『スラムドッグ$ミリオネア』
インドでも大人気のクイズ番組「クイズ・ミリオネア」に出場した孤児ジャマール(デヴ・パテル)。まともな教育さえ受けていないストレートチルドレンだった彼が次々に正解を出すのを不正と怪しんだ警察は、最後の2問を残して翌日に収録を繰り越した隙に彼を拘束して厳しく追及する。
だがそこで彼が告白したのは、数奇な運命から偶然知ることになった「生きた回答」だった。
2008年度アカデミー賞最多8部門に輝いた傑作。
おもしろかったです。ハイ。
ぐりはインドには行ったことなくて、住んでた知りあいの話とかノンフィクションで読んだ情報でしか知らない国なんだけど、そういう半端な知識で観た範囲ではほんとによくできてるなーと思ったし、ダニー・ボイル監督も彼なりのリスペクトをもってムンバイのスラムを描こうとしてるなという印象は受けました。
だって主人公ジャマールは確かに貧しいけど、物語全体を通して観れば単純に「貧困=悪」って話にはなってないんだよね。それよりもむしろ、現実を忘れさせてくれる「お金」という夢が、実際にはいかに人の心と魂を荒廃させるかという面の方がしっかり表現されてるような気がしましたです。
そういう意味ではこの映画はやっぱりフィクションだし、夢物語だと思う。でもいいんだよ。映画なんだから。
ジャマールの生きた軌跡は10問のクイズの答えを知る“旅”でもあり、同時にインドという国で貧しい孤児がいかにして生き抜いているかという見本帳のようなものでもある。ゴミを集めたりトイレ番をしたり、歌を歌って物乞いをしたり、列車の中でライターを売ったり、インチキで旅行者をガイドしたり、置き引きなどのこそ泥もする。彼らの生きている社会には法律などというものは存在しない。24時間365日、生きるか死ぬか、食うか食われるかを賭けた戦いの連続である。そこに生半可な常識や倫理など入り込む余地はない。
そして彼自身にとっては、その苛酷な人生は運命の恋人と生きて再び巡り会うための“旅”だった。彼はほんとうは何もいらなかったのだ。地位も名誉も富も何もほしくはなかった。ただただ、彼女に会いたかった。ピュアです。ロマンチックです。
マフィアの描写がえらいおざなりだったり、途中何ヶ所か「ん?」な部分はないこともなかったし、ダニー・ボイル独特のせわしないカメラワークと編集には弱冠辟易しましたけど、音楽はいつも通りよかったし、重い内容を絶対に重くならないようにテンポよく見せていくセンスには改めて感心しました。
しかし警部役のイルファン・カーン以外にはアメリカで名前の通った出演者はいないし、第一インドの話だし、よくこんなのをハリウッドでここまでしっかりお金を賭けてつくれたなと思う。それでしっかりヒットしてるんだから、ハリウッドって奥が深い。
この映画の大ヒットでロケ地インドではあれやこれやとスキャンダラスなゴシップがニュースになってるけど、ぶっちゃけ映画をネタに騒ぐくらいならマスコミにはもっと他に騒がなきゃいけないことは山ほどあるんでないのー?と思う。情けなくないのかねー?
まーマスコミなんてどこの国もいっしょなのかもしれないけどね。
インドでも大人気のクイズ番組「クイズ・ミリオネア」に出場した孤児ジャマール(デヴ・パテル)。まともな教育さえ受けていないストレートチルドレンだった彼が次々に正解を出すのを不正と怪しんだ警察は、最後の2問を残して翌日に収録を繰り越した隙に彼を拘束して厳しく追及する。
だがそこで彼が告白したのは、数奇な運命から偶然知ることになった「生きた回答」だった。
2008年度アカデミー賞最多8部門に輝いた傑作。
おもしろかったです。ハイ。
ぐりはインドには行ったことなくて、住んでた知りあいの話とかノンフィクションで読んだ情報でしか知らない国なんだけど、そういう半端な知識で観た範囲ではほんとによくできてるなーと思ったし、ダニー・ボイル監督も彼なりのリスペクトをもってムンバイのスラムを描こうとしてるなという印象は受けました。
だって主人公ジャマールは確かに貧しいけど、物語全体を通して観れば単純に「貧困=悪」って話にはなってないんだよね。それよりもむしろ、現実を忘れさせてくれる「お金」という夢が、実際にはいかに人の心と魂を荒廃させるかという面の方がしっかり表現されてるような気がしましたです。
そういう意味ではこの映画はやっぱりフィクションだし、夢物語だと思う。でもいいんだよ。映画なんだから。
ジャマールの生きた軌跡は10問のクイズの答えを知る“旅”でもあり、同時にインドという国で貧しい孤児がいかにして生き抜いているかという見本帳のようなものでもある。ゴミを集めたりトイレ番をしたり、歌を歌って物乞いをしたり、列車の中でライターを売ったり、インチキで旅行者をガイドしたり、置き引きなどのこそ泥もする。彼らの生きている社会には法律などというものは存在しない。24時間365日、生きるか死ぬか、食うか食われるかを賭けた戦いの連続である。そこに生半可な常識や倫理など入り込む余地はない。
そして彼自身にとっては、その苛酷な人生は運命の恋人と生きて再び巡り会うための“旅”だった。彼はほんとうは何もいらなかったのだ。地位も名誉も富も何もほしくはなかった。ただただ、彼女に会いたかった。ピュアです。ロマンチックです。
マフィアの描写がえらいおざなりだったり、途中何ヶ所か「ん?」な部分はないこともなかったし、ダニー・ボイル独特のせわしないカメラワークと編集には弱冠辟易しましたけど、音楽はいつも通りよかったし、重い内容を絶対に重くならないようにテンポよく見せていくセンスには改めて感心しました。
しかし警部役のイルファン・カーン以外にはアメリカで名前の通った出演者はいないし、第一インドの話だし、よくこんなのをハリウッドでここまでしっかりお金を賭けてつくれたなと思う。それでしっかりヒットしてるんだから、ハリウッドって奥が深い。
この映画の大ヒットでロケ地インドではあれやこれやとスキャンダラスなゴシップがニュースになってるけど、ぶっちゃけ映画をネタに騒ぐくらいならマスコミにはもっと他に騒がなきゃいけないことは山ほどあるんでないのー?と思う。情けなくないのかねー?
まーマスコミなんてどこの国もいっしょなのかもしれないけどね。
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