかったです(爆)。