『ボーダーライン』
FBI捜査官のケイト(エミリー・ブラント)はアリゾナでの誘拐事件容疑者宅への急襲作戦で無数の被害者の遺体を発見するが、その捜索中に物置に仕掛けられた爆弾で捜査官2名を失う。上司に「首謀者を逮捕できるから」と推薦されてメキシコの麻薬カルテルの捜索チームに加わるが、国防総省顧問マット(ジョシュ・ブローリン)率いるチームには正体不明のコロンビア人・アレハンドロ(ベニチオ・デル・トロ)がいて、国境警備隊を中心とする彼らの捜査は渋滞中の国境地帯で銃撃戦を仕掛けるなど、ケイトには到底受け入れがたいものだった。
すげーいっぱい死体が出てくる映画でした(爆)。
いやもうホントに何体出てきたかよくわからない。それもハンパなくひどい死体ばっかり。血みどろで袋詰めにされ壁の中に押しこめられた死体、爆発で身体の一部が吹き飛んだ死体、蜂の巣になった射殺体、頭をきりとられて高架につり下げられた死体、死体、死体、死体。そして銃撃戦。
映画全体のほとんどがクルマでの移動シーンか銃撃戦で、台詞が極端に少ない。ケイトは作戦の中身をほとんど聞かされないし、黒幕アラルコンが具体的にどんな犯罪を犯しているのかもろくな説明がない。でも作戦はパツパツに緊迫している。そしてその緊迫感を盛り上げる音響効果。
もう抜群にストレスたまります(笑)。禁煙に挫折するケイトの気持ちもスゴくよくわかる。
実際に麻薬カルテルが支配したメキシコの治安は極端に悪化していて、組織間の抗争やそれを一掃しようとする当局との争いでこの10年に10万人超ともいわれる犠牲者を出している。もう数からいって完全に戦争ですね。ハイ。
なのでケイトは犯罪捜査だと思っている作戦も、実は軍事作戦だったりする。そこで法規は何の効力も持たない。殺さなければ殺される。善悪をいちいち判断している余裕もない。そんなものを考えている間にそのアタマが吹き飛ばされて死ぬのがオチだ。躊躇=油断なのだ。
その犯罪に加担している人々すべてが悪人の顔をしているわけではない。そこも戦争と同じだ。各々自宅に戻れば家族がいて、子どもがいて、一家団欒の食卓があったりする。その場で互いに「お前は何をした」と問うやりとりほど空虚なものはない。戦争は、そういう当たり前の小さな幸せすら容赦なくおしつぶす。
見終わってみると主人公の役割に矛盾をめちゃめちゃ感じてしまいましたが、アメリカではけっこう高評価らしーですね。同じ題材のドキュメンタリー『カルテル・ランド』も来月公開なので、そっちもちょっと楽しみにしております。
関連レビュー:
『ボーダータウン 報道されない殺人者』
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すげーいっぱい死体が出てくる映画でした(爆)。
いやもうホントに何体出てきたかよくわからない。それもハンパなくひどい死体ばっかり。血みどろで袋詰めにされ壁の中に押しこめられた死体、爆発で身体の一部が吹き飛んだ死体、蜂の巣になった射殺体、頭をきりとられて高架につり下げられた死体、死体、死体、死体。そして銃撃戦。
映画全体のほとんどがクルマでの移動シーンか銃撃戦で、台詞が極端に少ない。ケイトは作戦の中身をほとんど聞かされないし、黒幕アラルコンが具体的にどんな犯罪を犯しているのかもろくな説明がない。でも作戦はパツパツに緊迫している。そしてその緊迫感を盛り上げる音響効果。
もう抜群にストレスたまります(笑)。禁煙に挫折するケイトの気持ちもスゴくよくわかる。
実際に麻薬カルテルが支配したメキシコの治安は極端に悪化していて、組織間の抗争やそれを一掃しようとする当局との争いでこの10年に10万人超ともいわれる犠牲者を出している。もう数からいって完全に戦争ですね。ハイ。
なのでケイトは犯罪捜査だと思っている作戦も、実は軍事作戦だったりする。そこで法規は何の効力も持たない。殺さなければ殺される。善悪をいちいち判断している余裕もない。そんなものを考えている間にそのアタマが吹き飛ばされて死ぬのがオチだ。躊躇=油断なのだ。
その犯罪に加担している人々すべてが悪人の顔をしているわけではない。そこも戦争と同じだ。各々自宅に戻れば家族がいて、子どもがいて、一家団欒の食卓があったりする。その場で互いに「お前は何をした」と問うやりとりほど空虚なものはない。戦争は、そういう当たり前の小さな幸せすら容赦なくおしつぶす。
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