落穂日記

映画や本などの感想を主に書いてます。人権問題、ボランティア活動などについてもたまに。

クロサワまつり

2007年06月17日 | movie
『生きる』
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死期を知った人間がこれまで目的もなく漫然と生きていた自分に気づき、苦闘しながらも進むべき道を模索するというヒューマンドラマ。初見です。
主人公の渡邊勘治(志村喬)が口下手で事なかれ主義という性格もあって、最初は観ていてものすごくまどろっこしいし、テーマの割りにコミカルな印象が強い。でもそのぶん、前半にカフェだバーだダンスホールだストリップだと遊び歩くシーンが連続していて、昭和20年代の風俗を存分に堪能できるのでまったく飽きない。おまけにそのあと、男やもめの渡邊が市役所の部下・小田切とよ(小田切みき)とデートするシーンまである。
一見感動物語にみせかけておいて、後半では煩雑で不条理にみちた非効率的きわまりない役所の機構と官僚主義と、戦後民主主義の偽善を痛烈に皮肉ってもいる。かなり文学的で政治色も強い映画。今はこういう日本映画はほとんどつくられてないよね。技術だけは進歩してるかもしれないけど、自由さとメッセージ性いう意味では後退してんのかも。

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