落穂日記

映画や本などの感想を主に書いてます。人権問題、ボランティア活動などについてもたまに。

オスカーまつり

2008年04月26日 | movie
『つぐない』
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=htsmknm-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B00130HI7O&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>

んー。イマイチ!
あのー、やっぱハリウッドって英国文学モノに弱いんだねー・・・。
イヤ、いい映画だと思うよ。すごくきちっとマジメにつくってあるし、完成度には文句はない。けどぶっちゃけていえば、この映画、失敗作だと思う。残念ながら。
セシリアを演じたキーラ・ナイトレイは妹ブライオニー=主人公に当初キャスティングされてて、シナリオを読んだ本人の希望でセシリアに替えたという経緯があるらしいんだけど、モロにそれが裏目にでてしまっている。キャストがスターだからって製作陣がホイホイいうこと聞いてたら、場合によっては作品そのものがダメになってしまうとゆー典型ですな。

時代は1935年、姉セシリア(ナイトレイ)と使用人の息子ロビー(ジェームズ・マカヴォイ)の親密な場面を偶然目撃したブライオニー(シアーシャ・ローナン)。その夜、従姉のローラ(ジュノー・テンプル)がある男に乱暴された現場に居合わせたのをいいことに、以前からロビーに好意を抱いていた彼女は嫉妬のあまり犯人はロビーだとウソの証言をしてしまう。ロビーは刑務所に送られ、セシリアは家出。18歳になったブライオニー(ロモーラ・ガライ)は自らのしたことを激しく後悔しながら看護婦の訓練を受けるようになり、その苦悩を小説に書き綴り始める。
ね。主人公は妹なんだよね。一瞬の激情で恋に堕ちたセシリアとロビーの物語は戦時中なら世界中どこにでも転がっていたありふれた悲劇のひとつでしかないし、ふくらませようもない。それよりは、想像力豊かな少女が気まぐれに犯した罪を抱えて生きていく悲劇の方が、ずっと重くて表現の幅もひろがるハズ。
それなのに、主演ナイトレイがセシリアを演じたことで本筋がふたつ(セシリア+ロビーのパート/ブライオニーのパート)にぱっくり分断されて、ブライオニーの内面描写が思いっきりおざなりになってしまっている。タイトル通りブライオニーメインで描いてれば、ラストのカタストロフももっとキョーレツになってたに違いない。もったいねえ〜!観ててめーちゃめちゃ消化不良だったよー。

カメラワークや編集は凝ってるし映像はとってもキレイだったんだけど、SEのサンプリングをやたらめったらに駆使したOSTはやかましくてしょーがなかった。
仕上げで頑張って英国文学の古くささを排除しようとしたのかもしれないけど、べつにそんなことする必要はなかったんとちゃいますかね?頑張り過ぎ。
まあでもお話はおもしろかったので、原作はこれから読んでみたいと思いますです。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿